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シリーズ最高峰の物語、『逆転検事2』レビュー。ミツルギを軸とした親と子、師と弟子の成長のストーリー

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証拠をもとにムジュンを暴き、被告人の無罪を証明する『逆転裁判』。
『逆転検事2』は、そこでライバルとして活躍する御剣(ミツルギ)検事を主人公としたスピンオフ作品の2作目である。そして、全『逆転裁判シリーズ』の中でも素晴らしい物語を備えた作品だ。
前作の『逆転検事』は、面白かったが検事の立場を借りた『逆転裁判』であった。しかし、それも『逆転検事2』への布石だったのなら納得できる。
過去作品の物語が本作の面白さとして結実しており、過去作を遊んできたファンへのごちそうと言えるレベルの作品になっているからだ。過去作を遊んで、これを遊ばないのは損失だ。

なお、物語は素晴らしいがゲーム内容は前作と大して変わらない“法廷のない逆転裁判”である。
プレイヤーはミツルギ検事を操作して事件を調査し、証拠を集めて容疑者の証言のムジュンを暴く。
有罪を証明する検事と、無罪を証明する弁護士で立場は異なるが、証拠を集めて異議を唱える論理アドベンチャーパズルである。
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基本部分は初代『逆転検事』で紹介しているものと変わらない(『逆転検事』レビュー。ファンサービス満点、別視点の逆転裁判)が、“ロジックチェス”という独自のシステムも追加されてはいる。
ロジックチェスとは、会話のやりとりをチェスに見立てて相手に適切な質問をし、制限時間内に証言を引き出すシステムだ。
クールでキザなミツルギらしいシステムだが、実際にプレイしてみると論理的に追い詰めるのではなく、相手の顔色を見て会話しているだけになってしまっている。
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▲プレイのアクセントにはなっているので、失敗とまではいわないが……。

そのため、ロジックチェスを加えたところでプレイ感は『逆転裁判』でしかない。
証拠を集めて、ムジュンを暴き、犯罪者たちに痛烈な事実を突きつける……確かに面白いが、初代作品が出たときのようなインパクトはもうない。
実際、初代の『逆転検事』を紹介したときも安定しすぎていることへの物足りなさを指摘したが、今作はその物足りなさを力技で補ってしまった。

その力技とは、素晴らしい物語だ。
『逆転裁判1~6』において、検事は無罪の被告を有罪に仕立て上げようとする敵、もしくはライバルとして描かれる。その検事が逆の立場に立ったとき、何を考えるのか。
弁護士、検事を超えて人間ミツルギとしての選択が描かれるストーリーがアツいのだ。
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今作において、ミツルギは検事ではなくなる。強硬な調査の責任を問われて“検事審査会”に資格停止されてしまう。
しかし、彼は犯罪と戦うために検事ではなく弁護士の助手となる。
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▲前作、逆転検事のより。前作よりも、今作の方がはるかに似合うカット。

ミツルギが身を寄せるのは、弁護士であった父のあとを継いだ“信楽弁護士”の事務所。彼を通じて、ミツルギは父の影を追いながら弁護士の助手として才覚を発揮していく。
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同時に、検事としてミツルギが師事した“狩魔 豪”の妹弟子、“狩魔 冥”も登場する。彼女は妹弟子であり、師匠を継いで正しく仕事をしている検事として登場する。
検事として活躍していた主人公が逆の立場の弁護士側に立って、なおかつ妹弟子が成長して仕事している姿も描かれる……これが、逆境かッ!

もちろん、『逆転検事』である以上、先の展開は逆転しかない。
この2人の協力を得て、弁護士であった父と、検事の師匠が対決した因縁の事件の謎に挑むのである。
時間を超え、父の弟子である信楽弁護士、師匠の弟子である“狩魔冥”の協力を得て過去と対決するミツルギ。この展開は燃えずにいられない。
そして、これは事件の解決であると同時にミツルギの心の解決にもなっており、物語として見事な展開を見せる。
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▲過去作にない設定が次々盛り込まれるが、ストーリーのパワーで気にせず遊べる。

1作目は設定が検事になっただけで『逆転検事』と名乗っていたが、今作は検事である意味とミツルギの人生を問う『逆転検事』なのである。

その横で、新規に登場するキャラクターたちの物語も光る。父と子、過去の因縁を乗り越えてようとしているミツルギと同じように、本作には複数の親子が登場してそれぞれに異なる姿を見せ、物語に厚みを加える。
過去作からのファンであればミツルギの人生の決算と成長を強烈に感じるし、そうでなくともミツルギを軸とした親子と成長の物語として楽しめるはずだ。

これだけの物語を1本のゲームに収めたため物語の種をまくための時間が長く、中だるみするのが難点ではあるが、『逆転裁判シリーズ』のいずれかが楽しかったのであれば、最後には「やってよかった」と感じられるものになっている。
シリーズファンの方、過去にこのシリーズを楽しんだことがある方は皆にこの感動にたどり着いてもらいたいと思う。非常におすすめな1作だ。

もちろん、ゲーム中で十分フォローされているので初プレイでも楽しめると思う。しかし、長い(ミツルギ検事の人生という)物語がいったん完結するカタルシスは格別なので、できれば『逆転裁判123HD』(スマホだと安い!)や『逆転検事』を遊んで遊んでほしい。

評価:8(かなり面白い)

おすすめポイント
複数の親子の成長を描いた物語
ミツルギ検事を総括するメインストーリー

気になるポイント
逆転検事、逆転裁判の1~3を遊んでいた方が楽しめる
ロジックチェスは機能していない
長すぎて中盤だれる

アプリDL:
逆転検事2 (itunes 120円 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)
開発:カプコン(日本)
レビュー時バージョン:1.00.00
課金:全章シナリオセット2,400円、2~5章単品各720円

ライター:ゲームキャスト トシ

動画:

コメント一覧

    • 1.
    • 2018年02月03日 09:00
    • 主人公、ヒロイン共に魅力的で他のキャラも立ってて、ストーリーも面白いと
      本当に良く出来てるのだけれども
      いかんせん長すぎ感はありましたね
      どんでん返しもやりすぎるとダレるし
      終盤はどんでん返しのためのどんでん返しみたいな展開もあって、そのせいで序盤の主張と矛盾を感じることもあったので
      次回があるなら、もうちょっとテンポを上げてもいいかなと

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