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ドット絵でも8bitでもないレトロシューティング『S.T.G.』レビュー。ベーマガ投稿者が見せるレトロPC風というジャンル

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2000年代にマイコンBASICマガジンに掲載された同人シューティングゲーム『Mini S.T.G.』を、10年以上を経た現代の実力をもってリメイクしたシューティングが『S.T.G.』である。
現代スマホシューティングとして不足なく楽しめるのに、撃って倒す手応えや背景の表現技法は昔風。近年は8bit風などのレトロ表現が流行っているが、それとはまた違う旧世代PC風とでも言うべき面白いレトロゲームの登場だ。

タイトル画面からして、ドット絵ではないのにどこか懐かしい作り。
このままデモプレイ(昔のシューティングゲームは、タイトルを見続けているとサンプルのプレイが始まった)が始まりそうな勢いである。
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たぎる心に任せてゲームをスタートしそうになるが、その前にやることがある。
それは設定から難易度を変更するのだ。
本作はシューティングとして比較的簡単な部類なので、慣れていない方ならNORMAL、ゲームに慣れているならHARDあたりから始めるとちょうど良い手応えが楽しめる。
まず難易度設定。ゲームキャストとのお約束だ!
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▲ほんと、1990年代を思い出すキャラデザ。素敵。

さて、ゲームを始めて見ると完全なスマホ最適化がなされていることにまず驚くだろう。
指の移動に合わせて自機が移動する相対タッチ方式を採用し、画面下には指の置き場があって操作も快適。ショットはオートを採用しており、スマホゲームの王道を行く作り。
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ゲームは近年流行の弾幕シューティングの要素を少し取り入れており、敵弾と接触しても自機灰色のコックピット部分に当たらなければミスにはならない。
ただ、主要な弾幕シューティングと比べると敵弾は少なく、かつコックピットも少し多めで「弾を避けやすいクラシックシューティング」の範囲にとどまっている。
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ピンチのときに敵の弾を消す“ボム”システムもスマホに最適化されており、敵の弾を受けたときに自動で使用されるようになっている。
手動でボムを利用することはできないが、遊んでみるとスコア目当てでボムを使う作りではなかったので「これで正解」と思える。

このスマホに最適化システムで、避けて・撃ってを繰り返す懐かしのシューティングが展開される。
アーケードゲームのような制約がないので、ステージ数が4ステージと少なめ(しかし遊びやすい長さ)だったり、残機アップがなかったりと、仕様が自由なのもPCゲームライクで懐かしい。
が、何より懐かしかったのは背景の変化だろうか。
ゲームのスタートは昔のシューティングのお約束とも言える都市部。
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▲敵を倒すとアイテムが登場し、赤はショット、緑はミサイル、青はボムの残数を増やしてくれる。

そこから大気圏を脱出して重力から解き放たれ……。
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そして敵の母星(?)が背後に!
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さらに進むと、星を守るように出現するボス敵。
テキストがまったく存在しないが、背景の移り変わりだけでなんとなく強大な敵と戦っているストーリーが推察される。
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作りも表現技法もクラシックで、根本の作りはPC雑誌のおまけに付いてきていたシューティングを現代に蘇らせたもの。
しかし、スマホ向けに直すべき箇所は直した新作として楽しく新鮮に遊べる。

また、おまけとしてBASIC Magazine2000年7月号に掲載された『Mini S.T.G.』も遊べるだけでなく、作者さんによるちょっとした説明と、プログラムソースまで確認できる。
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これだけてんこ盛りなのに無料。タイトルに少し広告が挟まれるだけのお得な作品である。
シューティングや短く楽しめるゲームを探しているなら、是非1度ダウンロードして見て欲しい。
とくにマイコンBASICマガジンやアスキーの付録シューティングのお世話になった世代は絶対DLだ。

評価:6(面白い)

おすすめポイント

撃って倒すクラシカルなシューティング
背景でストーリーを表現する懐かしさ
BASIC MAGAZINE版のゲームとソースコード付属

アプリリンク:
S.T.G. (itunes 無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)

開発: Daimon Software(日本)
レビュー時バージョン:1.0
課金:なし
公式ページ:http://daimonsoft.info/kuran_kuran/index.php
ライター:ゲームキャスト トシ

動画: