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乖離性が勢いを増す中、スマホ版の拡散性ミリオンアーサーがサービス終了。

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2014年12月26日本日、『拡散性ミリオンアーサー』(拡散性)のサービス終了が発表された。
12月27日午前0時にメンテナンスに入った後、2015年1月19日にサービス再開。1月末に課金システムを廃止し、3月30日にサービス終了となる予定だ。

なお、PlayStation Vita版・ニンテンドー3DS版・Amazonアプリ版についてはサービスを継続し、「最大限盛り上げていく」という。また、スマホ版の『拡散性ミリオンアーサー』のプレイヤーには、プレイ状況に応じた引き継ぎ特典も用意される。

サービス終了の予兆は、数ヶ月前からあった。
というのも、拡散性に登場する新規カードのイラストレーターの面子が変化し、今までMRカードなどを書いていた絵師が消えたのだ。
絵師が消えた理由は『乖離性ミリオンアーサー』(乖離性)が始まってその理由が分かった。そう、消えた絵師たちは乖離性のイラストを描いていたのだ。

ミリオンアーサーの命とも言えるイラストを注ぎ込み、「正統続編」と言われた乖離性は好スタートダッシュを決めた。反対に、拡散性は命を吸い取られて人気が落ちサービス終了となった形となる。
補足すると、乖離性の人気はイラストの力だけではなく、ゲームが今風の面白いゲームになっているからでもある。
今人気の放置系ゲームの仕組みを取り込み、時流に乗った内容は見事だと思う。

さて、サービス終了の理由は、突如発表された『拡散性ミリオンアーサー』 サービス終了の真相を訊く [ファミ通app]で詳しく語られている。
決定的な理由として、コアスタッフが抜けてプログラムの修正が思い通りに行かなかったことがあるという。
『拡散性』を配信する前後で、とあるどうしようもない事情からコアスタッフが抜けたんです。
コアスタッフが抜けてしまったがゆえに、核となるプログラム部分がブラックボックスのようなものになってしまい、それを手探り状態で更新していたんです。それをなんとか打破しようと考え、運営1年後のタイミングでいまの運営会社に移管をしました。そのタイミングでプログラムを1から作り直そうという話もあったんですが、通常の運営をしながら並行して新規でプログラムを作るのは思った以上の難易度で、想定していた作りにはなりませんでした。結果、運営のしやすさはさほど変わらない状態で、新しい仕組みを取り入れることも難しくなっていました。そのような大きな壁にぶつかったことが、ひとつの要因です。
実際、プログラムの改修はとても遅かった。
「ついに○○ボタンがトップ画面についた!」とか、そんなレベルで話題になるゲームはスマホ版の拡散性ぐらいだろう。
さらに言えば、運営もとても悪かった。詳しくはここにまとめてある → メディア・業界の方へ『拡散性ミリオンアーサー』の不誠実な運営に私は怒っています。
そんな状態がゆえに運営の体力も厳しいものになっていたことです。
逆境の中でイラストを削った結果、体力が削れてサービス終了となったのだろう。
インタビューにあった通り、スクエニには人気絵師を引き上げても2作品同時に運営しようという意思はあったと思う。しかし、予定より開発期間が延びて拡散性が勢いを失いすぎたのだとゲーキャスは想像している。

なお、個人的にはPS Vita版の拡散性が移住先としておすすめである。
PS Vita版は、「スマホ版のプログラムがしっかりしていて運営が良かったらどうなっていたのか」という歴史のIFを見られる貴重なゲームだ。
Vita版は新要素を入れても、不評部分は素早く対応して修正しユーザーに納得させているし、イベントに関しても評判が良い(ちなみに、Vita版は本当に安定しているので拡散性の移住先としておすすめだ)。

では乖離性のはどうなるのかというと、まだ当分流行ると思っているので、やはり移住先にしてもいいと思う。
もともと“『拡散性』の運営はクソだ”という評判があったんですよ。(中略)そんな状態で『乖離性』をスタートさせてみたら、「あれ? 運営いいじゃん」って雰囲気になっていて。
というコメントについては、確かに、と思う部分もある。拡散性で欠陥だらけだったイベントはかなり改善されていて、あとはカードのインフレ調整を間違えなければ長寿間違いなしだ。

ただ、前登録の報酬をいきなり追加してそれまでに事前ガチャを回したプレイヤーに追加負担を強いる後出しを行ったり、公式Wikiに寄せられたバグ報告コメントは表示しなかったり(公式Wikiについては運営しているファミ通の独自判断の可能性がある)と、根本は変わっていないようで、ゲーム内容だけでなく運営も拡散性の正統続編といった感じはある。

しかし、ゲームは面白さがすべて。少し運営が悪くても、ゲームの基本が面白くできていれば運営の小さな欠陥は短期的には小さい。
大きな事故がなければ、ずっとユーザーに娯楽を提供してくれることと思う。

最後になるが、こんな時でも弱酸性はいつも通りで安心した。
単行本はよ!
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▲終わるゲームに「いつでもあなたのミリオンアーサー」とは。

(GCドラゴン)

アプリリンク:
乖離性ミリオンアーサー (itunes 無料 iPhone/iPad対応/GooglePlay)