ゲームキャスト

面白いゲームを探すなら、ここ。

まさに『白猫』の次のゲーム。時代をとらえたアクションRPG『ドラゴンプロジェクト』レビュー

dragon09
『白猫プロジェクト』に続くプロジェクトシリーズ(猫シリーズではなく、プロジェクトシリーズだったのが驚きである)の最新作『ドラゴンプロジェク(ドラプロ)』。
その見た目と、モンスターを狩って装備を作るというゲーム内容から、コロプラ版の『モンスターハンターエクスプロア(以下、エクスプロア)』と注目されていたが……実際にプレイした感想は、かなり異なった。
ドラプロはモンハンに強く影響を受けているが、それだけじゃない。『白猫』の次を見据えた新作だ。

確かに見た目には、パクり感が高い。
コロプラのグラフィックには「コロプラ感」とでも言うべき色があるが、今回はモンハンに寄せまくっていてその影もないのだ。
ゲーム開始時にキャラクターを作るときから、「アヴァベルオンラインに影響を受けたモンハン」風味。
dragon04

そして、装備や巨大モンスターは、完全にモンハン系デザイン。
正直、コロプラほど名の通ったメーカーが、ここまでモンハンのイメージをコピーするなんて残念に思ってしまった。
dragon02

ただ、ゲーム面は異なり、既存の基本無料アクションRPGにない新鮮さに満ちている。
ゲーム進行はクエストクリア方式で、「ああ、いつものステージクリア型のやつね……」と思ってフィールドに出る。しかし、まずそこで驚く。
dragon06

なんと、大勢のプレイヤーがフィールドに登場し、雑魚モンスターを個々別々に狩るMMOスタイルになっているではないか!
レアモンスターもいれば、採取ポイントもあって、スタミナもないので自由に歩き回って遊べる。モンハンかと思っていたのに、他のプレイヤーとチャットすることもできてプレイ感覚は完全にMMO。
dragon05

より正確に言うなら「とてつもなくカジュアルなMMO」か。
操作にはおなじみの「ぷにこん」を採用しており、だらだら片手で遊べる。
縛りもゆるく、1体のモンスターを複数のプレイヤーが攻撃すると、攻撃に参加したプレイヤー全員が同じように宝や経験値を手に入れられる。
レアモンスターも頻繁にわくし、フィールドモンスターが弱いので他のプレイヤーに寄生(弱いプレイヤーが強いプレイヤーを利用して稼ぐこと)する問題もない。
dragonr-3
▲キャラクターが指をスライドした方向に移動し、画面タッチで攻撃、長押しで武器種類に応じた特殊技が発動。画面端には2つのスキルボタンがあり、敵を攻撃してゲージを貯めると使用できる。

縦画面でカメラ固定のため、周囲を見回せない面倒さはあるが、遊んでいる感じはカジュアルなアヴァベルオンライン。
クエスト周回ゲーに慣れていると、これがまず新鮮だ。

そして、しばらくフィールドで遊んでいると次の驚きがやってくる。
雑魚と戦っているところに「大型モンスター接近!」という文字が表示され、突然に巨大ボスが!
dragon07
▲初めての時は結構驚く。

巨大ボスと、フィールドにそのときいた4人での戦いが始まる。
ボスバトルは、表面だけ見ると「モンスターを大勢で攻撃して、部位破壊して素材をゲット」なモンハン系。
dragonr-4

もちろん、フィールドを自由に移動し、モンスターを4人で戦うという骨子は変わらない。だが、細部のシステムできっちり差別化されているのだ。
その筆頭が「救助復活」システム。バトル中に体力がなくなったキャラクターはその場で倒れるが、猶予時間内に仲間が近くに移動すれば、体力全快で復活できる。
復活のたびに猶予時間が少なくなって救助の難易度が上がるので完全に無敵ではないが、誰でも復活で活躍でき、協力プレイの満足感やプレイヤーの連帯感を高めている。
dragonrr

もう1つ特徴を挙げるなら弱点システムだろうか。モンスターの行動に合わせて「WEAK」マーカーが表示され、これを叩くと大ダメージを与えられる上に、気絶値がたまる。
気絶値がマックスになるとモンスターが倒れ、一定時間攻撃し放題。
dragon03

