人類は、時計でもクッキークリッカーを遊べるようになった。
Apple Watch専用のRPG、『Runeblade』によってだ。
このゲームを開発したEverywear Gamesは、Appleのスマートウォッチ「Apple Watch」発売に合わせて発表された世界初のスマートウォッチ専門ゲームメーカー。
「スマートウォッチで遊ぶため、RPGの要素を徹底的にそぎ落とした」という本作は……クッキークリッカー亜種のインフレゲームであった。
堕落した神が世界を滅ぼそうとしている。
プレイヤーこそは、それを止める選ばれし者だ。
滅びの前兆で荒れている世界を旅しつつ、ルーンブレードの力を呼び覚まし、悪の神を止めなければいけない。
RuneBladeはバトルのみRPGで、ひたすら敵を倒して進行するゲームだ。
画面には常に敵が表示され、プレイヤーは画面左下の攻撃ボタンで攻撃を行う。
1回の攻撃で3秒間ダメージを与え続けられるので、3秒に1回攻撃して戦うこととなる。
敵の反撃は一切ない。
攻撃ボタンをタップし続ければ敵は倒れ、金を落として消える。
そして、また次の敵が即座にやってくる。
ただし、敵は進むたびに強力になる。
そこで、金でルーンブレイドの力を強化する必要が生まれる。
ルーンブレイドを強化すると攻撃力が上がるだけでなく、Apple Watchを起動していなくても勝手に敵を倒して金が貯まるようになる。
敵を倒して金を稼ぐ。
その金で攻撃力を増やし、大きく金を稼ぎ、また攻撃力を増やし……と、基本構造は『クッキークリッカー』のようなインフレゲームになっている。
ただ、画面を連打するのはプレイの初期だけ。
しばらくすると、攻撃ボタンを押してもあまりゲームが進行しなくなって、特定の2つのタイミングだけに起動するようになる。
1つは一定時間に1回だけ使える「魔法」がチャージされたとき。
魔法を使うと「1回のタップで15分攻撃し続ける」とか、「一時的に攻撃力を3倍にする」などの恩恵を受けられるので、ゲームの進行が大幅に早くなる。
もう1つはボスとの戦いのとき。
一定数のモンスターを倒すと右下のゲートがオープンし、これをタップするとボスとのバトルが始まる。
ボスとのバトルには時間制限があり、一定時間内に倒し終えなければ逃げられてしまう。
ここでは必死に攻撃ボタンを連打するわけだ。
なお、一部のボスとの戦いに勝利するとストーリーも進行する。
ここは全編英語となっているが、文章自体は難しくないので辞書を片手に読めば簡単にわかるだろう。
あとはもう、邪神を倒すまでひたすら戦うのみだ。
ただし、プレイの途中からどんどん敵が強くなって、魔法を使ってもゲームがぜんぜん進行しなくなる。
そんな時は、キャラクターを引退させて次世代に望みを託すことになる。
引退は、言わば「強くてニューゲーム」だ。
ルーンブレードの能力はゼロに戻り、ゲームの進行もスタート地点まで戻される。
しかし、引退時のゲーム進行に応じて「クリスタル」が手に入り、強力なアイテムを購入できるのだ。
iPhoneアプリの『RuneBlade』を起動すると、クリスタルで装備を買ってApple Watch側に反映できる。
なお、ルーンブレードをのぞく能力はすべて次世代に受け継がれるので、世代を重ねるたびにプレイヤーは強くなる。
で、これが楽しいかというと……イマイチ。
Apple Watchのゲームは音が出ないし、映像の演出が軽いので連打とかプレイの爽快感が小さすぎる。
序盤を乗り越えて自動でゲームが進むようになれば、朝起きたときや昼休みにApple Watchを見てキャラクターを強化し、「ああ、強くなったなー」と、成長を楽しむ放置系ゲーム的には楽しめる。
だが、強くなっても画面や演出の変化が乏しいので、しばらくして飽きてしまう。
自動で強くなって、それをApple Watchで確認する仕組み自体は楽しそうなのに惜しい。
今後のアップデートでその辺りの補完を期待したい。
評価：2.5（価格通りに楽しめる）
おすすめポイント
ファンタジーなイラストは良い
貯まったお金を使うのは楽しい気になるポイント
タップの反応あまりないので連打が楽しくない
ゲーム展開が変化に欠ける（バージョン1.0、ゲームキャストトシ）
アプリリンク：
Runeblade (itunes 無料)
動画：
