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『XCOM:Enemy Unknown』ってマゾゲーがあるんですよ→「ふーん」→プレイしたらきっちりハマる:iPhoneゲーマーな日々86

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「トシさん、XCOMってゲームが超楽しいんですよ、ぜひやってみてください!」

だいたい3ヶ月ほど前、シューティング好きが集まる会で1人の男がえらく興奮気味に語っていた。

「突然攻めてきた異星人と地球の組織が戦う、すごい難易度が高いSLGでストーリーがいいんですよ。」
「大事に育てた兵士も一瞬で死ぬのが面白いんですよ!まじめに頑張っても、死ぬのが避けられないんです!」
「しかも、敗北するとパニック度ってのが上がって国が予算をくれなくなるんですよ、で、負け続けるとジリ貧でクリアできなくなるのがイイんです!」

…それはマゾゲーマー専用なのでは?
と思ったものの、そのiOS版が出たとなると気になる。
そして、プレイし始めて1時間で「おい、なんで死ぬんだよ!」と言いつつゲームにはまっていたのであった。

ゲームは銃撃戦メインのターン制SLGで、壁に隠れたり索敵しながらすすむごく普通のもの。
プレイヤーは対異星人組織XCOMの司令官として部隊に指示を出す。
家庭用の移植だから当たり前だけども、家庭用ゲームレベルでちゃんとできている。
ただし、油断すると即死の難易度が特徴的。
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リアルタイムの演出が豪華でそういうところもつくりが家庭用。
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でもって、異星人を倒して落とした武器や、死体を持っていくとそれを研究して新しい装備や、基地の強化ができる、と。
戦って、基地を強化して、また戦う、オーソドックスな感じ。
まあ、楽しいは楽しい。もう少し続けてみるか…。
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と、プレイすること1時間。
やばい、止まらない。
何が面白いって、バトルのキツさがたまらなく心地よいのだ。

バトルパートでは、少し油断しただけでキャラクターが死んでいく。
HPが最大値でも、一番弱い敵に即死させられることがあるぐらいだ(それでノーマル難易度!)。
ダメージを受けたキャラクターは帰還しても治療のため戦線から離脱し、治療が終わるまで戦場に出すことはできなくなる。
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▲1回攻撃を受けただけで重症で入院…。

では手堅くいくのかというとまったく逆で、自分はリスクのある戦法を使いまくっていた。
なぜかというと、リスクを冒すほどに美味しいご褒美があるから。

基地パートではバトルで持ち帰った戦利品を使って研究などを行うのだが、便利で強力な攻撃ほど戦利品が手に入らない。
例えば、バズーカで敵を一掃する(範囲攻撃な上にダメージがでかい!)と、敵の武装もろとも爆散してしまうので戦利品は一切手に入らない。
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▲バズーカで攻撃すれば100%倒せるけど、死体を持ち帰るためにスナイパーライフルで…!

逆に敵を弱らせた上で接近し、捕獲するとご褒美MAX。
情報を聞き出し、無傷の武器を入手できるわけだ。
もちろん、捕獲しようとするとリスクが大きくなり、キャラクターが死ぬ頻度が高くなる。
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▲銃で撃たれながら背後に近づいて、捕獲!

兵士という立ち位置なので、補充要員を購入はできるが、成長させた大切なキャラクターが死ぬのは痛い。
だけど、バランスとしてそれは避けられないのでいかに利益と損失のバランスを取るのかというところがたまらなくスリリング。
死のリスクがあるから悩むし、勝ち取ったら嬉しい。
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▲持ち帰ったパーツで秘密基地の設備を増やして強化できるぞ!

じゃあ、そこで苦労は終わりかというとそうは問屋が卸さない。
XCOMは人類最後の希望だが、異星人のほかにやっかいな味方が存在する。
現実の世界と同じように予算が必要で、それを出すのは世界各国の政府だ。
世界中で同時に異星人が出現すると「うちは報酬これだけ出すからうちを守ってくれ」とばかりに選択肢が。
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▲インドは助けた!科学者4人くれた。でもアフリカと北米はパニックに。

まさに政治的駆け引き。
お前ら、異星人に地球がやられてるときにこっそり駆け引きするなよ!
と思うが、結局それが人類なのか…。
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▲XCOM特殊部隊の規模の関係で、同時には1箇所しか防衛できない。

また、異星人が攻め込んできて荒らされた地域は“パニック度”が上昇し、最終段階になると「XCOMにはもう予算出さない」とスポンサーをやめてしまう。
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▲各国のパニックメーター。5で離脱なのに1回見捨てると2上がる!

秘密基地をどのように大きくするか、武器や防具をどんな風にアップグレードするのか、その全てがバトルパートのプレイに関わってきて、リスクを取るほどそちらでやりやすくなる。
だから、バトルでリスクを取って大事な兵士が死んでも楽しい。
(もちろん、兵士は補充がある程度楽というのもある)

「大事に育てた兵士も一瞬で死ぬのが面白いんですよ!」

という言葉が今ならよく分かる。

キャラクターがいつか死ぬのは避けられないバランスのなか、必死にプレイしてその確率は下げる楽しさ。
かけがえのないものを賭けて戦果を得るから楽しいのだ。
各国政府とのやり取りも全て丸く収まらないからこそ選択の苦労があってまた楽しい。
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▲死亡者2、部隊の40%が死んで評価「良い」の世界。

失うことが避けられないから、思い切って「これを切り捨ててこれを取ろう」というプレイに徹する事ができる。
攻略本を見ながら、全ての隠し要素を取得して進むタイプのSLGでは味わえない面白さ。
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まだクリアしていないけども、現時点でも断然に『XCOM:Enemy Unknown』は面白すぎる。

そして、ゲーム内容もさることながらもう1つやめられない理由がストーリーの面白さ。
なぜ異星人は地球にやってきたのか?
異星人の正体は何者なのか?
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▲最初はリトルグレイ型の宇宙人がやってきた、ぐらいだと思っていたのに…。

異質な雰囲気の敵の姿にしっかりと設定が付けてあり、異星人の死体、兵器、敵の宇宙船のパーツなどを持ち帰り分析することでだんだんと明らかになっていく背景。
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部隊のやりくりと基地の建設、各国政府とのやり取りだけでかなり楽しいのに、ストーリーにも引き込まれてゲームが止まらない…!
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…ここまで書いていて気づいたのだが、冒頭で興奮気味に語った男と同じ事を書いているだけだった。
きっちり型にはめられてしまったようだ。
本当に面白いので、ぜひみなさんもプレイして抜け出せなくなってほしい。

iPad2以上を持っていてゲームが好きなら間違い無くやる価値がある。
iPhoneでもちゃんとレイアウトがかわってプレイできるので、iPhone5をもっていればやっていいともう。

ちなみに、自分の初回プレイでは序盤は普通に乗り切ったものの、1手ミスして世界各国のパニック度が上がってどんどんXCOMの支援国が離脱していき…。
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お金が入らなくなって装備が整えられず、そのまま部隊が全滅。
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今、3回めのプレイをしているところ。
何度死んでも「次回はこうしよう」と思ってやり直せる、面白さ。
ムービーが飛ばせればもっと良かったんだけど、それすら小さいことと思えるぐらい面白い。
これは当分抜けられそうにない。

※拡張版の『XCOM®: Enemy Within』がリリースされたので、リンクは拡張版のものに変更しました

アプリリンク:
XCOM®: Enemy Within (itunes 1,400円 iPhone/iPad対応)