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『Faraway 3』レビュー。雪に覆われた遺跡の美しさと不思議さを感じさせる“観光脱出ゲーム”

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消えた父を追って、雪で覆われた謎の文明の遺跡を探索する脱出ゲーム『Faraway 3』が登場した。
美しい雪景色と淡い色使いの建物は、美しく繊細な世界を描写しており、プレイヤーをゲーム内に引きずり込む没入感がある。
ゲームの長所を理解した作りで、移動はスムーズに、謎解きは超簡単でストレスのなく作られており、「謎の文明の遺跡を観光している」かのように楽しめる。
製作したクロアチアの開発会社 Pine Studio の名は、今後覚えておいた方がいいかもしれない。

『Faraway 3』のゲーム概要は、非常に簡単である。
気になるところをタッチして調べ、アイテムがあれば触って拾い、レバーがあれば指で画面をなぞって起動させる。タッチ操作の脱出ゲームである。
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基本的には固定画面だが、場面によってドラッグ操作で周囲を見回すこともできる。
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▲画面中央上に左右の矢印がうっすら。この場面では左右を見渡せる

ステージには父が残した3枚の文書が隠されており、これを発見して読むことで父の足跡を知ることもできる。ただ、あくまで雰囲気は感じられる程度。内容を理解したければ英語に言語を切り替えた方が良い。
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で、父の文書を探しつつ、各ステージに存在する石版を見つけ、ポータルにはめ込むとワープゲートが開いて次のステージに進める。
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こんな感じにどこにでもあるシステムの脱出ゲームなのだが、プレイを始めるとクリアまで本当に止まらない。
なぜって、1つはゲームの世界観が良いから。どこを見ても見栄えがするので、ゲームを進めていくだけで景色を見ることが楽しくなる。
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ゲームの演出を見ていても、まったく謎解きと関係なく船で進むシーンがあったり、トロッコを操作して先に進むだけのシーンがあったりと、謎解きよりも「見知らぬ遺跡の冒険」に重点を置いた作り。
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ゲーム内では気に入った場所を写真に撮ってアルバムにまとめる機能もついており、開発の Pine Studio がゲームの重点を遺跡観光に置いていて、楽しませようとしていることがよく分かる。
実際に、それは楽しく機能している。
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そして、止まらない理由のもう1つは謎が超簡単ということ。
全18ステージそれぞれに異なる仕掛けが用意されているが、毎回幼稚園児でも分かるほど簡単な状態~始まる。下の仕掛けをみて欲しい。何も説明もないが、ドラッグでツマミを印の位置まで合わせるだけでとけてしまう。テンポ良く進めて、やめ時がない。
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ところが、不思議なことにこの仕掛けに対して退屈はあまり感じない。
というのも、仕掛けがゲーム世界に合致しており「説明書なしで異文明の機械を操作している」ような気持ちになるからだ。
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謎の装置があって、近くにボタンがあって、恐る恐る触ってみると電源がついて先に進める……それに近い感覚があるのだ。
異文明が簡単に使えるように作った装置ならば、まあ説明書なしでなんとなく動かせるのも納得。ある程度はそう思えるような作りになっている。
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つまり、本作は風景、謎解きの仕掛け、難易度まで“観光”に重点を置いて作られた素晴らしい脱出ゲームである。手強い謎解きを求めていると肩すかしを食うが、この記事に載せた画像群を見て、ピンときたら是非遊んで欲しい。
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幸いなことに、全18ステージ中の9ステージ目までは無料でも遊べるので試してからお金を払うこともできる。気に入った時点で360円支払えば、広告がなくなってエンディングまで楽しむこともできる。
雰囲気ゲーが好きな方や、難しすぎる脱出ゲームに飽きた方、そして行方不明になった探検家の父の手紙から始まる冒険が好きな方にはぜひ試してもらいたい1作だ。観光気分で楽しい1時間が過ごせるだろう。

評価:7(要チェック)

おすすめポイント

寒々しく美しい遺跡
ヒント完備だが、そもそも悩むことなくどんどん進める

気になるポイント
簡単すぎて手応えがない
日本語訳が怪しい

アプリリンク:
Faraway 3 (itunes 体験無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)

販売:Snapbreak Games(スウェーデン)
開発:Pine Studio(クロアチア)
レビュー時バージョン:1.0
課金:360円(広告削除+追加9ステージ)
公式ページ:http://pinestudio.co/farawaygame/
ライター:ゲームキャスト トシ

動画: