『ポケモン』を遊んだことがある皆さんに朗報だ。
App Storeに初代ポケモンのような、それでいてまったく異なる後味のゲームがやってきた。
『Poket Mortys』は、マッドサイエンティストのおじいさんが、自らの孫を集め、訓練し、戦わせる奇妙なポケモンである。
だが、奇妙なだけではない。ポケモンや王道RPGへのアンチテーゼに満ちた、大人のための「ブラックなポケモン」なのである。
アルコール中毒のリック博士(Rick)は、あるときMorty Padという孫の状態を見るタブレットを発明する。
そこで、孫のモーティーの状態を確認しようとしたところ……。
軍服のリック博士が登場。
軍服のリックは、異次元に存在する「もし違った人生を生きていたらこうなっていたかもしれない」平行世界のリック博士と孫のモーティーである。
彼の住んでいる次元では、さまざまな次元から孫を集め、戦わせることが流行っているという。そして、ついにこの次元の孫を捉えるべくやってきたわけだ。
バトルシステムはほぼ初代ポケモンそのまま。
ターン制で、属性の強弱があって、メンバーのチェンジが可能で、どちらかのトレーナーの孫が全て倒れるまで戦い続ける総力戦である。
バトルに勝利したリック博士は、軍服のリックを追って異次元ポータルを通るが、そこで驚くべき次元に到達する。
その次元は、さまざまな次元のリックが孫を戦わせ、最も強い者が「モーティートレーナー」として権力を振るう弱肉強食の世界だったのだ。
モーティートレーナーの証である「バッジ」が足りない者は、自由に次元を移動することすらできない。
そこで、リック博士は、ランダム次元移動装置を利用し、さまざまな世界の孫を捕獲して訓練し、元の次元戻る権利を手に入れることにした……。
これが、『Pocket Mortys』のあらすじである。
ゲームとしては、2Dフィールドを移動して、他のモーティートレーナーと戦ったり、野生の孫を捉えたりするポケモンのようなゲームとなっている。
アイテムを合成したり、フィールドがランダム生成だったりと少しオリジナル要素があるが、基本はポケモンと思ってくれて構わない。
だが、ポケモンのモンスターが孫になるだけで、ゲームのプレイ感覚は全く異なる。
そして、それこそがこのゲームの味である。
例えば、バトル後の反応。
リック博士は戦う気まんまんだが、孫は傷つくし、回復しても痛みは残る。1バトルするだけで罪悪感が残る。
野生の孫を捉えるときも、それは同様だ。
まず、マップ上で野生の孫を見つけて近づく。
すると、孫は恐怖で逃げまどうが、途中で疲れて止まるまで追い回し、容赦なくバトルを挑む。
▲野生の孫を見つけて追い回せ!
続いてバトルで弱らせたら、特製のマイクロチップを脳に注入する。
そのまま、チップが定着して緑に輝けばモーティーの捕獲成功。
無事にRickの命令を聞く、良い孫になる。
パーティーは最大5人なので、連れ歩けないモーティーは「デイケア」施設で面倒を見てもらうことになる。
老人がデイケアのお世話になるのではなく、老人のリックが、孫を預ける……なんという逆転現象。
同じモーティーが2人いるなら、合体(Combine)させてより上位のモーティーに変化させることもできる。
不要な孫は切り捨て、新しい孫に生まれ変わらせるべきだ。
会話のできないモンスターなら、ゲームを遊んでいても、戦わせても気にならない。
モンスターが突然、プレイヤーの言うことを聞く仲間になっても自然に受け入れられる。
しかし、これが人間になったらどうか。
自分たちは、元の次元に戻りたい。そのために、他の次元の孫を捉え、異次元に連れ去って無理矢理に孫を戦わせる人間のエゴに思うところはないか。
『Pocket Mortys』は、ポケモンなどのRPGをプレイしてきた大人たちに向けたブラックユーモア満載の「アンチポケモン」である。
基本無料ではあるが、課金要素は孫とアイテムが当たる「ガチャ」だけ。
それも、多少のレベル上げで(バランス的には少しレベル上げが多い有料RPGと考えていい)なんとかなる。
▲ガチャからは、現在の孫と同じか少しLVが高い孫が登場する。詰まったときに回すのが良いだろう。
英語も難しくないので、ポケモン世代の方はぜひ1度遊んでみて欲しい。
評価:7(ジャンルが好きなら要チェック)
課金:
ガチャ(なしでも十分楽しめるが、最初に5枚程度チケットを買って要所で引くとスムーズ)
おすすめポイント
簡易ポケモン的なゲーム
ブラックユーモア満載の世界観
気になるポイント
戦闘のテンポが少し悪い
(バージョン1.0、ゲームキャストトシ)
アプリリンク:
Pocket Mortys (itunes 基本無料 iPhone/iPad対応)