『スバラシティ』のTamagoLoopから、またまた良作パズルゲームが登場した。落下するブロックを手のひらで受け止めて消すパズルゲーム、『TENOEL+』だ。
本作は、エンドレスアクションパズル『テノセル』のリメイクで、同じ基本システムでパズル方面に大きく舵を切った新作。いわば、『ぷよぷよ』に対する『なぞぷよ』的な作品である。
ただし、そのプレイ感たるや、「このシステムは元々、パズルとして作られたのではないか!?」と思うほどに良くできており、パズル好き必携の1作となっている。
原作はエンドレスゲームだったが、TENOSEL+は短いステージを攻略するゲームとなっている。
ステージには「QUIZ」と「RANDOM」の2種類が存在する。
ステージを選択すると、空にブロックが、画面下には手のひらが表示される。
ブロックが落下してくる中で、プレイヤーは手のひらを左右に操作して受け止めなければならない。1つでも落としたら、即ゲーム終了である。
なお、落ちている最中のブロックは直接動かせないが、手のひらに詰まれているブロックで横から接触するとずらすことができる。
一見、受け止めることが不可能なブロックも、この「ずらし」を利用すれば受け止められる。
そして、手のひらに隙間なくブロックが敷き詰めるとブロックが1段消える。基本ルールはこれだけだ。
だが、プレイには緻密な計算が必要になり、パズル要素はとても高い。というのも、ブロックを消すとき、消し方に応じてスコアボーナスが入るのだが、これを最大限に活かさなければステージを攻略できないのだ。
たとえば、全てのブロックが落ちきったとき、画面にブロックが残っていなければ手に入る全消しボーナス。
手のひらからはみ出る（6ブロック以上）を1度に消すワイドボーナス。
複数段のブロックが詰まれているとき、下段のブロックを消すと上の段が落ちてくるのだが、これを利用してもともと積まれていたブロックを連続で消すと、連鎖数が発生する。
もちろん、このときもボーナスが入る。
本作のメインであるQUIZステージでは、ブロックが落ちてくる順番と数が決まっている。その中で、決まったブロックを利用して最大のスコアを取らなければ次のステージに進めない。
「これは連鎖に使って、ここをずらして……」
と、スコアボーナス要素を組み合わせるアーケードライクなパズルは、新鮮。序盤はすらすら解けるパズルが多いが、中盤以降に難しくなる難易度も絶妙だ。
ルールは簡単でも、プレイには緻密な計算が必要で、「基本はシンプルで、奥は深い」ゲームになっている。
さらに、その先にも1工夫ある。パズルゲームをやっていると、同じルールで同じように考えることにマンネリを感じることがあると思う。
本作では、その対策として10ステージごと……頭が疲れてくる頃にアクション性が高い「RANDOM」ステージがやってきて、ゲームにメリハリをつけている。
ランダムに落ちてくるブロックを消してスコアを稼ぐRANDOMステージは、大量のブロックを消すアクション性がメインになっており、良い気分転換になる。
じっくり考える「QUIZ」の面白さに、頭を空っぽにして消す「RANDOM」。そのメリハリ。
難易度を見ても難しすぎず、ステージの解法も納得感があり、パズルの品質も高い。作者の方がゲームが完成してから長い時間をステージ作りに割いていたと語っていたが、その甲斐はあったと言えよう。
料金は無料でスタミナはなし。128ステージも遊べて通常時は広告もない。ヒント機能を使うときと、10ステージごとに出る動画広告（10分待てば広告を見なくても先には進める）はあるが、他のゲームと比べると広告の頻度は低いと言える。
広告が気に入らなければ240円の「プレミアム版アップグレード」で広告を消し、ヒント見放題、さらに課金専用ステージを32ステージも遊べる。
無料でも128ステージ遊べるので無課金派も満足だし、有料なら豪華アップグレードで満足。価格設定も素晴らしい。
欲を言えば、派手さがないので目にとまりづらいのが欠点と言えるが、この説明文を見ているあなたにはそんなこと関係ないはず。日本産の良質パズルを、ぜひプレイして欲しい。
評価：8（かなり面白い）
課金：
プレミアム版（広告と待ち時間がなくなり、ヒント見放題、課金専用32ステージ開放）
おすすめポイント
ランダムステージとクイズステージのメリハリ オリジナルルールなので、解くのが新鮮 頭を悩ませる良質なパズル気になるポイント
派手さや中毒感には欠ける（バージョン1.02、ゲームキャストトシ）
アプリリンク：
TENOSEL+ (itunes 無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)
動画：