これがうまく機能していて、遠くから狙い撃てる弓矢、ジャンプ切りで敵の攻撃を避けながら高い位置を切り裂くジャンプ切りの双剣、盾で敵の攻撃を防いで 大振りの攻撃にカウンターを決める片手剣など、5種類の武器はそれぞれ狙い撃てる弱点やタイミングが異なり、アクションの違い以上に使い分けの重要性も生まれている。
dragon

細かい点を言えばアクションが軽く、動きの気持ちよさやモンスターの動き、演出など細部は超一流とは言えない。
大味な当たり判定のおかげで部位狙いの成否がわかりづらいし、カメラワークの良さも含めて純粋なアクションとしての面白さは『エクスプロア』が一枚上手だ(というか、そのあたりはエクスプロアが神がかっている)。

半面、救助復活のおかげで、ある程度装備が整っていれば特攻しても簡単に復活できるし、弱点が見えるので何をすればいいかわかりやすい。
当たり判定はかなり大味で、ちょっと外れて見える攻撃も当たる。見た目はモンハンなのに、プレイ感覚はMMORPGのバトルに近く、慣れてしまえば「手ごたえのあるパーティーゲーム」としては楽しいし、モンハンと違うゲームとして良くできていると言うのが結論だ。

そして、少しプレイしてガチャを引くときがやってくると、ここにまた驚きがある。
ガチャは2種類存在し、1つは武器につける「必殺技」や、防具につけて能力を強化する「マギ」を得るガチャ。装備が変わっても取り外して使い回せるので、長く使えるお得感がある。こちらは普通のガチャだ。

驚きなのは巨大モンスターと戦う権利を得る「クエストガチャ」。
このガチャから出たモンスターを倒す仲間を募集し、見事倒すと特定の武装が必ず作れる「石版」が手に入り、レア度に応じた装備が作れる。
クエストガチャから手に入れたクエストは成功まで何度でも挑戦可能で、実質的には「装備ガチャ」として機能しているわけだ。
dragon01
▲討伐に協力したプレイヤーには装備を強化する「素材」が手に入る。事前のインタビューでは「石版」もドロップすることがあると聞いたが、LV30までプレイしてもまだその経験はない。本当に極小の確率なのだろう。ガチャを引かなくても、救済用に石版のいらない装備もある。

が、実際に試してみるとクエストガチャからは、現在のプレイヤーレベルと比べて強力なモンスターが登場し、レアなモンスターは初見で倒すのが難しい。
なんと、ガチャがプレイヤーを返り討ちにするのである。

強いプレイヤーを集めて戦うことも可能だが、それでも初期は何度も死ぬことだろう。
死ぬ。難しい。でも、S装備は欲しい。
その中で最初のレア装備を手に入れたときの喜びはとても大きいし、その過程でフレンドができることもある。
慣れすぎると作業になるが、ゲーム序盤でオンラインRPG特有の「強力なボスを仲間と倒す喜び」を経験できるのだ。

そして、そこまでプレイすると、このゲームが提供するのが「コロプラのモンハン」ではないことに気づく。
もちろん、その成分はあるが、それよりも白猫プロジェクトに飽きたプレイヤーに対して、お約束を破って新鮮な体験を提供する比重の方が大きい。
白猫系ゲームが飽和する時代を読み、それに飽きたプレイヤーに差し出す「白猫の次にやるゲーム」として作られているように思うのだ。
そして、それが連日のサーバートラブルにかかわらず、人気を得ている理由だろう。

とりあえず、言えることは1つ。白猫系(と類似ゲーム)に飽きているなら、やってみる価値はある。

評価:7(要チェック)

課金:
クエストガチャ、マギガチャ、コンテニューなど

おすすめポイント
そこそこ歯ごたえと協力感のあるバトル
白猫系のお約束を破る新鮮さ
石版から好きな部位の装備を作れるので、低課金に優しい

気になるポイント
サーバー不安定
フィールドの雑魚モンスターをとりあうのが面倒
アクションの演出はエクスプロアに軍配が上がる
究極を目指すと結構マシマシな空気の課金システム

(バージョン1.0、ゲームキャストトシ)

アプリリンク:
ドラゴンプロジェクト (itunes 基本無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)