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モンスターストライク レビュー - パズドラ並の面白さだが、ミクシィの運営姿勢に疑問あり。

モンスターストライク (itunes 基本無料 iPhone/iPad対応)
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パズドラが出てから約2年。
ようやく、ゲーム部分の仕組みでパズドラ並みの面白さを秘めていると思えるソーシャルゲームが登場した。
その名はモンスターストライク。

発売時点から面白さはわかっていたが、ゲームキャストとしては見過ごせない問題があり、紹介しないでここまできてしまった。
が、本日3月1日からテレビCMも始まり、問題点が見過ごせない状況になったと感じているので本日、ここで紹介することとした。

このゲームを一言で言うならば、モンスターをボールにして撃ちだし、パチンコ風に戦うパズドラ。
プレイヤーは自分のモンスター3体と、友達のモンスター1体、計4体でバトルに出撃し、順番にモンスターを射出し、敵を全滅させるとクエストクリアとなる。

クエストに出ると、ボール状のモンスターと敵が表示される。
画面に指を置いて引っ張ると、手番のモンスターに矢印が表示され…。
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指を離すとモンスターが勢いよく射出され、当たった敵にダメージを与える。
モンスターは敵や壁にぶつかると反射し、当たるたびにダメージを与えるので、プレイヤーの狙い次第で1ターン当たりに与えるダメージは大きく変化する。
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▲ただし、貫通型の属性のモンスターは敵を貫通する。

さらに、フィールドにいる仲間モンスターにぶつかるとモンスターごとに定められた【友情コンボ】(必殺技のようなもの)が発生し、さらにダメージを与える。
友情コンボには誘導弾を出すもの、レーザーを出すものなどさまざまなものがあり、見た目にも派手だ。
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で、一定ターン数が過ぎると、画面下のモンスターアイコンに【OK】マークが点灯し、超必殺技【ストライクショット】が使用できるようになる。
これも使って終わりではなく、モンスターを射出したコース次第で成果は大きく変化する。
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敵もやられているだけではない。
プレイヤーが1回モンスターを射出するたび、敵の横にあるカウントが減り、カウントが0になると反撃してくる。
基本的にはモンスターが敵から離れているほど被害は少なくなり、近距離では雑魚の反撃でも大ダメージを受けてしまう。
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すべての敵を倒すとバトル終了となり、後はパズドラ系おきまりの流れだ。
新しいモンスターや進化に必要なアイテム、ゴールドが手には入り、合成・進化でモンスターを強化して次のクエストに挑んでいく。
戦力が足りないと思えば、ガチャを回すこともできる。
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だが、プレイしたあとの印象は「また、パズドラのパズを入れ替えた劣化系か」では終わらない。
バトル部分が楽しく、「パズドラのパズを入れ替えて、同じぐらい楽しくした」という印象だった。

壁やモンスターの狭い隙間にモンスターを射出し、何度も反射させてものすごいダメージをたたき出したときの爽快感や、友情コンボ・ボスの弱点を巻き込んで大ダメージを出したときのしてやった感はかなりのもの。
プレイヤーの腕次第でモンスターの攻撃力は大きく変化する。
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▲ボスの弱点は毎ターン変化し、臨機応変な狙い方が要求される。

効果音や、演出も気持ちよくできており、プレイしていてとても楽しい。
パズドラを初めてプレイしたとき、ガチャやイベントがなくても1週間ぐらいプレイできる楽しさを感じたが、モンスターストライクからも同じ印象を受けた。
イベントに頼らずとも、ゲームの面白さだけでしばらく遊べる。
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さらに、パズドラにはない協力プレイもある。
最大4人のプレイヤーをネット接続し、順番にモンスターをはじいて一緒にステージを攻略できるのだ。
HPは共有なので「おい、おまえ、変なはじき方するなよ!」と話しながらプレイするのが他のソーシャルにない楽しさだ。
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課金必須と言えるバランスでもなく、ジワジワ売れて300万DLを達成したのも納得の内容で、何もなければ大いにおすすめできるゲームだ。

では、なぜこんな面白いゲームを紹介してこなかったのか。
その理由は「法律とか関係ないぜ」と見えてしまうミクシィの運営姿勢だ。プレイヤーを馬鹿にしているとか、ゲーム本体に関わるものではない。

例えば、一部で「勝手にコラボ」などと呼ばれるキャラクターたち。
イベントクエスト名が「北斗残影」だったり、アイドルグループ『ももいろクローバーZ』を意識したモンスターだったりとパロディ系のネタが多いゲームなのだが、さすがにモンスター「緑川ひかる」などは直球過ぎて、権利的に問題がありそうだ。
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▲緑川ひかる。声優事務所のライツ表記はない。

さらに、課金アイテムの【オーブ】の配布方法。一気に5個、20個と配布している。
1度に大量に配布すると日本の法律に触れる可能性があるので、パズドラなど他のゲームでは1つずつの配布を徹底していることが多い。
プレゼント分の課金通貨と、お金で購入した課金通貨が別計算で蓄積されるゲームも、日本の法律対策だ。

プレイヤーとしては「まとめて一気に配れよ!」と思うだろうし、実際に自分も手間が増えるだけの仕組みだと思っている。
だが、JASGAの理事を出しているミクシィのゲームが、こういった決まりを気にせずにテレビCMなどで人口が拡大し、その後でなにかをやらかし、「ゲーム、モンスト重大な法律違反!」となったら、またゲームを規制する変な法律ができかねない。

元々、ミクシィはゲームが嫌いと言うことで有名だった(ミクシィアプリというサービスが立ち上がったとき、ゲームだけが除外されたエピソードがあるほど)ので、ソーシャルゲーム初期のメーカーのように「儲かればいいじゃん?」というお金の臭いがしてしまう。

パズドラ、魔法使いと黒猫のウィズに続くゲームと思える面白さがあるだけに、この点だけが本当に気になる。
テレビCMを出すほどに成長したこの機会に、このあたりも改めて欲しい。
そう思って今回は紹介した。

面白さだけなら評価は3.5とするところだが、ミクシィの姿勢を加味して2.5にしておく。

※2014/03/01 21:00
タイトルが強すぎたのでやや弱く、オーブ配布についての文章を修正しました。

(バージョン2.1.0、GCドラゴン)

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モンスターストライク (itunes 基本無料 iPhone/iPad対応)