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エンディングも死もないアドベンチャー。抽象世界を歩く『Barmark』レビュー

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あなたは、絵本の中を散策したいと思ったことはないだろうか。
現実とは隔絶された、不可思議な世界に閉じこもりたいと思ったことはないだろうか。
『Barmark』は、まさにそんな要望に応えるアプリである。いや、そんな要望にしか応えないと言った方がいいか。
本作にはエンディングはなく、死亡もない。ただ、歩き回るだけのアプリなのだ。

ゲームを起動すると、石版のそびえ立つ大地が登場する。
画面をタッチして主人公を移動させ、石版に触れると石版の形に応じて異なる世界に旅立てる仕組みだ。
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あとは、ひたすら行きたい場所をタッチして移動し、風景を見るだけ。
あるときは、不思議な人面岩のある土地。
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巨大な鹿が住む荒野。どの風景も、心の原風景を刺激するというか、何かしら引っかかる。
不思議だ。
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▲動物などは、触ると少しだけ反応を返してくれる。

また、土地には謎の装置が設置されており、それを起動と風景が変わる。
この暗い洞窟では……。
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明かりがつき、周囲が見渡せるようになる。
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人面石の大地では、機械から雪が生成され、ネコ(?)が登場した。
文明の香りが全くないこの世界に、なぜこんな機械があるのか。その理由は、わからない。
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なお、この機械はゲームの進行にまったく影響しない。
足下をダブルタッチすると、その場に種をまいて植物を育てられるが、これすら雰囲気を出すためにあるだけ。
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▲花畑を作った。が、だからといって何かあるわけじゃない。

最初に書いた通り、このゲームにクリアはないし、石版も毎回ランダムに配置されるのでプレイヤーが行きたい世界を選んでいけるわけではない。
ただ、その時々、アプリが示す世界を散策するだけ。
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ゲームを期待している方にはお勧めしないし、仕組みのシンプルさから長時間遊びたい方にもお勧めしない。
だが、プレイヤー自身の思惑に乗らない、不思議な何かを見続ける経験は、何か心に引っかかる。
静かな夜、布団の中で遊んでみて欲しい。
きっと、言葉にならない感覚が心に生まれるはずだ。

人を選ぶアプリだが、本作は現在360円のところ120円となっている。試してみたいなら、今どうぞ。

評価:6(面白い)

おすすめポイント
抽象的なイラストの中を歩き回れる
静かな音楽

気になるポイント
クリアもエンディングも、行動に意味もない
バリエーションに乏しく、長時間は遊べない

課金
なし

(バージョン1.0.1 ゲームキャストトシ)

アプリリンク:
Barmark (itunes 360円 iPhone/iPad対応)