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コンボするほど音が豪華になるチップチューン音ゲー『CHIP STEP』レビュー。シンプルゆえの気持ちよさ

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音楽機材のステップシーケンサーの動きをモチーフに、シンプルな音楽ゲームを作る。
そんな目標で作成された新リズムゲーム『CHIP STEP』がApp Storeにリリースされた。
見た目にも懐かしいだけでなく、ファミコン風の音は頭に残り、上手く演奏できればかなり気持ちいい。
にもかかわらず広告なしの完全無料アプリ。曲を気に入ったプレイヤーがサウンドトラックを購入することで開発を継続する仕組みで、まさにインディーズゲームといったチャレンジャーな仕組みをとっている。
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まず、曲の選択画面からしてノスタルジーを誘う見た目で良い。
ジャケットにはRPG風、アドベンチャー風、アクション風など懐かしのゲームを意識したドット絵が並んでいる。
ここでテンションを上げつつ、曲を選んでゲームスタート。
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音ゲーとしての『CHIP STEP』はとてもシンプルにまとまっている。
画面下に4×4のマス目があり、その中を青いマーカーが左上から右下へと流れていく。
マーカーが黄色いドットと重なったとき、その交点をタッチすると音が鳴ってスコアが入る。
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また、三角のキーがあるときは、黄色い三角キーから白い三角キーまでをリズムにあわせで長押し&スライドでスコアが加算される。
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これだけ。
しかし、こんなシンプルな中に面白さがあって、遊んでみると結構ハマる。

1つは曲のシンプルさが良かった。ファミコン時代を意識して作られた曲は音数が少なく、1音の印象がすごく残る。
「ファミコン時代は曲が印象に残った」
とよく言われるが、まさにその通りで、タッチしたときに頭に残る音が出て気持ちいいのだ。
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さらに、連続してGood以上のタイミングで音を鳴らせるとコンボが発生し、コンボ数が一定上になると曲の音が増えて豪華になっていくのも嬉しかった。
30コンボぐらい到達するとプレイヤーの入力に対して後から輪唱のように音が追いかけてきて、「コンボ厳しいけど、頑張ったら楽しい」感があった。
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▲欲を言えばコンボ数がタッチエフェクトにも反映(10コンボ以上はレインボーマーカーになるとか)あればもっとよかったかな

一方で気になったのは、その難しさ。
視覚的なフィードバックが薄く、正しく操作できているかもわかりづらい。
そのためプレイヤーが正しいタイミングで入力して寸分の狂いもなく曲が再生されないと気持ちよくないし、曲の全体像もわかりづらい。
そこが難易度の上昇を生んでいるように思う。

リズム感のあるプレイヤーはリズムに合わせて難なく演奏できる。しかし、私はリズム感がないので曲を聴いて覚えて、それに合わせて入力することで初めてリズムに乗れる。
序盤はまだ簡単なので、パネルに合わせてアクションゲームのようにタッチすれば曲になり、「あ、こういう曲なんだ」と全体像が把握できて、次第にリズムに乗れるようになった。
しかし、終盤の曲は複雑でテンポも速かったので、上手くプレイできなかった。
原曲を買って曲が把握してからプレイしたら楽しかったのだが、このあたりは今後の課題になりそうだ。

とは言え、本作はまだ「とりあえず出して細かい調整を入れる」段階と公式も宣言しており、一種のβテスト段階とも言える。
現段階でも序盤の曲は気持ちよくプレイできるし、懐かしい音色の曲を楽しめて満足。
スタッフロールで画面をタッチすると、古い液晶ゲームの画面を押したような効果があるのも遊び心があってよかった。
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デジゲー博2017(C-18a)に出店しているそうなので、プレイした方は直接面白いところとか気になったところとか、フィードバックをするのも良いだろう。
これからさらに良くなっていくゲームのはずなので、曲が気に入ったらぜひアルバムを購入して開発を応援して欲しい。

評価:6(面白い) 

おすすめポイント 
チップチューンの曲を演奏できる
コンボできると気持ちいい

気になるポイント 
リズム感がないと気持ちよい演奏が難しい
視覚的なフィードバックが弱く、正しく演奏できたかわかりづらい

アプリDL: 
CHIP STEP - 音楽ゲーム・チップステップ (itunes 無料 iPhone/iPad対応)

開発:Yuji Ninomiya(日本) 
レビュー時バージョン:1.01
課金:なし。アルバムをここで販売して売上で開発する

ライター:ゲームキャスト トシ