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これぞアホ毛ー。『アホ毛ちゃんばら』に込められたメッセージとは?ディレクター並木学氏インタビュー。

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職人集団M2の初オリジナル作品『アホ毛ちゃんばら』の情報がネット界を駆け巡ったのがおよそ1週間前。
デザイナー南向春風さん、音楽にChibi-Techさん、そしてディレクターにSTG音楽で名を馳せる並木学さんが関わっているとあってゲームキャストとしても見逃せない作品…!

で、プレイしてみると今時のゲームというよりなんだか懐かしい手触り。
なぜ、今、アホ毛をリリースしたのか。

今回は『アホ毛ちゃんばら』のディレクター並木学さんにお話しを伺ってきた。
なお、デザイナー南向春風さんのインタビューがねとらぼに掲載中なのでそちらと合わせて読んでいただけると嬉しい。

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まず最初に並木さんの経歴を教えて下さい。
並木:ゲーム業界に入ったのが1992年なんで、ちょうど21年前ですかね。
いわゆるアーケードゲーム、シューティングゲームを主にリリースしていた会社を2社ほど経験しまして、2000年以降、3年間フリーランスで作曲家をしまして、その後は2003年~2011年の12月までベイシスケイプという音楽製作の会社にいました。
シューティングゲームで言うと、『バトルガレッガ』やケイブさんの一連のシューティングの楽曲をボクが作曲しておりました。

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これは全ての方にうかがっているのですが…そんな並木さんの好きなゲームを教えて下さい。

並木:
アクションやシューティングが好きですね。
それこそファミコンに『ギミック!』というアクションゲームがあったりするんですけど。
これはボクがこの世で一番好きなゲームはなにかと言われたらそれになるんですね。

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いつもはサウンド担当の並木さんが、今回ディレクターを担当されていますが、その経緯を教えていただけるでしょうか?

並木:
実はゲーム会社に在籍していた頃に1度だけガンシューティングゲームの企画をやったことがあるんです。

そのあとは、ベイシスケイプで8年活動したんですが、だんだんゲームの開発に密接に関わりたいという欲求が強くなりまして。
ゲームミュージックを作ってゲーム開発に関わっていたかったということは、突き詰めるとゲームを作りたかったんじゃないか、と自覚したんですね。

それで、昨年1月からM2に入社しました。
以来、サウンドもやっているんですけど、ゲームの企画とディレクションをやっております。

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サウンドといえば『アホ毛ちゃんばら』では作曲されていませんが、完全にディレクターにシフトしたということでしょうか?

並木:
『アホ毛ちゃんばら』を作っている最中に、グレフさんの『哭牙』の作曲がありまして。
『アホ毛ちゃんばら』の作曲もやっていてはディレクションをしきれないと。
それにM2にはChibi-Techという名前でチップチューンで有名なJaelynがいますので、その子に任せればいいものができるんじゃないかな、と。
一応、効果音は作っています。

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『アホ毛ちゃんばら』とは並木さんから見てどんなゲームでしょうか?

並木:
指先1つで簡単に操作して、敵のスキを見つけて、アホ毛の威力をためて…ぱっと指を離すとヒットする。
単純にその爽快感というか、敵との駆け引きの中でワンタッチで遊ぶことを繰り返してスカッとストレスを発散してもらえたらいいなぁ、というシンプルな考えに基づいたゲームだと思います。

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大攻撃は気持ちいいですよねぇ。
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▲大攻撃。ばちーん!という音が癖になる。


並木:
いつどういう攻撃を入れるとか、ピヨりを活かしてどのタイミングまでためるかっていう、指先の反射神経とかリズム感でつかんでいくようなゲームだと思うんですね。
テンポの良いBGMがあって、敵が軽快に動いて、そいつらをばちーん、ばちーんと倒していく。

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ゲームデザインで意識した部分はありますか?

