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美しいアート、デッキビルド系と物語RPGの融合『Night of the Full Moon』レビュー。こんなRPGを待っていた

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場にあるカードを取捨選択して取得し、自分だけの連携を持つカードデッキを作りつつ対戦する“デッキビルド系”カードゲーム。
これを1人用の買い切りRPGとして見事に再構成した作品が『Night of the Full Moon』だ。
美しいアート、戦術性の高いバトル、そしてカードゲームの進行に融合したストーリー……すべてが高いレベルで調和しており、「スマホで、こんなRPGが遊びたかったんだ!」とプレイして納得するほどの力がある。
本作は、カードRPG好きなら見逃すべきでない作品と言えよう(ただし、MTGやハースストーンの効果テキストを読める程度の英語力は必要)。

『Night of the Full Moon』は、消えたを祖母を探す少女の物語である。
満月の夜になると、この森にはモンスターが現れる。消えた祖母は森にいる。そう結論した少女は、夜の森に旅立つ。
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冒険に出かける前に、プレイヤーは少女のバトルスタイルを選択する。
どのスタイルでもクリアできるが、難易度が高いスタイルはゲームの仕組みに習熟しないとクリアが難しくなっている。最初は戦士タイプが良いだろう。
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▲個人的に、このイラストだいぶ好み。

旅の準備を整えたら、祖母を探す冒険が始まる。
プレイヤーの目の前には3枚のイベントカードが提示され、3枚の中から好きなイベントカードを選択して冒険を進められる。選んだカードのイベントが終わると新しいイベントカードが提示され、選ばなかったカードは場に残る。

▲イベントカードは全て一定の山札の中からひかれているため、序盤に良いカードがたくさんくると、後半は敵が多くなったりもする。

回復の泉、カードを購入できるショップ、宝箱からアイテムが出たり、魔女からクエストを依頼される(道カードが追加される)など様々なものがあるが、基本的に道中にやることはお金というリソースを利用して「デッキの調整」作業だ。
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条件なく利用できるアタックカード、毎ターン回復するアクションポイントを利用するもの、有限のマナを消費する魔法などが存在し、それぞれに使い方のコツがいる。
さらに、キャラクターがレベルアップして覚えるスペシャルスキルとの連携も考え、先々に必要となるカード、現在必要なカードを取捨選択してデッキを完成させる必要がある。

そうして調整したデッキは、敵とのバトルイベント(最も多いイベントでもある)で使用される。
バトルではターン制を採用しており、デッキ内のカードが手札として毎ターンランダムに配られる。
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で、1枚ずつカードを利用して“TURN END”を選択すると敵が行動し、プレイヤーが生きていれば再び手札が配られて再び行動する。
非常にシンプルな仕組みではあるが、ほぼすべての敵にユニークなデッキが採用されたり、独自の能力が設定されており、プレイヤーがカードを出す順番次第で戦局は大きく変わる。


バトルが終わるとEXPとゴールドが手に入り、EXPが一手に達してレベルアップすると、ランダムに2つの特殊効果が表示され、そのいずれかを選択して取得できる。
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これを繰り返して3つステージ(イベントカードの山)を消化し、最終的にボスカードを倒すとゲームを攻略できるという仕組みのゲームになっている。
プレイしてみて、ゲームの完成度の高さに驚かされた。
対戦相手は人間ではないが、敵の能力設定は豊富で一筋縄ではいかない。例えば、毒攻撃オンリーでカードを固めても、どこかで毒耐性を持つ敵が登場する。
うまくリスクヘッジをしたデッキを、選択するスタイルに合わせて構築していく作業はまさしくデッキビルド系ゲームの楽しさを体現していた。

