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「上質な殺意」にもてなされる喜び。死にゲー『Henri-アンリ-』レビュー。

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プレイヤーが高難度のアクションに挑み、死にながらも力ずくでゲームをねじ伏せるジャンル「死にゲー」。
ただ難しいだけに見えるこのジャンルだが、実際に面白いゲームを作るのは難しい。
プレイヤーを飽きさせない展開の緩急、絶妙な難易度調整など殺しながらプレイヤーをもてなす精神……いうなれば、「上質な殺意」が必要だからだ。

おそらく、今日紹介する『Henri-アンリ-』は上質な殺意を備えている。
見た目こそチープだが、こだわり抜いたギミック、何度聞いても飽きない音楽、死にゲーに必要なものを丁寧に入れ込んでいるのだ。

『Henri-アンリ-』は、左右の移動とジャンプだけの普通の横スクロールアクションげーむだ。
理不尽なトラップがひたすら配置することをのぞけば。

例えば、何もないまっすぐな道を歩いていると……。
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床下からトゲがはえてきてキャラクターを直撃。
なんの予兆もないので、初見では絶対避けられない。
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また、例えば仕掛けの目の前で。
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スイッチを踏んだらジャンプ台が出てきた。
これを使えば、上に飛び移れるッ!
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しかし、いざジャンプ台に乗ると頭上に壁が出現。
これではジャンプできない……。
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と、思うまもなく壁からトゲがは出てきて死亡。
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ひどい。
プレイヤーの行動パターンを予測し、気が緩む瞬間を狙ってトラップをかけてくる。
しかも、それは常に理不尽。
こんなゲームが面白いのか、と言われると面白い。

慣れてくると、死のトラップの配置から作者の意図を読み、安全なルートを推測する推理ゲームの面白さが出てくるのだ。
それはゲーム作者とプレイヤーとの知恵比べである。
初めて見たステージを無傷で攻略し、「ふふん、そのトラップはお見通しだ!」とほくそ笑む瞬間などは格別だ。
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そして、仕掛けを覚えてしまえば違うゲーム性が顔を出す。
ゲームvsプレイヤー。
理不尽なゲームをプレイヤーの腕力でなぎ倒す原始的なアクションゲームの楽しさだ。


『Henri-アンリ-』は絶妙な難しさで「死ぬと悔しいけどまた遊んでしまう」バランスを保っている。
見た目はシンプルだがギミックは多く、良い死にゲーだ。

ゲームモードはコンテニュー回数の少ない「Challenge」、99回コンテニューできる「Practice」、Challengeモードクリアで遊べる激ムズの「Crazy」の3つ。
Chalengenモードのコンテニュー回数は新しい死に方を見つけると増えていくので「死に方コレクション」的な遊び方もできる。
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基本的にはこのゲームに文句はないが、強いて言うならステージ1のボス「亀」の存在だけが気になる。
亀退治にやたら時間がかかるので、初回プレイでは亀で死にまくって時間を浪費し、ゲームに良い印象が残らないのプレイヤーも多いと思う。
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プレイヤーの腕が上達してもこれにかかる時間は短くならないので、ここだけは改良して欲しい。

だが、逆に言えばあとは文句がない良質の死にゲーだ。
なお、今回の評価はコンテニュー回数99回のPracticeモードの有料購入したものとして考えている。
無料でも1回だけPracticeモードが遊べるので、遊んでみてゲームが合いそうだったらぜひ購入して遊んで欲しい。

上質な殺意にもてなされ、楽しく死ねるはずだ。

評価:3.0(面白い)

おすすめポイント
4ワールドそれぞれの多彩なトラップとボスを楽しめる
適度な難易度と後半に少し盛り上がる演出

気になるポイント
1-6のボスが面倒

課金
Practiceモード解放(1回だけは無料で遊べるが、解放した方が面白い)
Crazyモード解放(Challengeクリアでも解放される)

(バージョン1.0.2、ゲームキャストトシ)

アプリリンク:
Henri-アンリ- (itunes 体験無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)

動画


ちょこっと攻略
4-1までクリアする過程を動画に撮ったので、クリアできない方は参考にどうぞ。