ゲーム攻略本博覧会に行ってきた! - iPhoneゲーマーな日々
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- 2013年11月04日
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11月3日、阿佐ヶ谷ロフトAで行われたヒッポンエイジス・スピンオフ・トーク攻略本大博覧会に行ってきた。
ヒッポンとか攻略本って本当に小学生の時にお世話になっていて、そのゲーム攻略本製作の裏側を聞ける貴重な機会ということで、行ってきた。
道に迷って序盤だけ聞けなかったが、覚えているところで気になったところをダラダラ書いていきたい。
第1部はさまざまな攻略本の変遷や紹介がメインだったようだ(途中から参加なのでもしかしたら少し違うかも)。
「こんな攻略本が存在するんですよー!」
「こんなサイズのものとか、こんな内容のものがあるんですよー」

印象に残ったのが、日本に2冊だけまったく画面写真がないテキストだけの攻略本があるという話。
1つ目はPS時代の『クーロンズゲート』(独特の世界観なゲーム…)の攻略本で、製作者がかなりすごい人だったらしい。
もう1つはサターン版の『風のリグレット』公式ガイドブック。
音声のみでゲームが進み、画面がまったくないと話題になった作品なので、どうやっても画面写真付きの攻略本はできない(笑)
「ゲームを楽しむための攻略本」
「でかい絵に文章をつけたい本」
「データ集」
などなど、攻略本を作る編集者たちの目的や熱意、方法論に応じて様々な本ができていく、というお話が非常に興味深かった。

ペニー松山氏のウィザードリィ小説。
「灰と隣合わせの青春」は日本のファンタジー小説開拓者とも言える「ロードス島戦記」とほぼ同時期。
そういえばウィザードリィ友の会なんてのもあったなぁ…。

そして第2部はいきなりアルティマニアどん!
アルティマニアシリーズを手がけた山下章氏を招き、裏話大公開。

アルティマニアが猛威を振るったPS時代、自分はSS派で縁のないところにいたが…それでも。名前は知っているほどの本。
どれぐらいすごい本かというと…なんと220万部突破!
売上にして33億円!
FF8が369万本売れたという話だから…60%以上の人がアルティマニアを購入している計算だ。

▲今では100万本を超えるゲームなんて出ないからなぁ…。
アルティマニアの裏話としていろいろな話が語られたが、印象に残ったのはアルティマニアを作る大変さ。
攻略本を作るとき、たいていはメーカーからデータがもらえるという。
だが、攻略本の質はその先にあって「メーカーのデータが間違えていないかどうか確かめる」ところで質が変わるとか。
ゲームというのは発売まで何度もアップデートが行われるので、作っている本人ですら気づかないうちにデータが変わっているという。
だから、それを検証してきっちり出すかどうかで質が一段変わる。
例えば、メーカーからきたデータではAというアイテムが出ることになっているが、発売時には出なくなっているなどということも多く、検証せずに載せる攻略本ではそれがそのまま載るが、検証をしている本ではそれが載らない。
ところが、ネットでは「あの攻略本にはアイテムAが載っているのに、こっちにはAが載ってねぇ!」などと叩かれることもあるとか。
これはアプリゲームでも現在でも変わっていなくて、
「ああ、その攻略法なら××が一番ですよ!」→製作者がゲームに慣れすぎていて普通の人には真似できない
「あそこで○○が出ます!」→リリース時に出なくなっている
とか、メーカーさんから聞いたデータや攻略方法がところどころ間違っていることがある。
いつの時代も苦労は変わらないということか。
もう1つ
アルティマニアで気になったのは「ゲームを細部まで攻略していると、攻略している人がどんどん疲弊して人が攻略本業界をやめてしまいませんか?」というトーク。
山下氏は「大勢の仲間がいて全員が同じレベルでやりこんでいると、テンションが保たれて疲弊しない」という意味のことを言っていた。
現在、アプリのオンラインゲームでも同じことが言えていて、大勢で連絡を取りながらやりこんでいる攻略部隊は比較的長持ちをする。
が、これは永遠に続くバージョンアップがあって、テンションが長持ちしなくなった人から抜けていき、だんだんと消えていく…より長期戦となって消耗が激しい状態にあると思っている。
この辺り現在と昔(オンラインゲーム攻略本とか)でどう変わっているのか気になったが、時間がパツパツなので質問できなかった…。
そして第3部はフリートーク。

