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【アラララタナララ】ゲームブック『ソーサリー』iOS版のステキぶりに感動する:iPhoneゲーマーな日々76


ゲームブックの金字塔、スティーブン・ジャクソンの『ソーサリー!』シリーズがiOSへ!
先日、日本では『魔法使いの丘』として発売された知られる第1作目がリリースされた。
もうこれだけで古ゲーマーは感動ものだが、今回iOS移植に当たって大幅なグレードアップが測られていて海外でも絶賛の嵐。
Pocket Gamerでも早速金賞(Pocket Gamer)だわ、レビュースコアも良いわで気になって仕方ない。
ということで、英語のみ対応だけども買って試してみた。
まず嬉しいのはこのマップシステム。
行き先の選択肢を選ぶ代わりに、フィギュアを動かして移動させるというちょっとした仕掛けだけども、地図からはゲームブックになかった冒険している世界を感じる。
また、寂しい場所ではカラスの鳴き声、街では人々の喧騒と、場を盛り上げる最低限の効果音が挿入されるのもグッド。
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▲フィギュアもウォーゲーム世代に懐かしい見た目

ソーサリーと言えば、冒険を助けてくれる魔法。
ゲームブックではただ単語を選ぶだけだったところにも一工夫。
魔法の文字を神秘的な場所から探し出して選ぶような演出がステキ。
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物語を語る演出もいい。
「選ぶ」→「ページをめくる」→「新しい章がはじまる」というのがゲームブックのお約束で、ページをめくるときのワクワク感が楽しかったけども、デジタルではボタンをタッチするだけなど味気なくなっていたのも事実。
そこに工夫をいれ、行動を選ぶと本のページが継ぎ足されて1つの物語のように読める演出が素晴らしい。
ページをめくる感じを再現できない代わりに、途切れない物語として作っている。
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▲懐かしのイラストもそのまま。

もちろん、バトルもそのままじゃない。
こちらは毎ターンチャージされる“体力ポイント”のようなものを使う、読み合いバトルに変化。

「このターンは体力をいくつ使う」

と言うふうに決定し、相手の設定した体力を上回っていれば一方的にダメージを与えられるというもの。
体力は使わなければ持ち越すことができ、次ターン以降を有利にすることができる。
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毎ターン「敵は武器を胴体に構えて防御姿勢をとっている」などのヒントが出るのでそれを参考にポイントを設定する、素朴な感じのバトルだけども雰囲気は出ていて楽しい。
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▲フィギュアを動かして消費体力を設定するインターフェースも地味に嬉しい。

もちろん、ゲームブックにありがちなイカサマもし放題。
過去に通ってきたチェックポイントをタッチすると、いつでも好きな場所に戻ることができる。
そう、イカサマができてこそのゲームブックだ!
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英語しかないのが残念だけども、それでも当時の『魔法使いの丘』を思い出してクリアすることができた。
全体的によけいな押し付けなく、プレイヤーの想像力を助ける形でアップグレードされているのがまず好印象。
さらに、無理して完全にゲームブックにするのではなくて、デジタルを生かしアドベンチャーゲームのような風合いも出していて無理がない。
ステキな仕上がりだと思う。
これ、日本語版が出たら買いなおしてもいいんだけどなぁ…。

なお、『魔法使いの丘』に引き続き、『城塞都市カーレ』『七匹の大蛇』『王たちの冠』も移植中とのことなのでオールドゲーマーは要チェック。
日本語でゲームブックをやりたいなら『展覧会の絵』や『iグレイルクエスト』(旧題、ドラゴンファンタジー)が移植されているのでそちらをどうぞ。
2つともiOS向けにしっかり拡張されているぞ。

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アプリリンク:
Sorcery!(itunes) 450円 iPhone/iPadの両方に対応

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