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カジュアルな中に理想の対戦ゲーム要素を備えた『どうぶつタワーバトル』レビュー。奥深さもランダム性も、楽しさも全部入りのジャングル

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2人のプレイヤーが空から動物を落としてタワーのように積み上げていき、先にバランスを乱してタワーを崩した側が負け……そんなシンプルな対戦ゲームが今、話題になっている。
その名は『どうぶつタワーバトル』。
恥ずかしながら、ゲームレビューサイトを運営しながら本作をずっと知らなかったのだが……プレイしてみると、流行っていることに納得せざるを得ない面白さがそこにあった。
1試合1分。その間に手に汗握る瞬間あり、ランダム性による予想外の展開ありで、理想的なカジュアル対戦ゲームになっていたのだ。
ゲームを始めると、問答無用でマッチングが行われて対戦がはじまる。
手番のたびに動物が上に出てきて、これをスライドで左右に移動させてから指を離すと垂直落下する。
これで1回の手番終了。
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あとは積んでいくのみ。
相手に積みづらい局面を押し付けて、タワーを崩させれば勝利となるシンプルなゲームとなっている。
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だが、たったこれだけのゲームが面白いのだ。とても奥が深い。
回転ボタンをタッチすると、どうぶつを45度ずつ回転させることもできるのだが、序盤に巨大生物を引いて、斜めに置くだけで相手が困り果てることもある(詰みではない)ほど角度と配置の奥深さがある。
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何よりも動物の当たり判定が細かく設定されており、物理挙動をシミュレートした「物理パズル」特有の展開が面白い。
相手を倒したと思ったら足が地面の端に引っかかって生き延びたり、絶対安全と思った場所が崩れたりと予想のつかない展開が何度もやってきて飽きない。
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どうぶつのランダム性も絶妙だ。
大きな象やキリンを後半に引き当ててしまうと絶望的だったり、逆にヒヨコのような小さい動物をギリギリの場所で引き当てたりと、ランダム性によって試合が揺らぐのが楽しい。
ピンチを乗り切ると相手には前回プレイヤーが乗り越えた以上につらい状況を押し付けられるので、達成感も高い。
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▲キリンと亀で難易度の差が激しい。

オンラインゲーム特有のコミュニケーションの楽しみもある。
たとえば、ときおり丹念に土台を作ってタワーを用意するプレイヤーなどと当たったりもする。
「ああ、こいつは俺と一緒に巨大タワーを作りたいんだな」
というメッセージが伝わり、それに応えるとチャット機能もないのに共同作業が始まる。
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結果として、非常に高いタワーを積み上げることができた。
本来は相手に厳しい局面を押し付けてタワーを崩壊させれば勝ちなのだが、これをプレイしているときだけは「もっと高いタワーを!」という楽しみのためだけに遊べた。
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▲結果、詰みあがったスクリーンショットは大事に保存してある。

まだまだ研究中ではあるが、必殺技もあるようだ。
ギリギリのバランスで時間をかけてタワーを崩壊させると、崩壊前に自分の手番が終わって相手の手番でタワー崩壊が完了し、崩したプレイヤー側が勝利になるのだ。
下の画像では「あなた(私)の番」で象を配置しているのだが、なんと相手の番になっても象がゆっくり動き(右画像では斜めになって明らかに落ち始めている)、その後私は相手が動物を置く前に勝利した。
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▲何度も再現を狙っているが、2回しかできていない。

適度にランダム性があって負けても「運が悪かった」で済ませることができるが、実はうまくプレイすれば勝率が上がる。
物理挙動による予想のつかない展開や非常に再現が難しいバグ(?)などによる勝利や敗北も面白い。
これだけ濃い対戦が、1試合およそ1分程度で行えるのであればそりゃハマる。
強いて言えば近くの友達と遊べないことだけが気になるが、それは小さな問題。
対戦カジュアルゲームという名のジャングルにおいて、『どうぶつタワーバトル』は今、間違いなく王者に君臨できる良作だ。

評価:9(すごく面白い)

おすすめポイント
直感的に理解できるパズル
原始的な物理パズルの楽しさ
可愛い

気になるポイント
なし

アプリDL:
どうぶつタワーバトル  (itunes 無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)

開発:Yuta Yabuzaki(日本)
レビュー時バージョン:4.0
課金:なし

ライター:ゲームキャスト トシ