ゲームキャスト

面白いゲームを探すなら、ここ。

鳥の群れを操作し、躍動感を楽しむ。動きをアートしたアクション『GUNTAI』レビュー

guntai_5
『GUNTAI』は、鳥の群れを制御し、危険あふれる荒野を飛ぶ群体ランゲームだ。
制作した「tha」は、日本のデザイン・アート系の会社。当然ながら、このゲームのアートは素晴らしい。
最大500羽に及ぶ鳥の群れが動く「躍動感」は素晴らしいし、どの場面も1枚のアートとしてばっちり決まっている。
ゲームも、やり込めば楽しい……のだが、アートが先行した不親切な作りの前に、多くの方がプレイしてすぐにやめてしまうのではないだろうか。
惜しい。惜しすぎるぞGUNTAI!

『GUNTAI』は、スマホを傾けて鳥の群れを上下左右に移動し、障害物を避けつつ制限時間内に進んだ距離を競うゲームだ。
何といっても、その面白さは躍動感あふれる群れの動きに集約される。

ゲームスタート時こそ、1羽の鳥を操作するだけだが……。
guntai_1

ほかの鳥に近づくと、その鳥を巻き込み群れとなる。
guntai_2

巻き込む範囲はかなり広く、あっという間に100を超える群れが形成され、大群が動くさまを楽しめるはずだ。
さらに、群れが大きくなるほどに加速して飛ぶ爽快感が増し、ゲームの爽快感も増す。
guntai_5

この動きの気持ちよさは、本当に素晴らしい。というか、それだけを楽しむモードがあっても良かったと思うほど。
guntai_14

残念なことに、そのモードはなく、鳥が障害物にぶつかると群れから脱落し、群れも減速してしまう。
なお、群れが大きくなると、どうしても障害物を避けきれなくなる。すべての鳥を救うことはできないのだ。
基本的には、より多くの仲間が助かるルートを瞬時に選んで速度を保つゲームとなっている。
guntai_14

どうしても被害を抑えたいときは「ブースト」を使える。。
400mごと(とスタート時)にブーストアイテムが手に入り、ブーストアイテムがあるときに画面をタッチすると、群れが小さくまとまって急加速する。これを使って狭い隙間を一気に抜けるのだ。
guntai_10
▲加速時は、群れが収束して狭い隙間も抜けられる

とはいえ、「鳥が少なくて加速しづらい場所を一気に抜ける」とか、「広い場所を一気に駆け抜けてタイムを稼ぐ」とか、ブーストの使い道はいくつかある。
ステージはランダム生成なので、うまい場所でブーストを使う臨機応変さもゲームに要求される。
guntai_12
▲狭い洞窟でも、ブーストはとても有効

以上が、ゲームの概要である。群れの躍動感は素晴らしいし、どこを取っても絵になる画面も良い。
さすが、アートとデザインを得意とする会社が制作しただけある。ブラボー、おお、ブラボー!
guntai_15

……なのだが、欠点もまた大きい。
まずは、操作。プレイヤーが操作するのは「群れ」であり、鳥ではない。だから、操作してもクイックに全体が動かず、操作が反映されている感覚が薄い。
続いて、群れはスマホを傾けた後に自動で中央に戻るため、気を付けていないとだんだんとスマホを持つ傾きセンサーが反応する位置が変化し、ろくに動けなくなってしまう。
guntai_9

また、ランダム生成のステージには理不尽なほど凶悪な地形もあるし、簡単すぎる地形もある。
加えて、ステージの奥が見えづらい。特に、ステージが灰色になっているときの見通しの悪さは最悪だ。アート優先にもほどがある。
guntai_13

システムもわかりづらい。群れの数はあくまで「最大速度」に影響しており、群れが大きくても鳥をたくさん失うと一気に減速する。鳥を連続して増やしたときのみ加速できるシステムを理解しないと、全然スコアが伸びない。
何も知らずにこのゲームをプレイすると、「地形が理不尽でやってられない」「操作がいまいちわからない」「理解できない」などの理由ですぐあきらめてしまうだろう。
実にもったいないつくりと言える。

上記の問題点や基本的なシステムを意識したうえでスコアアタックするのであれば、『GUNTAI』は楽しい。実際、プレイするほどスコアが伸びる堅実なゲームにもなっている。
多くの方にオススメはしない。「珍しいゲームや、一芸に秀でたゲームが好きだ!」と言う方でも、半分は楽しめないかもしれない。
だから、この記事を見て内容を理解したうえで、楽しめそうなら試してほしい。波長があった時の瞬間的な満足度は、かなり高いはずだから。

評価:6(面白い)

課金:
なし

おすすめポイント
美しいグラフィック
群れの躍動感
マップや難易度の作りが丁寧

気になるポイント
ランダム生成でひどい地形が出る
画面が見づらい
操作感が悪い
システムがわかりづらい

(バージョン1.1、ゲームキャストトシ)

アプリリンク:
GUNTAI (itunes 480円 iPhone/iPad対応)

動画: