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RPG レヴナントサーガ レビュー - これがケムコらしさ。チープで手堅いRPG。

RPG レヴナントサーガ (itunes 800円 iPhone/iPad対応/GooglePlay)
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『レヴナントサーガ』は、3Dグラフィックを採用したケムコのRPGだ。
初の3DRPGとして作られた『アルファディアジェネシス』は、ケムコRPGの中では豪華で、バランスもそれなりにとれていて、ボリュームもあって面白かった。
その次回作となる『レヴナントサーガ』はというと…作りが粗く、多くの人には勧められないRPGである。
ただ、自分は『レヴナントサーガ』も好きだ。

完成度が高めのゲームもいいが、自分にとっては粗いジャンクな味がこそがケムコRPGであり、そういった意味で『レヴナントサーガ』は「ああ、これがケムコだよね」と、安心して遊べる「お袋の味」的なゲームなのだ。
せっかくなので今回は「ケムコRPGとは何か」について解説しつつ、このゲームを紹介したい。

ケムコのRPGの良さは、スマホRPGのツボは必ず押さえているところだ。
ストーリーやキャラは、わかりやすく王道に。
物語の先が簡単に見通せてしまうが、反面わかりやすいのでストーリーを忘れない。
また、キャラクターがそれなりに立っていてテンポの良い会話が楽しめる。
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▲体に入り込んだ悪魔のベタなセリフ

レヴナントサーガを見てみよう。
主人公は序盤で悪魔と合成させられ、自分を悪魔と合成した相手に復讐するために旅立つ。わかりやすい目的だ。
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そして、復讐というテーマのわりにキャラクターたちはお気楽な会話を繰り広げるので、重くならずに気楽に遊べる。
心にずしりとは響かないが、誰でもすんなり入れるケムコストーリーである。
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そして、重要でない箇所はとにかくサクサク、お手軽。これがケムコの鉄則だ。
本作はわかりやすい見下ろし型のマップを採用しており、操作もかなり快適でサクサク進むのでが気持ちいい。
見た目はチープだが快適さには配慮されており、ミニマップがあるから行き先に迷うこともない。
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▲マップ移動操作は十字キーと、行き先を直接タッチする操作の2つが用意されている。

RPGのキモとも言われるバトルもやっぱりお手軽。
オートバトルのAIが強力な攻撃を使用するので、雑魚は操作しなくてもサクサク倒せる。
戦闘前に「全力で戦う」や「ガードを固めろ」などの行動を指示すれば、なお楽勝だ。
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▲雑魚なんて消化試合なのですよ!

やや強い巨大雑魚がまれに出現するが、簡単に逃げられるので相手をしなければいいだけ。
本当にストレスフリーである。
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ただし、締めるところは締めるのもまたケムコRPGの鉄則。
新しいマップに行くと敵が強くなり、雑魚にも少しの間苦戦する。だから、新しいマップに移動した感覚がわく。
ボスとの戦いはさらに苦戦する設計になっており、ゲームシステムをきっちり把握していなければレベル上げ必須だ。
レヴナントサーガでは、キャラクターの素早さによって行動順番が変わるセミリアルタイムバトルを採用している。
順番が不定なだけでなく、使用する魔法や技に応じてコマンド入力から行動までタイムラグがあるので、効果的に魔法や技を使えるように計算して戦わなければならない。
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▲行動順番の目安が画面左下に示される

また、本作ではキャラクターが悪魔に変身する【リベレーション】というコマンドがある。
変身するとキャラクターの能力が上がって強力なスキルが使えるが、変身中は体力の回復不可。
しかも、行動するたびに【シンクロゲージ】が上昇し続け、シンクロゲージが高くなると制御できなくなってしまう。
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▲変身と解除を使い分けるとボスバトルは楽になる。

行動順番や変身のやりくりをして戦い、ボスに勝利すると「やった!」と喜べる。
とにかくストーリーは入りやすく、通常バトルや行動時はサクサクに、そしてボスとの戦いはプレイヤーを苦戦させてきっちり締める。
そこを最低限保証していて、すっと入れて飽きる前に終わる安心感があるのだ。
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だから、ケムコのRPGはずっと続いているのだと思う。
チープに見えても、スマホRPGでケムコほど最低限のポイントを手堅く抑えているメーカーはないと思う。
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▲ボス前にはかならず選択肢。理不尽に死なないですむ気配りもまたケムコ。

そして、ケムコRPGのもう1つの魅力は、最低限を満たしていればあとは自由、という点だ。
毎作品基本システムを変えるときもあれば、変てこなシステムを加えるメーカーもある。
バンドオブモンスターズ』のように、主人公がまったく戦わないRPGすらある。
毎回システムを見て「今回はこうきたか」と違いを楽しむのもまたケムコRPGの面白さだ。

ただ、『レヴナントサーガ』の独自システムは手堅く、冒険感はない。
このゲームの独自システムは武器のドロップシステムだ。
モンスターからは、同じ名前の武器でも攻撃力が増えているもの、毒や麻痺などの追加効果があるものなど、性能が異なる派生系武器がドロップする。
強いモンスターほどレアな武器が手に入るようになっていて、強い敵と戦うことが楽しくなっているのだ。
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▲プレイヤーも特殊効果を追加する鉱石などを使用して武器をカスタマイズできるが、ゲーム終盤になるまでは効率が悪い。結局ドロップ待ちとなる。

ゲームを劇的に面白くすることはないが、やり込み派のプレイヤーには好評のようだ。
個人的にも、このシステムはまあまあ良かったと思う。レヴナントサーガの独自性は、「技あり」と言ったところだろうか。
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ここまでケムコRPGの良さを語ってきたが、一線級のRPGと比べると常にグラフィックがチープという難点を必ず抱えている。
レヴナントサーガでも、キャラが小さくて演出は地味で、3Dなのに迫力がない。
ボスバトルなどはカメラアングルが変わるので多少マシだが、通常バトルは本当にショボい。
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▲小さすぎる!

このしょぼさを許容し、どこまで味として考えるか。
「A級のゲームしかやりたくない!」というのであればケムコRPGは回避するべきだが、「とりあえず、いろいろ手軽に遊びたい」と思うならばケムコRPGはおすすめだ。

そして、このゲームの最終的な評価だが……冒頭で書いた通り、『アルファディアジェネシス』に比べると劣るし、しょぼさもあって誰にでもお勧めはできない。
しかし、十分遊べるのでケムコRPG好きならば遊んで損はない。
少なくともケムコ好きの自分は、レヴナントサーガにもそれなりに満足している。

評価:2.5(価格通りに楽しめる)

おすすめポイント
キャラ同士の掛け合いが多い
普通にプレイしても10時間以上遊べるボリューム

気になるポイント
バトルが3Dなのに迫力があまりない

課金について
戦闘で経験値やゴールドが2倍手に入るアイテムや特殊な回復アイテムなど。(クリアには必要ない)

(GCドラゴン Ver1.0.1)
 
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動画: