本物の鬱ゲーってこれだ…見た者を鬱にするだけのゲーム『UTU』 - スマホ奇ゲー録
- なんなんゲー
- 2016年11月14日

ああ、これが地獄か……ひたすら陰鬱な世界を描写し、プレイヤーの気持ちを沈ませるアプリが登場した。
価格は無料で、広告すらない。つまり、採算度外視に「鬱になーれ☆」という気持ちだけで作られたアプリがこの『UTU』である。
こんなもの、よく作ったな……。
ゲームをスタートすると、地獄のような真っ赤な木々。耳元には不穏な音が流れ、初っぱなから陰鬱さマックス。

木の根元には、膝を抱えてうずくまる石像。あまりの不穏さに気持ちが落ち込んでしまう。
ここは地獄か。

で、そんな景色が色調を変え、角度を変え、どんどんプレイヤーの不安を煽る。
ホラーでもなく、ただ陰鬱。この力加減は絶妙。

▲正直才能の無駄遣い感がある
その空気に絶えきれず画面をタッチすると……うお、人形が砕けた!?

▲一応、くだくとスコアが表示されるが、意味はないようだ。
同時に、濁ったオルゴール音が鳴り響く。この音、単品でも気味悪いのだが、連続で砕くと何かのメロディになる……ん、これは童謡の「赤とんぼ」だ!
ただ、濁ったオルゴール音で鳴る「赤とんぼ」は「地獄の赤とんぼ」とでも言うべき世紀末感にあふれている。

こう、一人っきりで冬の夕方にたたずんでいるような寂しさというか、外の世界と隔絶されて何も頼る物がない感じというか……密閉型のイヤホンでプレイしていると、世界から遮断されたような錯覚を覚える。
無料アプリで広告もなし。儲けも何もない陰鬱なだけのアプリで「なんのためにこれを作ったのか」などと思ってしまったが、アプリを止めたときに意外な効用を得られた。
陰鬱な世界から日常に戻ったとき、「あ、生きよう」と思えて活力が湧いてきたのだ。陰鬱な世界を体験して、反動で人間に活力を与えるアプリ。作者が狙ったのはこれではないだろうか。
人によって感じ方はさまざまだと思うが、少なくとも筆者はそう感じた。
そんな効用を差し引いても、『UTU』の体験自体が他にはあまりないものだと思うので、珍しい物好きの方はぜひチャレンジしてみて欲しい。
評価:6(奇ゲー)
おすすめポイント

気になるポイント

課金
なし
(バージョン1.0 ゲームキャストトシ)
アプリリンク:
UTU (itunes 無料 iPhone/iPad対応)
自分が音ゲー好きだからなのか、陰鬱な雰囲気を感じつつも、体育座りしている人形(?)を連続でタップして音楽を奏でるという行為に没頭してしまい、普通に面白かったです。
鳴っている音は童謡の『赤とんぼ』で、スコアは本来の音楽に合わせて人形破壊をすると一気に伸びるっぽいですw
17万位までにスコアが伸びると、勝手にカウントがリセットされて0からになってしまうみたいですが…
あと、この記事には書かれていないのですが、画面右下に自分の持っている音楽を聴くミュージックプレイヤーの機能もあって、鬱々としてた人形達が音楽に合わせてピョンピョン飛び跳ねる姿はかなりシュールで、『そんなに塞ぎこんでるのに、めっちゃノリノリやんけ!』と逆に笑えます。
切ない系の曲だと、風景とマッチングして結構クるものがありますね。
僕はFF零式のメインテーマである『ゼロ』(Banp of chikin)でやりましたが、凄く世界観と合ってて良かったです。
このアプリの制作意図はホントに分からないですが、管理人さんもプレイヤー機能はぜひ試してみて下さいな。