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「ダークソウルをカジュアルにしてモバイルで出したい」バンダイナムコの戦略ディレクターの話が本音すぎて驚く

Digital Spyの記事によると、バンダイナムコのグローバル戦略ディレクターの Alex Adjaj 氏が「ダークソウルをモバイルでリリースしたい」と語ったらしい。
ただし、同時に「我々はダークソウルをスマホに持ってきたいが、開発元のフロムソフトウェアが家庭用ゲーム機の志向のメーカーなので、考えを変えるにはとても時間がかかる」とも語っており、単なる願望で話が進んでいるわけではないようだ。

しかし、後半の「もし、ダークソウルがモバイルに移植されたら」という部分が本音をぶっちゃけすぎていて面白かったので紹介したい。
コアなファンが望まないソーシャルゲーム化はこんな理由で行われるのかもしれない。

以下、「」部分は Digital Spy で Alex Adjaj 氏が語ったと書かれている部分。
それ以外はゲームキャストの注釈や感想だ。

まず、モバイルでゲームを売る場合に「そもそも操作が異なるので移植は難しい」「ゲームをよりカジュアルにして、短い時間で楽しめるようにデザインを買える必要がある」、「南東アジア、日本、韓国および中国が非常に成長しており、中国は意思決定をする上でとても影響が強い市場になっています。」などと前置きしたあとで語る理由が本音すぎた。

「中国のユーザーはヨーロッパ・北米のユーザーと同じではありません。
正直に言えば、ダークソウルは彼ら(※ゲーキャス注・たぶん、中国ユーザーのこと)がプレイして楽しめる物ではないのです。
モバイルゲームをリリースするとき、全ての人のことを考えなければなりません。ゲームを自発的に購入してくれる数少ないユーザーだけを考えるのは困難なのです。」

つまり、ダークソウルはヨーロッパや北米で支持されているが、モバイルでリリースされる場合はアジアも考えて作り直さなければいけない、ということらしい。

「そうでなければ、XCOMのようなものを作り19.99ドルでゲームを売るでしょう。
しかし、我々は200万〜400万ドルの収入を得ることを考えているので、それをやりたくありません。
それはダークソウルのように有名なタイトルで、バンダイナムコのような大きなゲーム会社がやるには小さすぎて意味のないことだからです。」

大きなメーカーであるほど大きな利益を取りに行かなければ会社が成り立たない。
だからモバイルでは広く浅くお金をとりにいく必要がある。
FFやドラクエのような巨大なブランドは買い切りでも売れるが、そこに及ばないブランドはこんな理由でソーシャルゲームになっていくのかも知れない。
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▲鉄拳カードバトルもそういった観点で作られた…のかもしれない。

わかっていたこととは言え、ここまで堂々とメーカーが言う機会があると思っていなかったので驚いた。
ただ、裏を返すと買い切りゲームをゲーマーが買い支えれば中小メーカーは出す意味がある、と言うことかもしれない。
今年の年末のように面白いゲームが出て、ゲーム好きが楽しくてどんどん買い支える市場で安定することを願いたい。

ダークソウルの移植話についてもっと興味のある方は原文をどうぞ。
Dark Souls not on mobile devices due to touch-screen controls - Gaming News - Digital Spy

追記:2013/12/24 9:45
「そもそもコントロールが違うので移植が難しい」という部分を追記しました。