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課金の代わりにウンコしてガチャを回す美少女ゲーム。『うんコレ』に秘められた崇高な願い - デジゲー博レポ

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日本のインディーゲームが集結する『デジゲー博』で、ひときわ異彩を放つタイトルがあった。
それは『うんコレ』だ。
このゲームは、うんこや大腸の中に潜む菌を擬人化して萌えキャラにしたカードゲームである。

ついに、日本の擬人化はここまできたのか…と嘆くなかれ。
このゲーム、高い理想の元に作られた偉大なゲームだったのである。

ゲームの舞台は、トイレに流されるうんこがたどり着く世界…
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ウントピア。出落ちか。
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正直、キャラはかわいい。
しかし、ストーリーを見ると「ミソ」とか「暗黒物質」とか、アレを連想させるものばかりである。
いいのか、これで。
そんなゲーキャスの疑問に、日本うんこ学会の石井さんが回答してくださった。
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ゲーキャス:なぜ、うんこのゲームなんでしょうか?
石井:私は、若い頃に潰瘍性大腸炎で大腸を手術して、人工肛門に変えて命を救われました。
その経験から医療の道を志し、今では外科医として腸を切って手術をしています。
しかし、実際に医療現場に入ってから思ったことがあります。

手術される患者の方には、手遅れになってからいらっしゃる方がとても多い。
本来、大腸ガンは検便すれば早期に発見できて、ステージ1(初期)であれば生存率も高いガンです。
医者として手術していますが、(ガンが進行してから発見されて)患者の方が良くない事になっていくのはやるせない。
大腸ガンについて知っていただき、健康になっていただきたい。
その手段として、アニメなどのプロデュースをしている前田地生さんと、ニコ動創業時に関わったエンジニアの木野瀬さんに相談したところ「ゲームだ!」という話になって『うんコレ』を作ることになりました。

ゲーキャス:今ならば本やブログでもネットに広められると思うのですが、なぜゲームになったのでしょうか?
石井:最初は、面白おかしく大腸ガンを書いたブログを考えていました。
しかし、厚労省がすごいお金を使って宣伝しているのに、検便の実施率は高くならないんですよね。
そんななかで、自分がブログを書いても限られた範囲にしか伝わらない。
そこで、厚労省が宣伝しない方に届くものをつくろうということで、仲間に相談してゲームになりました。

ゲーキャス:カードゲームと言うと、課金ゲーを想像するのですが、内容は?
石井:ゲーム内容は、悪玉菌を倒すクッキークリッカー系ゲームになる予定です。
毎日起動して、「うんちの状態はどうでしたか?」という質問に回答するとガチャが回せて、「検便しました」というときには「良いことした」のでレアガチャが回せる。
そんな仕組みで、毎日便の状態を気にしてもらい、便に対する意識を高めて欲しいと思ってます。
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▲悪玉菌も美少女。クッキークリッカーのようなタップゲームで戦うとか。

ゲーキャス:課金などは?どうやって儲けるのでしょうか?
石井:課金は捨てています。課金する代わりにうんこして報告するとガチャが回せて、それをモチベーションに遊んでもらうゲームなので。
でも、大腸菌の善玉菌なども擬人化するので、健康系の会社さん、例えばヤクルトさんとかがスポンサーしてくれたらなぁ、とは思っています。

ゲーキャス:なるほど、本当の意味で健康を願って作られているゲームなのですね。そこまでくると、楽しみになりますね。
木野瀬さんといえば、ニコニコ動画を支える屋台骨の技術者だったと聞いたことがあります。変なアプリにはならなそうですね。
石井:ゲームもそうなんですけど、医療情報って医者と患者さんの間でギャップが強いなと思っていて。
医療情報をバリアフリーにしたいと思っています。
こういった流れを作るために、一番攻めた活動をしてみました(笑)
うんこがセーフなら、ほかの領域もOKになると思いまして(笑)

気楽に遊んで、便に愛着をもって接せられるアプリにしたいと思っているので、もっと自分の便を愛して欲しいなと。
ただ流すだけじゃなくて、便を見て(健康状態を見て)お別れを告げてから流して欲しいな、と(笑)

ゲーキャス:ありがとうございました。ゲームも楽しみにしております!

いかがだっただろうか。
最初はネタゲーだと思っていた皆さんも、意外な裏事情を知って感心したのではないだろうか。
ゲーキャスは今、ゲームの話を3日間詰まった便秘が流れたときのように、すかっと爽やかな気分である。
このゲームの発売が楽しみでならない。

オナラや下水道のゲームもある。デジゲー博ならね。デジゲー博情報まとめはこちら→デジゲー博2014のまとめ。うんコレだけじゃありません!

関連リンク:
日本うんこ学会