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大逆転『大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-』レビュー。2作分の物語を完結する快感

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『大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-』は幸せな作品である。
明治時代の日本と倫敦(ロンドン)を舞台に、弁護士として活躍する大法廷バトルゲームの2作目……なのだが、これは実質的に1作目の『大逆転裁判―成歩堂龍ノ介の冒險―』の完結編だ。
最近では「1作目を知らなくても、2作目から楽しめますよ」が普通だったりするが、今作は違う。1作目を遊んでいないと、2作目は十分に楽しめない。
その分、1作目を前提とした物語には厚みがあり、2作分の物語が一気に完結するカタルシスは格別。
いまどき、こんな贅沢な作りが許されるのか。この贅沢さを1人でも多くに伝えるべく、この記事を書いている。

『大逆転裁判2』は、"探偵パート"で現場調査や聞き込みを行って証拠を集め、"法廷パート"で証拠をもとに論理的な推論を重ね、絶望的な状況から逆転を演じて裁判で無罪を勝ち取る法廷バトルシリーズ最新作だ。
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シリーズ中でも『大逆転裁判』は、明治時代の倫敦(ロンドン)の空気が楽しめる異国情緒があり、かつ科学的な調査がない時代特有の“言い逃れ”をふさいでいく気持ちよさあり、そしてテンポの良いシステムありで、最も現代風(時代は明治なのに)のシステムを持ち、お気に入りの1作である。
(詳細は前編の『大逆転裁判―成歩堂龍ノ介の冒險―』の記事を確認して欲しい。システムは同じだ)
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だが、1作目は面白いにも関わらず、物語が謎を残したまま終わり、その点に非難が集中した。当然ながら、私が今作を始めたとき気になっていたのは物語の終わらせ方である。
本来、『逆転裁判』は全5章の中で謎が提示されて解決されるシリーズなのに、前作では5章に渡って伏線を張り、話の風呂敷を広げる続けてたたまなかった。つまり、今作には5章分の謎を開かして風呂敷をたたむ義務がある。
この巨大な風呂敷をどうたたむのか……そこに注目していた私を待っていたのものは、驚くべきことに、さらに大きな風呂敷であった。
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『逆転裁判2』は再び日本から始まり、前作で起きた事件のその後を描き、あろうことかさらに謎を提示して物語を複雑化して見せたのだ。
本当にこの物語はきれいに終わるのか。楽しみつつも、そんな不安が心をよぎった。
が、それはいらぬ心配であった。
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第1章で再び物語を広げた『大逆転裁判2』は、第2章で舞台を倫敦に戻し、登場人物の猛烈な再配置を始めた。前作からの登場人物達には再びしかるべき役割が与えられ、重要人物たちに新しい使命を与え、見事に舞台を整えて見せた。
前作の土台を持つキャラクター達は、プレイヤーに納得できる行動原理を示し、前作以上の魅力を持って動いていた。
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同時に、新しく登場するキャラクター達もまた魅力的であった。新しい重要人物の数は控えめで、その分描写に力が入っていた。
また、キャラクターの動きも印象的で、スタッフに脂がのっているとしか言えない作りである。
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さらに、ゲームのテンポにも磨きがかかっていた。
探偵パートはさらに親切になり、前作でごく一部に見られたテンポの悪い部分も解消され、最終弁論が繰り返されるマンネリにも一定の決着が見られた。
とにかく、よりストーリーとムジュンを突く論理パズルに集中できるようになっていたのだ。
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寂しく感じたのは、シャーロックホームズをオマージュしたオープニングがなくなったことぐらいだろうか。あれは好きだったのだが、テンポを阻害すると見なされたのか、簡略化されたようだ。
訂正、オープニングは残っていた。ただし、画面を連打していると確認なくとばされるので注意。
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▲タイトルに名残はあり、雰囲気は出ているが……。

ともあれ、最も大事なのは魅力的なキャラクターによって、テンポの良さで語られる物語が面白かったと言うことだ。
各キャラクターの過去、動機は納得がいくものであったし、きれいに謎が片付くだけでなく、予想外の展開もある。主要人物にはそれ相応の見せ場が用意され、その全てが伏線の解決に向けられており、後半は異常なまでに盛り上がる。
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なんせ、通常のシリーズでは5章分の謎が一気に解消されて盛り上がる仕組みだが、今回は2作分……つまり倍の10章分の物語の謎が1つになり、一気に解決するわけだから盛り上がらないわけがない。
しかも、納得いく展開で10章分の物語に決着が付けられるわけで、そのカタルシスはシリーズでも群を抜く。
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ラスト周辺で進みすぎた科学技術が見られる点は気になったが、どんな作品にだって気になる点はある。そんな小さなことは笑い飛ばせるほど夢中になり、終わってみれば、『大逆転裁判2』はシリーズの中で最も好きな作品になっていた。
初代『大逆転裁判』は完結していないことが批判されたが、今作は初代の物語を厚みとして武器にし、見事な大逆転を演じて見せたのだ。

『大逆転裁判』はシリーズのファンなら絶対にプレイすべきだと思うし、そうでなくとも1作目からプレイする価値のある物語になっている。
ゲームならではの荒唐無稽な大逆転のカタルシスと、魅力的な物語、素晴らしい結末には誰もが満足するだろう。
このゲームを遊ぶことを、皆さんに強くお勧めする。もちろん、遊ぶときは1作目の『大逆転裁判―成歩堂龍ノ介の冒險―』からだ。1作で完結していないせいで少しレビューが荒れているが、心配ない。ゲーム自体は面白いし、何よりこの『大逆転裁判2』がその不満以上のものを見せてくれるからだ。

評価:9(傑作)

おすすめポイント
長い物語を中だるみなく見せる作り
10章に渡る物語が一気に終わるカタルシス
魅力的なキャラクターと、納得いく活躍、そして決着

気になるポイント
1作目を遊んでいないと面白さが半減
最終シーンの超技術

アプリDL:
大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟- (itunes 120円 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)

開発:CAPCOM(日本)
レビュー時バージョン:1.0
課金:ストーリー2~5一括2,400円、キャラクター追加衣装120円、単話各720円

ライター:ゲームキャスト トシ

動画:

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