遅いヤツには、女は追えない。鬼畜恋愛レーシングRPG『ドリフトガールズ』レビュー
- レース
- 2016年01月22日

20名以上のヒロインが登場し、レースで活躍すると仲良くなるとお泊りデートができて有名声優(一部)が「昨夜はすごかったわ……」的な空気を出してくれる。
「よく、Appleの審査通ったな」というお色気レースゲームが登場した。『ドリフトガールズ』である。
しかし、このゲームは単なるお色気ゲームでは終わらない。
ヒモ体質のクズ主人公と、お金で男を図る女達の恐ろしい「鬼畜恋愛ゲーム」なのだ……。
本作のレースゲーム部分は、『ドリフトスピリッツ』のパクリ(と言っても、ドリフトスピリッツも海外レースゲーのパクリなあたり、闇が深い)。
コーナリングのタイミングでボタンを押すだけのタイミングゲームである。
ボタンを押したタイミングで「CRAZY」から「MISS」まで5段回の評価がなされ、評価が良いほど早く走れる仕組みだ。

また、コーナリングの評価が高いとニトロゲージが貯まり、超加速することもできる。

あとはスタミナがあって、ガチャがあって、車を合成すると早くなって……と、ソーシャル系の「レーシングRPG」になっている。
オリジナリティはほぼゼロ。
だが、このゲームのレースはおまけ。
レースでお金を稼いで、ヒロインとデートできるのだ。どのヒロインも胸が大きく、顔を赤らめており、仲良くなれば、シートの横に乗せてレースできる。

つまり、お色気ゲーなのである。公式動画も、下品なほどお色気しかないし。
好感度がある程度上がればエグい水着姿になり、好感度を最大まで上げれば、お泊りデートだってできる。

▲お泊りすると、なぜか車の性能が上がるぞ!
そこに目をつぶって、ヒロインとデートして、好感度を上げて、エグい水着を着せて、お泊りデートに持ち込んで「昨日はすごかったわ…」的なセリフを有名声優がしゃべるのを楽しむのが『ドリフトガールズ』。
……そう思っていた時期が、自分にもありました。
1人のヒロインをおとしてもプレイを続けると、主人公が、そのヒロインの身内に次々と手を出し始める。
法学部の教授と付き合い始めたと思ったら、そのゼミにいる若い女の子に声をかけて「レポートの手伝いで車で送ってあげる」と仲良くなり、取材先の婦警と仲良くなり……最終的に20股は当たり前のキング・オブ・クズ男まで成長する。

このゲームではデートにお金がかかるのだが、プレイが進めばそれもゲスに解決する。
好感度が上がるとヒロインが定期的にお金を貢いでくれるのである。限界突破(好感度を上げ、条件を満たしてカネを払う)すれば、毎日ホテル代ぐらいは負担してくれる。

▲女の子アイコンからコインを収穫じゃー!
プレゼント代だって、ヒロインからもらった物を、他のヒロインに与えられればOKでお金いらず。
このゲームでは、好感度が高いヒロインに車を運転させることができる。
ヒロイン運転モードでは車は自動で進み、プレイヤーはヒロインを応援したり、ほめたり、慰めたりしてご機嫌をとる。

で、レースの勝敗に関係なく、終了時にヒロインの機嫌が良ければプレゼントアイテムがもらえるのだ。
1人のヒロインに何度も運転させるとスネるので、手に入れたプレゼントを別のヒロインにプレゼントして、そのヒロインの好感度を上げて運転させ、そこで手に入れたプレゼントを他のヒロインに与えて……プレゼント永久機関。

▲ホストか!
でも仕方ない。特定のヒロインと仲良くならないと、ゲームが進まないのだから。
……と思って義務的に進め、ヒロインをほったらかすと、また新たな事実が発覚する。
ヒロインがスネて「私の教え子と付き合うなんて考えもしないよね」などと問いつめられるのだ!

▲あ、やっぱりバレてましたか。
ちなみに、ヒロインがスネると、他のヒロインとの関係をなじられる。
教授の教え子に手を出していること、姉妹同時に手を出していることなど、すべてバレバレ。

ヒロインたちはスネると、みんな主人公が身近な人間と浮気していることを知っており、「こいつら、知っていて付き合っているのか……」感がヤバイ。
主人公も屑だが、女達も修羅の国に生きている。

▲「妹とはもう合わない」を選んでも、姉妹の仲はもう終わりである。
ヒロインたちも、主人公と変わらない世界に生きているのだろう。
デート時に、車のレア度が安いと「車がボロボロ」などと露骨にけなされ、お金を払った挙句に好感度が下がることすらある。

逆にレア度が高いクルマに乗ると、嫌いな場所にデートに行ってもグイグイ好感度が上がる。
高い車に乗ってデートして好感度を上げれば、「あなたとの時間はすべて大切なの。一生忘れないわ」というセリフとともに……。

キャッシュちゃりーん。機嫌が良くなると、女はお金を払う。
『ドリフトガールズ』の鉄則である。

主人公がヒモ、ホスト体質ならば、ヒロインも「男は金。妹の彼氏でもいいわ」的な世界に生きていた。
世知辛い……。
イロモノも、ここまで突き抜けてくれると「恋愛の闇を覗くゲーム」として楽しめる。
我こそは、という勇者は、ぜひ闇の深淵を覗いて欲しい。
最後になるが、本作は普通の面白さという面でも見るべき部分がある。
やり込む(本作で、世界50位になる程度までやった)と気づくのだが、コインの入手量と使いみちのバランスが良くてやることがなくならず、ゲーム進行ペースもテンポが良いのだ。
直訳系なストーリーを修正し、声優にもっと色っぽいセリフを言わせたり(声が少ない!)、ヒロインのイラストを日本用に描き直していれば、小ヒットぐらいはできたかもしれないとは思う。
そう思うと、ちょっと惜しいゲームでもある。
評価:6(見るべきものがある)
おすすめポイント



気になるポイント



課金
ガチャとスタミナ。車やヒロインの衣装、コインに課金
(バージョン1.0.50、ゲームキャストトシ)
アプリリンク:
ドリフトガールズ (itunes 基本無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)
コメント一覧 (6)
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- 2016年01月22日 16:18
- 筆者さんの筆に勢いを感じる
大変素晴らしいレビュー
興味なかったけど、思わずやってしまった
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- 2016年01月22日 21:21
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こーゆーダイヤの原石がゴロゴロしてるから
スマホゲーはあなどれん(笑)
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- 2016年01月22日 23:00
- どこの国生まれなのかが知りたい
TOASTってところっぽいですけど……
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- 2016年01月23日 01:06
- Hangame やってるNHN Entertainmentの新しいブランドがToast、開発は内部のNHN BlackPick、韓国生まれ。アメリカとかでも出てるのかな
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- 2016年01月28日 01:23
- 切り口がクソ面白い。
それでいて、誰も傷つけないという、、。 まさに面白レビューのお手本のような記事
記事には書いていませんが、レースチームの科学者が整備士のお姉さんに恋している描写がありながら、気にせずに寝とっていく主人公のもヤバかったです。
自分が科学者の立場だったら、立ち直れませんわ。