ゲーメストで有名な新声社トークで大盛り上がり。
新声社は業界人が驚くほど機材がローテクだったようだ。
1993年の時代に新声社ではカメラを使って本に使う写真を撮っていたとか。
当時はすでにビデオプリンターなどが存在していたが、新声社にはなかったという。
そして、原稿も全て手書き。
手書きなので一部の原稿は字が読みづらく、さらに写植職人(手書きの文字を読み、文章を雑誌のページに移植する職人)がゲームに詳しくないので誤植が発生していたとか。
もう1つ面白かったのは攻略本の売上の話か。
攻略本の売上は、ゲームの売れた本数に比例するので、ゲームが名作かどうかはあまり関係ないようだ。
なので、まだPS時代…『ビヨビヨ』や、『レジェンドオブドラグーン』など、大々的にプッシュされて小売的には売れなかったゲームがワゴンセールになって売れ始めると、攻略本が大量に売れる現象があったとか。
そして、最後に出てきた大物が…在りし日のゲームフリーク…!
コミケット26のカタログにあったそうな。

▲ゲームフリークのサークルカット。
で、最後に登壇者が印象に残っている攻略本を挙げて終了。
イベント後には特殊古書店(要はゲーム本が多めの古書店ということか?)マニタ書房出張販売が行われていたので…。

思わずファミコン神拳奥義大全書ドラゴンクエストIIIを購入してしまった。
イラストがいっぱいで、よくわからない設定とか書いてあって好きだった。

▲攻略が尻切れトンボなんだよね…でも好き。
ゲームブログを書いている身からすると「どうやって攻略本が差別化されているか」「売れた本の裏に何があったのか」「プロの攻略本作者がどのように作っているか」などなど、かなり興味深い内容だらけでとてもおもしろいイベントだった。
歴史的な話もあったが、どこまで書いていいかわからないのでここでは控えめで。
次回もあったら、また行きたい!
(GCドラゴン)
コメント一覧 (8)
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- 2013年11月04日 18:50
- 実際に行ってみるとわかりますが、マニタ書房は“ゲーム本だらけの古書店”ではありません。他の古本屋と比較するとゲーム本の比率は多めではありますが、決してそれをメインとはしていません。「特殊古書店の呼称は伊達じゃない!」です。
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- 2013年11月04日 18:56
- その昔、とあるゲームの攻略本のデータ取りに付き合ったことがある者です。
ゲームマニアがいるという噂が編集部に伝わって、データを取ってくれと言われまして…趣味でやっていたから最初のゲームは良かったんですが、2作目も楽勝と思ったらイマイチ自分の中でのれず、辛い作業でした。
しかしながら、攻略本を作る方が「こういう攻略本を作りたいんだ!」というビジョンを持っていたので、それにつられて完走はできましたが。
編集者さんの企画力と熱意はすごいなぁ、と今でも覚えています。
こんなイベントがあるのであれば、次回は見に行きたいですね。
懐かしい。
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- 2013年11月04日 20:12
- 昔は攻略本を複数社買ってたこともありました。Aは攻略手順が詳しいけどBはデータが全部載ってるとか補完する形で。今はつい攻略wikiなどで済ませているので申し訳ない気持ちになりました。
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- 2013年11月05日 04:02
- 「貰ったデータをそのまま載せてる攻略本」は本当にクソでしたねー
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- 2013年11月05日 05:23
- 誤:新生社 -> 正:新声社
小売やってた頃、新声社から直接メスト仕入れて販売してた事あったけど、直接だと買い切りだった為か最低ラインの30冊を7掛けで仕入れてたなー。
発売日はあったけど、2日前にはフラゲ可能だった為か、即売り切らないと不良在庫コースでしたねー。
営業にフライング販売止められたけど、実施店舗調べた上で即クレーム入れて、ウチはフライング継続するって宣言したのも懐かしいわ。
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- 2013年11月05日 08:03
- 修正しました!
ありがとうございます。
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- 2013年11月05日 23:17
- もらったデータそのまま載せの攻略本は、本としても画面があって適当に書いてあっていまいちだったことありましたね(笑)
ただ、それはそれで味で好きでした。
「こんなところに○○なんて、××だなぁ」とか本当にゲームと関係ないことがでていたり(笑)
分裂する前のアスキーは、原稿料未払いとかあって酷かったけどね。
もし、書き込み的にマズかったら容赦なく削除して下さいませ。