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Kingdom Rush Origins レビュー - 絶妙なバランスとメリハリ。やめられないTDが3度登場。

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タワーディフェンス(TD)が苦手でも、『Kingdom Rush』は別…そんなプレイヤーも多いこのシリーズの3作目がついにリリースされた!
敵の侵攻ルートを読んで強力な陣地を築き、歩兵で足止めする戦術性が素晴らしいあのゲームの続編…とか、細かいことはもう言うまい。

とにかく面白く、真面目にプレイしていると大抵はギリギリでクリアできてしまう神がかり的なバランス。
そして、次へ次へとクリアできるのでやめどきが見つからず、気づくと完全クリアまでたどり着いている魔法のようなゲームが、再びやってきたのだ。
これを見逃しては iOS ゲーマーの名が廃るというものだ。

『Kingdom Rush』は、固定のルートを通ってくる敵から本陣を守り通すTDだ。
歩兵とタワー(砲台)で陣地を築いて敵を迎撃し、すべての敵を迎撃できればステージクリア。
20体の敵に本陣を破られればゲームオーバーとなるのが基本ルールだ。
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タワーの種類は合計4種類。
物理攻撃のアーチャータワー、範囲攻撃のドルイド、魔法攻撃のメイジと、さらに歩兵を生産するバラック。
攻撃用のタワー3種類はシンプルな性能だが、実際にゲームをプレイして見るとなかなかに奥が深い。
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その理由は、バラックから出てくる歩兵にある。
歩兵は目の前の敵を足止めする役割を持つだけでなく、バラック周囲の青い円の範囲内で自由に動かせる。
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雑魚の群れに対しては歩兵を固めて配置し、ドルイドタワーで迎撃すれば一網打尽。
逆に単体の強力な敵は足止めが難しいので、歩兵を離して配置して細かく足を止め、その間に単体攻撃タワーで倒す。
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どう配置すればさまざまな敵に対抗できるのか。
どう歩兵を動かせば、3種類のタワーが生きるのか。
ゲーム開始の1手目からさまざまな状況を織り込んでタワーを配置し、敵の動きに合わせて歩兵を動かす本作のプレイは見た目以上に複雑で、戦術性に富んでいる。

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また、今作からプレイヤーがタップすると作動するトラップがステージに配置されており、これを使って敵を妨害することもできる。
タワー、歩兵、さらにトラップとプレイヤーの考えることは山ほどある。
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▲画面中央左で、クリスタルを作動させて敵を凍らせている。


このように複雑なTDは、概して正解が1つか2つ定められており、何度プレイしても似たような配置で遊ぶ
窮屈なプレイになりがちだ。
だが、『Kingdom Rush』シリーズは奥が深い上に
正解の幅が広く、プレイヤーの好きなスタイルでクリアに挑戦できる。


というのも、プレイヤーが好きなタイミングで好きな場所にヒーローを派遣したり、魔法を使えるからだ。
ヒーローは、強力でどこにでも移動させられる歩兵だ。
回復系のヒーローを連れて行って兵士を強化しても良し、遠距離攻撃系のヒーローを連れて行ってタワーの補助をさせるも良し、プレイヤーの戦術に合わせて好きなヒーローをステージに連れて行ける。
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▲ヒーローを使い続けると最大LV10まで成長もする。

魔法は3種類あり、どれも一定時間でチャージされて左下の魔法アイコンから使える。
魔法のうち2つは前作と同じもので、歩兵を好きな場所に呼び出すものと、雷で敵を攻撃するものだ。
最後の1つは、選んだヒーローによって変化する特殊な魔法となっている。

ヒーローと魔法の力を集中させれば、短時間のピンチならしのげてしまう。
だから、プレイヤーの好きなスタイルでプレイしていてもクリアできるのだ。
理詰めになりがちなTDの世界で、このファジーさはとても気持ちイイ。

ただし、このゲームではプレイヤーが強力なぶん敵も強い。
足が早い上に歩兵で止められないオオカミや、体当たりで歩兵を吹き飛ばすユニット、通常のルートの外からワープしてくるユニットなどが追加され、今作では少しの油断が死につながることも多い。
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進軍せずに遠くからカタパルトで攻撃してくる変則的な敵もいる

戦術はファジーでも、ゲームのプレイには緊張感がある。
これがこのゲーム独特の魅力と言えるだろう。

そして、敵をすべて撃退するとステージをクリアとなり、防衛の成果によって最大で3つの★が手に入る。
★はタワーや魔法の経験値で、好きなタワーや魔法に★を割り振って強化できる。
RPG的にタワーを成長させられるのもまた、このゲームの魅力だ。
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なお、ステージクリア時には★のほかにクリスタルも手に入り、使い切りのお助けアイテムを購入できる。
お助けアイテムは
使わなくてもパーフェクトクリアできるが、TDが苦手な人はバリバリ使ってクリアしても良い。
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ステージはそれぞれに特色があって色々な工夫ができ、実際に戦術の自由度が高いのでやりたい放題で遊べる。
それでいてゲームは簡単過ぎず、敵の出現パターンにメリハリがきいており、
プレイにはつねに緊張感がある。
巨大なボスとのバトルだってある。
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不満があるとすれば、タワーの種類がシンプルすぎることだろうか。

タワーには奇抜なものがなく、前作と比べるとおもしろみに欠ける。

だが、それもまた贅沢すぎる悩みというものだろう。
このゲームの神髄は、神がかったバランスと自由度だ。その点が保たれているならば、文句はない。
いままでのシリーズにはまった方は、今作もまた同じようにハマることだろう。
過去作を未体験の方も、1作目からぶっ通しで3作目までプレイしても飽きないことは保証できる。

それぐらい面白いゲームなので、ぜひ1度試して欲しい。

評価:3.5(かなり面白い)

おすすめポイント
緊張感のあるプレイが楽しめる
プレイヤーのスタイルに応じて戦術を立てられる
メリハリがあるステージ構成

ユニットのワラワラ感と見た目に楽しい演出

気になるポイント
システム自体は前作とあまり変わらない。

課金について
追加ヒーローの購入とショップで使えるゲーム内通貨の購入。
課金しなくても問題なくクリアできる。

(GCドラゴン Ver1.0.)

アプリリンク:

Kingdom Rush Origins (itunes 300円)
Kingdom Rush Origins HD (itunes 500円 iPad専用)

動画: