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レビュー:ぷよぷよ!!クエスト 一見パズドラ、でもプレイすると違うソーシャルパズル

ぷよぷよ!!クエスト(Ver1.11) 基本無料 iPhone/iPadの両方に対応
課金:ガチャ、体力回復
開発:セガ
評価:3.0(面白い)
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ぷよぷよのアレンジルールで連鎖していく楽しさ
ギルドメンバーと繋がってプレイする楽しさ
超ポップな絵柄
ロード・通信が早く、快適。
ゲームが難しいため、毎日きっちりプレイすると疲れる。
間違えて消した時にキャンセルできない。
ガチャ課金の効果があまり実感できない。
1988年、セガの『テトリス』がアーケードでヒットを飛ばした後、次々と落ち物パズルブームに乗ってリリースされたのがカラフルな“ぷよ”を4つくっつけて消す対戦パズル『ぷよぷよ』だ。
テトリスのフォロワーであることを受けてか、メガドライブ版の説明書には「もともとオリジナリティのないゲームです(苦笑)」と書いてある。

そしてときは流れて2013年。
元祖『ぷよぷよ』がテトリスブームの中で生まれたように、空前のパズドラブームの中でパズドラ系ゲームとして『ぷよぷよ!!クエスト』が誕生。
インターフェースなど基本的なところで『パズドラ』を踏襲しているが、プレイしてみると『テトリス』と『ぷよぷよ』ぐらいは違うゲームである。

キャラクター10人でパーティーを組み、ぷよぷよのパズルを使ったバトルを楽しむパズル+RPG系。
バトル時に出撃できるのは5キャラクターまでで、残りは控えとなり、バトル中に仲間が倒れると補充されていくという形式になっている。
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バトルが開始されると、画面上部にはプレイヤーと敵のパーティーが表示され、下部には“ぷよ”がぎっしり詰まったマス目が表示される。
パズル部分はこのマスのぷよを指でなぞって最大5個までのぷよを消し、同色ぷよを4つ以上並べて消していく4マッチパズル。
消した部分には上からぷよが補充され、落ちてきたぷよと合わせて4つ繋がっていればそれも連鎖として数えられる。
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出撃しているキャラクターの色と同じ色のぷよを消すとキャラクターに攻撃力がチャージされ、それに連鎖のボーナスを加えて敵に攻撃を行うパズドラ方式。
プレイ感覚は従来の『ぷよぷよ』とは異なるが、このゲームは連鎖の着火点を探していくゲームになっており、強いて言えば『ぷよぷよ』にあったパズルモード『なぞぷよ』に近い感覚がある。
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▲消したぷよと同じ色のカードに数字が溜まっていく。

ただ、現在主流の3マッチパズルと比べ、4つ繋げるぷよクエはパズル部分は複雑。
慣れないと2連鎖を組むことも難しいが、この難点を(あくまで推測だが)力技でカバーしている。
なんと、バトルで1回目のぷよ補充時は偶然連鎖がしやすいように操作されているようだ。
これにより適当に消してもそれなりの「連鎖させてプレイしている」感はあるが、逆に補充時の偶然コンボが多くなるので「運ゲー」に見えてしまう側面も。
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▲適当でも結構連鎖するようになってる気がする。

そこに慣れると、補充時のコンボが起きやすくなるような受けの盤面を作り出すことで3〜4コンボをほぼ確実に狙える要素でもあるので、実際に腕が関係ないということはない。
狙っていけばコンボ数は確実に増え、6コンボ以上を出すと高確率で“チャンスぷよ”が出現し、これを消すとフィーバーモードに突入。
攻撃力が大幅にアップするので、連鎖の実力が一定以上を超えるとかなりゲームが有利になる印象だ。
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▲チャンスぷよを消すとさらい追加連鎖が!

