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世界の作り込みが秀逸。人がいない世界の謎を追う脱出ゲーム『スライドプリンセス』レビュー

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その古城には、1人のプリンセスと1羽のトリしかいなかった。ここはどこで、なぜ誰もいないのか。いつからそうなのか。
その謎に迫るべく、プリンセスは城の脱出を始める……。

『スライドプリンセス』は、丁寧に描き込まれたグラフィックと、それによって作り込まれた世界観を特徴とする脱出ゲームである。
先が気になって止められないストーリー、それを邪魔しない適度な難易度が絶妙に交わっており、脱出ゲームの中でも秀でた作品になっている。

ただ、システム的な面ではあまり目新しさはない。
唯一、見下ろし型の画面でプリンセスをスライドして移動させる点が、特徴と言えるだろうか。
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あとは、気になったところをタッチして調べたり、アイテムを使ったり(画面下のアイテムをタッチしてから、メイン画面をタッチする)、アイテムを2度タッチして詳しく調べたりと、普通。
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2つのアイテムを組み合わせて新しいアイテムを作ったり、合体後のアイテムを「分解」して素材の状態に戻せるお馴染みの仕組みもある。
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とはいえ、「普通のシステム」はこのゲームでは、「わかりやすい」という長所になる。
本作では世界観が作り込まれており、システムの理解に悩まされずにそれを楽しめるのだ。
プリンセスと執事のトリとの会話は背後に流れるストーリーを感じさせるし、広告演出ですらステージ間の移動演出に組み込む形でプリンセスの孤独をより見せるように考えられている。
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さらに、1ステージに1つ隠されている「ファイル」を見つければバックストーリーを垣間見て、「なぜ、プリンセスとトリしかいないのか」という謎に迫ることもできる。
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謎が比較的簡単なこと、システムがわかりやすいことが上手く作用し、その世界観とストーリーをすんなり楽しめる仕組みなのだ。
多くのプレイヤーは、プレイを始めて一気に全ステージをクリアしてしまい、「もっと先を!」と思ってしまうはずだ。

2016年10月時点では、欠点は「ストーリーが完結しておらず、ボリュームが少ない」ことしかない。ただ、それすら2016年11月のアップデートで解消される予定になっている。
作者さんの予告によると、アップデート分は「プレイヤーを驚かせる内容」になっているそうなので、アップデート前の前半を遊んで、後半の追加に備えておくと良いだろう。
アップデートが肩すかしだったらどうするかって?

いや、このゲームを遊べばその心配はしないはずだ。少なくとも、後編に期待したくなるほどには面白い。

評価:7(要チェック、アップデートされれば評価8になるかも)

課金:
なし

おすすめポイント
書き込まれたグラフィック
世界観の作り込みと、ストーリーの融合

気になるポイント
完結していない

(バージョン1.2.1、ゲームキャストトシ)

アプリリンク:
脱出ゲーム スライドプリンセス (itunes 無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)