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児童向け番組風ゲームに毒と子作り要素を投下した小作品『パンダがまわれば地球が回る』レビュー

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自転が止まった地球を救うべく、パンダたちが子作りして増え、その体で再び地球を回す謎の作品。
それが『パンダがまわれば地球が回る』だ。
白黒の子供むけテレビ番組風の演出ながら、毒とキレのあるテキストで楽しませる物語ゲームになっており、全クリアまでおよそ6~10分。
短時間の番組を見ているかのように楽しめる小作品である。

まずはお約束、冒頭にテレビを見る際の注意書き。
このゲームは課金しなくても遊べますが、課金すると貧乏で死にかけている作者を助けることができます。
未成年のお客様は、お父さんやお母さんに作者のそういう事情を察するよう言い含めてから遊んでください。
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……このあざとさ、嫌いじゃない。
そして、「少子高齢化と地球温暖化の影響で地球の自転が止まった」ことが説明される。
何もできずに争い傷つけあう人間達。そんなとき、地球を救うべくパンダが立ち上がった!
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その方法とは……「俺が地球の自転になることだッ!」ということで、パンダが転がり、地球の自転の速度まで加速することで再び地球に回転力を与えるのだ。
で、ゲームはと言うと単純なタップゲームとなっている。
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画面を連打するとパンダが回転して、周囲にいるパンダを巻き込みながらどんどん前に進む。
同時に、左下の“かぞくけいかく”ゲージが上昇し、「ひかえめ」→「計画的」→「猿なみ」と変化していく。かぞくけいかくが上昇すると、なぜか画面に登場するパンダが増える。
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いや、なぜかじゃなかった。
画面端できっちりいたしている。このゲームR18か。
冒頭で「未成年のお客様は、父母に作者のそういう事情を察するよう言い含めて」とお願いしたが、未成年に与えるべきではないし、そもそもそのくだりはいらなかったようだ。
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▲Appleさん、リジェクトしてください。

おっと、話がそれてしまった。
そうして連打すればするほどパンダの“かぞくけいかく”は順調になり、パンダの塊もまた高速回転を始める。
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最終的には地球の自転と同じ速度まで達すると、“エンディング”ボタンが登場して感動のエンディングが始まる(ここまでおよそ3分)。
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全体的にレトロテレビテイストが良い雰囲気だし、テキストのテイストもセンスがあって、3分のゲームにわりに意外に物語は心に残る。
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そして、最後に「CMの じかんだよ」と、開発予算回収タイム。
ここでCMを見たり、「作者を応援する」課金をすると2周目が始まるという寸法だが……。
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何度プレイしても強制終了。ツメが甘い、甘すぎる!
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ちなみに、タイトル画面の右下のボタンから課金ショップに行けるので、もし2周目を見たければクリア後に課金するか、動画を見るかで2周目を遊べる。
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短い中にエンタメを詰めている作品は好きだし、あざとい中にある詰めの甘さがある作者の人間らしさも含めてインディーゲームらしい好感度の高いゲームになっている。
もう少し何かしらの分岐があったらもっと好きだったが、2周目も含めてちょっとした暇つぶし以上にはなってくれるはずだ。

評価:6(面白い)

おすすめポイント

毒のあるテレビ番組風のエンタメ

気になるポイント
バグが多い
Androidで課金したが、自動モードがONにならなかった

アプリリンク:
パンダが回れば地球が回る (itunes 無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)

開発:猫バタ会議(日本)
レビュー時バージョン:1.0
課金:作者応援120円~360円
ライター:ゲームキャスト トシ