シリーズの終焉…無残なオープンワールドRPG『Aralon: Forge and Flame』レビュー
- RPG
- 2015年12月06日
- タグ
- ソフトレビュー|
- Aralon:ForgeAndFlame|
- 2.0|

「スマホで、こんなに面白いオープンワールドRPGが遊べるのか!」
2011年、Crescent Moon Gamesから『Aralon:Sword and Shadow HD』がリリースされると、コアなスマホゲーマーたちは驚き、熱狂的にこのゲームを遊びこんだ。
本作は、そんな偉大なゲームの続編であり、オープンワールドRPG好きの希望の星であった。
が、その期待は見るも無惨に打ち砕かれてしまった。
このゲームの基本システムは、まあいい。
というか、このゲーム自体が名作『Aralon: Sword and Shadow』の見栄えを少し良くしたものになっており、システムは流用しているので悪くなりようがないのだ。

▲システムだけでなく、世界も同じ。なので見比べるのも良いかも。
操作系はアクションRPG操作を採用していて、バーチャルスティックで移動し、ボタンで攻撃、緊急回避の2つを行う。
さらに、キャラクター職業固有のスキルが画面中央のショートカットボタンから使える。
ショートカットでポーション使用や武器交換が行えないのが気になるが、操作はそこそこ快適。

本筋のストーリーだけでなく、ストーリーと関係がないサイドクエストを受けることもできる。
海底に隠された宝を探したり、釣りして魚を料理したり、好きな場所を馬で駆け回ることもできる。
だからシステムだけを見れば、オープンワールドRPGと言って差し支えないだろう。

だが、基本システム以外はほとんどボロボロだ。いや、未完成にも見える。
例えば、事前情報では仲間が雇えるはずだった。が、一度もそのような仲間を見つけることはできなかった。
しかし、ロックピックというアイテムを最後まで手に入れることはなかった。
序盤に「あいつを暗殺すればロックピックを3つやろう」というクエストがあったが、それも対象を暗殺すると依頼主がプレイヤーに襲いかかってきて、クエストをクリアできなくなってしまうありさまだ。

バージョンアップで、これらのバグは修正済。
さらに、マップやイベントの作りこみが浅すぎて、オープンワールドRPGの面白みも薄い。
最初の1~2時間こそ、それなりにサイドクエストがあり、本筋と関係ない冒険も少し用意されている。
が、途中からは本筋に関連するクエストと、数えるほどわずかな(そして面白みのない)サイドクエストしかない。

▲序盤は通らなくてもいい場所にイベントがあったりするが、それ以降は……。
モンスターの巣が申し訳程度に用意されているが、巣の構造はほぼすべて同じのコピペダンジョン。
中盤以降はほぼ一本道。ドラゴンに乗って自由に空を飛べるのに、行ける場所は1カ所という徹底ぶりである。

3種類の種族と、4種類の職業があるが、どの職業でプレイしてもやることは同じ。
「敵が出てきたら、とりあえず強いスキルを使って倒せ」というだけで、戦術を考える必要もない。
なんせ、敵のAIも頭が悪く、単純な行動しかしないからだ。

▲メイジは、最後まで「敵を凍らせて殴る」で終わり。炎の魔法なら1発で倒せるのでより楽チン
前作に比べ、良い点もいくつかはある。武器や防具にはさまざまな種類があり、宝箱あさりは楽しい。

▲武器の種類が多く、魔法の防具やルーンを集めるのが楽しかった。
起伏に富むダンジョンがあり、一部の仕掛けは面白いし、見映えもする……良いダンジョンの数が圧倒的に足りないが。

本当にわずかに面白い点はあるが、全体として偉大なる前作とは比べるべくもない。
下水道に住み着いた謎のヴァンパイアと無意味に戦ったり、よくわからない怪物と出くわして戦ったりする「探索の楽しみ」は、消え去ってしまった。