それだけでなく、ストーリーとゲームプレイの巧み融合もまた素晴らしかった。
敵とのバトルは単に戦いではなく、世界観とストーリーも示している。
たとえば、最初のステージは村の入り口という設定になっており、敵カードのほとんどは人間だ。多くの場合は、勇敢な少年が最初の敵として立ちはだかるだろう。
少年を倒すと「森は危険だから行かないでほしかったんだ!」と語りかけてくる。
それに対してプレイヤーは3つの選択肢から選んで「絶対帰ってくるから」と約束することもできるし、「心配してくれてありがとう」と答えることもできる。
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プレイ中、村から逃げた囚人、真実を知であろうモンスターの魔女などさまざまなキャラクターとの会話により、プレイヤーは森の真実を断片的に知ることもできる。
会話の内容によっては最終ストーリーが分岐もする。
単に作業的にデッキビルド系のゲームをこなすだけではなく、物語をたどることで繰り返しのプレイがより楽しくなる仕組みとなっているのだ。
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そうして仮初のエンディングを迎え、分岐を知って真のエンディングにたどり着いたころ、私はちょうど全てのスタイルを使い分けてエンディングまで遊び尽くすことができた。
デッキビルド系RPGとしての戦術の楽しさも、クリアまで飽きない物語も、秀逸なビジュアルも、全てがバランス良く融合し、買い切りゲームとして理想的なバランスを保っているように思われる。
携帯ゲーム機的なRPG体験を保ちつつ、いつでも中断して遊べる配慮もあり、買い切りゲームが好きなプレイヤーなら見逃せない。

中国には家庭用ゲームの下請けとして高い技術力を持つクリエイターが数多く存在する。
近年、基本無料ゲームのクオリティで注目されているが、本作や『ICEY』のように有料ゲームでも存在感は大きくなった。日本も成長しているし、欧米だけでなく中国からもこういったゲームが次々に登場するかと思うと、スマホゲームの未来が楽しみでしかたない。

評価:8(かなり面白い)

おすすめポイント
デッキ構築が楽しい
個性豊かな敵
引き込まれる物語の語り口

気になるポイント
MTGやハースストーンの効果テキストが読める程度の英語力は必要

アプリDL:
Night of the Full Moon (itunes 240円 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)

開発:SOULGAME INFOMATION(中国)
レビュー時バージョン:1.1
課金:なし

ライター:ゲームキャスト トシ

コメント一覧

    • 1. 谷村
    • 2017年10月31日 23:06
    • 面白そうだなぁ
      日本語だったらなぁ
    • 2.  
    • 2017年10月31日 23:38
    • これはかなり面白かった。ストーリーがわかれば(分岐は英語力亡くてもわかるけど)もっと楽しかったのか。
    • 3. tくめい
    • 2017年11月01日 10:13
    • 海外のレビューを色々見てみたところ、DreamQuestのシステムとの類似性への指摘を割と見かけますね。
      CloneやCopyの単語が散見されるので、まあ良い意味での類似性ではないようです。
    • 4. 管理人
    • 2017年11月01日 11:59
    • Dream Quest、面白そうだったけどあまりのビジュアルでやってなかったんですよね。
      あれは見下ろしマップだったと思いますが……ちょっとやってみようと思います。
      ありがとうございます。
    • 5. test
    • 2017年11月01日 12:44
    • 4 少し触ってみて2章で死んできた
      システム面としてはほぼ同じでカード・施設も見覚えがあるものばかり
      「見下ろしマップから戦いたい敵・使いたい施設を探す」のが「3択の選択肢から〜」に変わっただけに見える

      ただ、目新しいカードもそこそこあって職業についても多少の変更は入っている様子
      ドローのシステムが違っているのがかなり大きな影響をもたらしそうではある

      それでも"少し触っただけ"だと「DreamQuestが好きなら楽しめると思うゲーム」としかまだ思えない
    • 6.
    • 2017年11月01日 18:46
    • ドミニオンばたけの人間からすると、うまく落とし込んでいて楽しいなと思った。
      ドロー系あるなしでゲームとしては別物になるし、いいのでは。DQやってませんが
    • 7. 管理人
    • 2017年11月04日 21:55
    • Dream Quest、クリアしました。
      いやー、言い訳できないですね!Dream Questをパクりすぎているでしょう!
      離れ方としては、パズドラと三國志パズル大戦よりマシって程度ですね。
      楽しみ方はちょっと違うゲームになっていたので、ゲームキャストの基準からするとまあナシではないかな……。
      知っていたら華々しく取りあげなかったレベルではありますが。
      (基準としては、システムは保護されないので法律的な権利を侵さず、完コピではなく、オリジナルの利益を損なわなければ良いのではと思っています。その基準で言うと、DreamQuestはずいぶん昔のゲームなので、売り切りでもあって賞品としての利益の食い合いはないかな、と)

      とりあえず、DreamQuestを原作として紹介する必要を感じました。

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