スマホ版の『実況パワフルプロ野球』がプレイヤーたちに告知せずに大きなシステム変更を行い、AppStoreのレビュー評価が★1.5まで下落する騒ぎになっている。
原因となったのは、2015年3月9日のアップデートである。
スマホ版のパワプロでは、バッティング時に「ロックオン」という機能がバットのズレを修正し、気持ちよく打てる仕組みになっていた。
その「ロックオン」機能を、最新のアップデートで大幅に弱体化してしまったのだ。
しかも、プレイヤーに告知なしで。
具体的には、ストレートと超スローボールに対してロックオン機能がまったく働かなくなり、バッティング精度はかなり落ちてしまった。
また、投球が狙った場所にいかなくなる修正も同時に行われ、「サクセスモード」の選手育成、スタジアムモードでの試合も今まで通りの成績を出しづらくなった。
突然の変更にパワプロのプレイヤーたちが怒り、App Storeのレビュー評価は一瞬にして平均評価は1.5まで下がることになったのだ。
さらに、同時に行われた「複数の彼女がいると評価にペナルティがつくイベント追加（彼女が1人の時は評価が上昇）」もまたプレイヤーの神経を逆なでした。
スマホ版のパワプロでは、彼女イベント（能力が大幅に上がる）を複数キャラクターの間で発生させる「ダブル彼女」が強い選手を作る近道だ。
それが実質使えなくなったため、必死にレア度の高い彼女キャラを手に入れたプレイヤーがガッカリしてしまった。
しかも、アップデート直前に女キャラが手に入りやすい「女の子ガチャ」をしていたので、そこで課金したプレイヤーの怒りは倍増である。
また、最新バージョンには大量のバグがあるのも炎上を後押しした。
これに対して、コナミはすぐさまサイレント修正部分についても追加で告知。
だが、それでも炎上は収まらずに追加で「お知らせ」を出し、「幅広いプレイスタイルでゲームを楽しんでいただけるように行った」が、「事前に十分な告知を行っていなかった」ので仕様を戻すことが発表された。
しかし、すでにパワプロの運営はプレイヤーに信頼されていない。
今回の件はもちろんだが、その前にも「イベント後半でランキングポイントを見れなくし、イベント終了後に批判が集中したのでお知らせをだす」方法で乗り切った。
つまり、都合の悪いことはひたすら隠す運営と思われている。
今回のアップデートではロックオンが騒がれたが、「サクセスのイベントの発生率が低下した」、「ストレート、スローボール以外の弾でもミート打ちした時の打球の飛び方が変わった」など、プレイヤーの間でさまざまな反響を呼んでいる。
どちらもしっかりと検証できないものなので、気のせいの可能性もある。
ただ、アップデート後から打球の飛び方が今までと異なるのはゲーキャスも感じているので、単なる噂として流すこともできない。
そして、何よりも今までの運営の態度を見ていると、信用することができないのだ。
個人的には、長期運営をにらんだときに今のままのシステムとバランスでは問題があったのも理解できる。
現状ではパワー70でも90でもホームランが簡単に撃てすぎるので、パワーの差をあまり感じず、コントロール能力の高低もあまり機能してない。
投打ともに簡単過ぎたので、いつか選手を差別化する必要はあった。
ただ、今回のやり方は良くないと思う。
ロックオンで打ってもミート（補正なし）で打っても、サクセスモードの育成ポイントは同じ。
打撃も投球も難易度が上がっているのに育成ポイントにプラスがなければ、単に「強い選手を作れなくなった」だけだ。
「幅広いプレイスタイルでゲームを楽しんでいただけるように」というのであれば、ロックオンを修正するのではなく、ミートで打ったときに育成ポイントが多くなる修正や、ロックオンの選択制などを導入するべきだったと思う。
また、現状スタジアムモードではスコアが稼げすぎ、プレイヤーがSR確定チケットを手に入れ易すぎる。
多くのプレイヤーがSRを手に入れれば、すぐにゲームがインフレする。
運営の都合とゲームの将来を考えれば、それを抑制する必要もあっただろう。
しかし、長い目で見れば正しくても今回の対応はプレイヤーを置き去りにした対応だ。
現在は、プレイヤーの事をあまり考えずに運営の都合が優先されすぎているように感じる。
ファミ通のインタビューで「開発者と運営でぶつかっている」と語られていたが、今回は運営が意見を通しすぎてしまったのだろうか？
金を出している立場からすれば、修正点はすべて明かしてくれるぐらいは最低限やって欲しいのだが……。
面白さを追求し、プレイヤーのことを考えた運営に立ち戻ることを期待したい。
アプリリンク：
実況パワフルプロ野球 (itunes 基本無料 iPhone/iPad対応/GooglePlay)