スタート地点にいる強敵を倒すため、必死に創意工夫した戦術の楽しさも同様だ。
ローグで巧みに盗みを働く楽しみもなければ、さまざまな騎乗用動物を探す楽しみもない。
『Aralon: Forge and Flame』は、12月の商戦でリリースするために、ギリギリで体裁を整えただけのゲームだ。
バージョンアップでバグが解消されたので、まあ価格分は遊ぶことができると思う。
序盤は楽しいし、後半はなんとなく遊べてしまうからだ。
しかし、オープンワールドRPGとしての面白さは前作の『Aralon: Sword and Shadow』に遥かに及ばず、最新の洋RPGとしては『The Shadow Sun』が群を抜いて面白い。
そして、その2つがある限り、あまり評価されないRPGだろう。
評価:5(十分遊べる)
課金:
なし
おすすめポイント

気になるポイント


(バージョン1.0、ゲームキャストトシ)
アプリリンク:
Aralon: Forge and Flame (itunes 600円 iPhone/iPad対応)
Aralon: Sword and Shadow (itunes 600円 iPhone/iPad対応)
The Shadow Sun (itunes 600円 iPhone/iPad対応)
コメント一覧 (9)
-
- 2015年12月06日 02:27
- 最近グラフィックだけ頑張って肝心のゲームバランス、単調な展開、バグの取り除き、明らか時間がないから適当に作ったステージやゲームモードなど、グラフィックが良いと大体このマイナス要素を引っさげてリリースされるのはアプリゲーなので仕方ないものなんですかね...
-
- 2015年12月06日 03:02
- 大半はゲーキャスさんの意見に同意します
が、ポーション作りのテーブルは最初の村の宿の
一階でキーを買って上のルーム1の中にありますよ?
中のチェストも自分専用の倉庫になります
一回のプレーで見つからなかったとはいえ
いきなり未実装と決め付けはよくないかと思います
-
- 2015年12月06日 03:09
- ▼名無しさん
ありがとうございます。
修正しました。また、未実装と思われるといような表現に切り替えました。
-
- 2015年12月06日 15:21
- magic ギルドのspellのクエストは受けてからspiderCaveの蜘蛛を倒しspider silkを手に入れてクライアントに話すとクリアでした。
ただ、道中でマップを巡り一通り動植物がドロップする物を集めた上なのでspider silkではないかも知れません。
knightギルドのUtherから受けるクエストがベントス?と話すがクリア条件で真夜中に小さい方の宿屋に出るんだけど襲いかかってきて倒す→ここでUtherに話しても何も成らず→Room3のgangBOSSを倒すでもクリア出来ないんですよね。
最初の村の暗殺を受けなきゃ良かったのかな?
あとLakeのロッジも開きませんし何を見落としたのか解らないんでモヤモヤです。
ピックツールが本当に手に入りませんね。
-
- 2015年12月06日 16:07
- magicギルドはskyなんちゃらとspider silkですね。具体的に示してくれないので「何を探せばいいんだ!」となりました。
リリースと同時に、バグ修正などのアップデートが提出されたらしいので、そちらに期待しておきたい。
-
- 2015年12月06日 16:08
- 最初の村で暗殺クエストその他を受けずにcallaheimに船で渡航しギルドに加入。Utherのクエストで無事にベントンと会話でき進みました。オーガの洞窟の出入りで最初の村近くの洞窟から出たり、この様にイベントが進まなかったりバグチェックはして欲しいですね。
あと街の外にいるガードにクマを倒して貰って序盤はレベル上げしました。ただ、これが傭兵システムだと言うなら嫌なんですが…。
-
- 2015年12月06日 19:39
- 前作はお金で仲間を雇えましたからね。そういうのが欲しい!
今作は、エレメンタル召喚のみ(弱すぎるし、敵がエレメンタルよりプレイヤーを優先して攻撃することが多いので役に立たない)で悲しい……。
村近くの洞窟に出てしまうのが、オーガの洞窟と蜘蛛の洞窟と、2か所確認しています。誰も、指摘しなかったのか。
-
- 2015年12月06日 20:06
-
もうこの会社のオープンワールド系は期待を持てないな。REAVENSWORDやEXILESも同じ様に最初は楽しいが後半はイベントもクエストも少なく淡泊。後半に尻つぼみする不満の声は届いてるだろうに、それを開発陣が次回作に反映出来てないから同じ事を繰り返す。何処かがしっかりしたオープンワールド系のRPG作ってくれないかな。
Ravenswordの劣化版みたいなスカスカな内容で期待外れ