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Apple、Valve と会話して『Steam Link』配信に協力しているとコメント。現状の問題点について指摘も

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Steam向けのPCゲームがスマホ上ですべてプレイできる(※入力デバイスによる限界はある)として脚光を浴びたものの、Appleが「ビジネスの競合」のために却下した『Steam Link』。
iOSゲーマーとしてはとても残念な事件だったが、これに関して Appleの上級副社長のフィル・シラー氏がコメントを行った。
Apple は App Store 利用者に良いゲームを届けたいと思っており、Valve のゲームやサービスが iOS や Apple TV で楽しめることは良いことだとしている。だが、『Steam Link』アプリは、アプリのガイドラインに触れていてこのままでは出せないというのが現状だという。

指摘されたガイドライン違反は、ユーザー作成コンテンツやアプリ内購入、コンテンツコードなどに関するもの。これについて、すでに Valve と協議しているという。
確かに、Apple の規約によれば、アプリは外部からダウンロードしたプログラムを実行してはいけないし、アプリ内決済を利用しない課金も推奨していない。
また、コンテンツや機能を解放するためのライセンスキー(おそらくSteam Keyなど)も禁止だ。

これに対して、Valve側は『Steam Link』アプリをその他にも存在するリモートデスクトップアプリであるとしており、Appleのガイドラインに沿っているという認識を示していたが、この主張はやや苦しい。
確かに、wifiを通じてPC画面をストリーミング配信するアプリ技術の根幹は『Steam Link』と他のリモートデスクトップアプリと変わらない。
しかし、『Steam Link』は明確にSteam専用の画面が立ち上がり、利用目的もほぼSteam利用に限られる。つまり、主眼はSteamアプリなのだ。
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▲Steam以外は基本使えない!

他のリモートデスクトップと同じであるなら、リモートデスクトップアプリとして機能する必要が出てくるだろう。
一方、Steamアプリとして出すならば、このままの形で『Steam Link』をリリースすることは難しい。アプリはただ購入したものを再生する……Keyアンロックや買い物はPCやブラウザのみで行えるAmazon『Kindle』アプリのような形に変更が必要だ。
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▲直接買えなくて不便。アプリの機能もAppleに邪魔されるまでもなく不便の2重苦。

いずれにせよ、Apple側がコメントを発表したことで、『Steam Link』配信の問題点は見えてきた。Apple は、基本的に譲らない。
あとは Valve が Amazon ほど歩み寄れるかが焦点になってくるだろう。

最後に、全力で一言叫んでおく。
iOS端末も、App Storeに出るゲームも素晴らしいけど、Appleのこういうところが本当に嫌い。