パズドラとの最大の相違点はソーシャル要素。
普通のゲームに“フレンド”に当たるものが“ギルドメンバー”になっており、プレイヤーは必ず1つのギルドに所属(もちろん、自分でも作れる)し、全員が魔法の塔を成長させていく仲間として一緒に活動するようになっている。
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▲タワーを成長させろ!

塔を成長させていくと、大きなHPを持つボスを仲間と一緒に倒す“レイドボス”の要素もある。
バトル開始時に1人だけ他のプレイヤーのキャラクターを借りていけるが、こちらもギルドメンバー以外のプレイヤーを選ぶと“リーダースキル”が発動しないという仕組みになっており、仲間が非常に重要となる。
つまり、パズドラよりフレンドのつながりが重要になっているわけだ。
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▲ボスは1万以上のHPを持っており、1人で倒すのは難しい。

また、他のプレイヤーに戦いを挑んで勝利することでBPを稼ぐことができ、ランキングに応じて景品がもらえるランキング要素もある。
ただ、バトルを通じて何かを奪われることはないため、ギルドや強奪バトルのある他のソーシャルと比べれば緩いペースで遊べるライトなソーシャルゲームになっている。
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▲ランキング。あるけど超限定レアがもらえるわけではないから縛りが緩い。

上記を総合すると、バトルルールが変更されソーシャル要素が強くなったパズドラ系の別ゲーと言っても差し支えないだろう。
実際、プレイしていての感覚はかなり違う。
パズドラが自分を強くして楽しむのがメインなのに対して、ぷよクエはゲームをプレイしつつギルドのメンバーと掲示板で会話しつつゆるーくコミュニケーションを楽しむゲームなのだ。

この上でロード時間が短く、通信も快適、ソーシャルで要求される基本的な機能がほぼほぼ揃っており、リリース直後からかなりの完成度を誇る。
自分はライト向けのスマホゲームの場合、最初の5分で「これはいいかな?」と思えなければダメだと思っているが、このゲームはそれを満たす数少ないソーシャルゲームだ。
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▲一括◯◯が無いゲーム、実は未だに多い。

ただ、ちゃんとプレイしてみるとこのゲームはいくつかの爆弾を抱えているのも間違いない。
ぷよぷよパズルは実質『なぞぷよ』(詰将棋のようなもの)で、まじめにプレイするとかなり頭を使う必要がある。
つまり、基本となるパズルはまあ遊べるが、同時にストレスとなる要因も抱えていて、流してプレイするのに向かない。

元々かなり難しいパズルルールが、ヒットゲーム『ぷよぷよ』のものなのでプレイしてもらえる、という『ぷよぷよ』ブランドに頼った究極反則技で切り抜けているので、この反則技の効果がつきる前にテコ入れしなければゲームの人気が終わってしまうほどの危険性があると見ている。
繰り返しプレイに向かないということは、ソーシャルにありがちな「ポイントを競え」「ひたすらやれ!」というようなイベントに弱いということで、これは大変なことだ。
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▲みなさんは上図から10秒でどこを消すべきかわかるだろうか?

長期ステージの削減やギルドのメンバーシステムの改良(全員をお供に連れて行かないと行けないシステムのため、ギルド内に弱いプレイヤーが居ると露骨に足手まといになる)など、通常プレイ時のストレス要因を減らすだけでなく、もっと面白くする工夫を盛り込んで行かなければならないだろう。
pq
▲弱いプレイヤーのお供も強制的に使わせられるストレス。

大体の所で快適だが、ぷよの消し方をミスした時にキャンセルできないとか、説明不足など細かい要素は結構あって、パズルの爆弾への対応と細かい部分に対するここ3ヶ月ぐらいの対処を間違えるとゲーム自体が“ばたんきゅー”(ぷよでいうゲームオーバー)してしまう可能性すらある。

最初のさわりは楽しいので評価は3.0とするが、また時期を見てレポートしたい。

アプリリンク:
ぷよぷよ!!クエスト(itunes) 基本無料 iPhone/iPadの両方に対応

動画: