ゲームキャスト

面白いゲームを探すなら、ここ。

道具屋と魔王 レビュー - 道具屋を経営して町の経済を支配し、魔王と戦う経営SLG。

道具屋と魔王@ボーシム研 (itunes 200円 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)
maourrr
近年、小規模な開発者が大会社にできない自由なゲームを作る「インディーゲーム」が注目されているが、日本でもガラケー時代にインディーゲームが盛り上がっていたのをご存じだろうか。
ガラケー時代は「金を出してゲームやりたい!」というユーザーも大勢いて、そんなユーザーに向けて小規模な開発者からバシバシゲーム出していたのだ。

『道具屋と魔王@ボーシム研』は、そんなガラケーインディーゲームで人気があった作品の1つ。
道具屋を運営して町の経済をまわし、住人を強化して魔王軍と戦う経営SLGだ。
一見『ドラクエ4』のトルネコ風経営ゲームだが、好きな相手と結婚したり、町長になって町を運営(権力を使って自分の店の税率を下げることもできる!)したりと様々なことができるオリジナルゲームになっている。

ゲームはリアルタイムに進行するSLGで、プレイヤーが操作しなくても町の人は動き、ゲーム内時間が経過する。
doumao1
▲操作は画面下の十字キーと○ボタンで行う。記事が縦に長くなるのでこれ以降はした部分をカットした画像でお送りする。

ゲームを開始すると。道具屋のカウンターに次々とお客さんがやってくる。
ここで品物を売り買いするのがゲームの基本。
mado2

ただし、クレーマーや強盗など、過激な客もやってくるので用心棒を雇わなければ生き延びるのは難しい。
魔王が世界を荒らしているご時世では、人の心もすさむのだ。
mado3
▲普通に道具屋で買った武器で襲ってくる。

夜になって客がいなくなったら仕入れの時間だ。
仕入れは大まかに2つのステップに分かれている。
1つめは素材の確保。
素材は店からきた客から確保したり、町の外で採取したりできる。
mador1
▲町の外にはモンスターがいて、RPG風のバトルで戦うこととなる。

そして、素材を錬金屋で薬草にしたり、鍛冶屋で武具に加工してもらうと完了だ。
ただし、加工には時間がかかる上、同時に1品種しか行えないので足りない物をうまく仕入れる計算が必要となる。
mado1

商売が軌道に乗って金が貯まったら、次にやるのは町の拡張だ。
町に建物を建てて拡張し、人を住ませると家賃収入を得られるうえに人口も増える。
建物にはさまざまな種類があり、【ベーカリー】なら食料を確保でき、【魔法学校】なら町人の魔法力を強化できるなど、それぞれに重要な役割を担っている。
madorr1

で、一定期間ごとに魔王軍が攻めてくる。
魔王軍との戦いは、町の住人が全員で戦うターン制の簡易タクティカルバトルだ。
このとき、プレイヤーの普段の行いが試される。
信頼度が低いと町人が動いてくれない。
道具屋の経営を通じて町人の金を搾り取りすぎていると、お腹が減ってやっぱり動いてくれない。
mado5
▲突然タクティカルバトルになるのでびっくりだ!

あとはひたすらその繰り返し。
経営、町の拡張、魔王軍との戦いを繰り広げて、どんどんお金を稼ぐのだ。

面白いのは、中盤以降は商売から町の人の管理がメインになるところだろうか。
戦士や魔法使いに装備を安く売って強くしたり、お金のない町人を適切に働かせたりと、町の経済や人々のステータスをチマチマ管理するのが楽しい。
また、結婚して子供を作るようなサブイベントもある。
mado6

個人的には町長選挙がお気に入りのイベントだ。
1人1人に地道に賄賂を送ったり、飲み代をおごったりと頑張っても勝てず、最終的に街の人を集めてパーティー開いて選挙に勝利できた。
公職選挙法がない世界は、いろいろすごいな、と思わされた。
mado7

で、町長になると結構やりたい放題。
自分のお店の税金を1%にすれば、パーティー代の元も取れる。
自分の妻を闘技場のNo1にしておき、闘技場の賞金を引き上げることだってできる。
mado8

町の経営が軌道に乗るとやや単調になるが、自由に店を経営し、好きなように町で遊べる面白い経営ゲームだ。

ただ、操作がタッチパネルに最適化されていないとう欠点があるのは残念だ。
移動は慣れればギリギリなんとかなるが、売買時にまれにミスが起きるのがツライ。
決定ボタンが十字キーの中央にあるので、アイテムの売買時に価格設定の途中で決定ボタンを押してしまい、悲惨な目に会うことも…。
doumao_1
▲オプションでゲームの進行速度を変更できる。個人的には4がおすすめ。

ゲーム起動時にオートセーブにカーソルがあっていないので、電話で中断した後に最後の手動セーブデータをロードしてオートセーブが上書きされ、泣きを見ることもある。

しかし、それでも独特の自由な経営ゲームはその欠点を補うほど面白い。
作業系ゲームが好きなら、間違いなくはまることだろう。
ガラケーで人気が出たのも納得である。
安っぽい見た目に惑わされず、ぜひ遊んでみて欲しい。

評価:3.0(面白い)

課金について
なし

おすすめポイント
仕入れと販売のサイクルが楽しい
強盗やクレーマー上等の豪快な世界観
町でいろいろなことができる自由度
 
気になるポイント
操作性がイマイチ
バランスは大味

(バージョン1.1、GCドラゴン)

アプリリンク:
道具屋と魔王@ボーシム研 (itunes 200円 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)