並木:
簡単な短期目標を設けてゴールに導いて達成したらゴール…褒めてあげるとかそういうのとは、あえて違うやり方で挑戦したかったというのはすごくあります。

僕はアーケードゲームからゲームに入ったので、昔から続く従来のゲームを意識しました。
初期衝動のような感じで、インベーダーとかパックマンとか、ビデオゲーム黎明期のゲームが未だに面白さの原点かなと思っているんです。

あくまで僕個人の見解でM2の総意ではないのですが、遊びっていうのは人から何かを示してもらったり、何かを評価してもらったりするのではなく、自分からその中での楽しみを発見したり、トライアンドエラーを繰り返すことでコツを掴んでいくものじゃないですか。

手取り足取り教えてくれるゲームばかりを遊んでいると自分で考えて行ったり、工夫して行ったりということが失われていってしまうかもしれないという事を懸念しているんですね。
そういう世界でゲームにふれていると、自分で遊びを見つけて進んで行かないといけないゲームは遊べないということになってしまう。
スマートフォンでの主流のゲームから外れてしまっているのですが、そういう思いが軸になっております。

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だから、買い切りっぽいゲームのつくりなんですね。

並木:
スマートフォンの流儀に…ある程度従ったほうがいいと思うのもあるんですけど、僕らはそれに対して割りと無頓着だったんですね。
M2自体がいわゆるパッケージソフトを作成してきた会社なのは間違いないんですよ。
なので、スマートフォンの中でも自然とそこからはいっていきました。
去年の12月の頭に買い切りとして完成したんですよね。

そのタイミングで弊社の堀井から買い切りでソーシャルメディアの連携が一切ないのもありえないよね。
と「アイテムを購入する要素とか、友達に教える要素とか、検討はしたのかな?どうかな?」と鶴の一声が入りまして。
そこでショップを追加していろいろ調整して現在の形になりました。

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そう言われると今の形なのが納得できます。今後のM2のゲームについてもそうなっていくのでしょうか?

並木:
アホ毛に関しては、成長要素とか、敵のアホ毛を自分の武器に付け替えて対戦したいとか、まだまだ実現できそうな要素がありますので。
そういった要素に対してお客様の声があがって、需要があればアホ毛2を作っていこうかという話にもなるのかなと、考えています。

もう1つ、『アホ毛ちゃんばら』とは関係ない第2弾、第3弾のゲームというのは、アホ毛ちゃんばらの結果次第になるかと思いますね。

スマートフォンというのは生活の一部じゃないですか。
その中で遊べるゲームというのはすごく身近な存在だと思うんですよね。
電車の中で通勤通学されているサラリーマンや学生さんとか遊んでらっしゃるような、ああいうスタイルで楽しんでいただけるゲームを作れるというのはお客様にとっても、メーカーにとっても幸せなことなんじゃないかなと思うので、そういった方向性に僕らも、今後勉強・修業しながらチャレンジして行きたいと思っております。

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なるほど、ありがとうございます。最後に、ユーザーの皆さんに一言お願いします。

並木:
M2は移植のプロフェッショナルというイメージだと思いますが、それだけじゃないんだよ、というところで世に出たのが『アホ毛ちゃんばら』で、今後共こういったものは続けていくと思うのですが、まずはこの『アホ毛ちゃんばら』をよろしくお願いします。

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M2にとっての新しいステージで、新しいゲームが出てくることに期待しています!本日はありがとうございました。

『アホ毛ちゃばら』のサウンドトラックは3月26日より(時間は未定)こちらのURLからダウンロードできるようになるとのこと。
料金はリスナーが自由に価格を決めてダウンロードする仕組みで、無料で手に入れることもできる形式を採用している。
並木さんも認めるチップチューン界の有名人Jaelynさんのサウンドを堪能しよう!

ついに完全オリジナル作品『アホ毛ちゃんばら』をリリースして新しいステージに突入したM2。
並木さんのゲームに対する熱い思いを伺い、エブリエクステンドで残機を増やすがごとく実績を積み重ねて、大きく飛躍して欲しいと思わされた。
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▲アホ毛よ、世界にはばたけ!


そして、インタビューはここまでだったのだが…。
帰りがけにM2のラスボス(社長)M2のボス堀井氏に遭遇!
エクストラステージということで1つだけ質問させていただいた。

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アホ毛のことではなくて申し訳ないのですが、諸々手がけているというウワサのアーケードゲームの移植(アレとかコレとか!)ってどうなっていくのでしょうか?

堀井:
水面下でコツコツとアーケードゲームのiOS移植を進めており、ライセンス出しますよ!なんてお話も貰っており、そして、持ち歩くデバイスとしてはどうなのかと思いますが、遅延のないアーケードスティックも試作中です(笑)
ただし、昨今の情勢を考えて上手く世に出せる方法があるのかは判りません。
とても悩ましいです。
言えることは、財布を緩めて待っていてくれ、虎視眈々と狙っているから…と(笑)
そして今は『アホ毛ちゃんばら』をよろしくお願いします。

!?
東亜プランのシューティングが移植される!?という記事を書いて以来、いつか続報を出したいと思っていたが、意外なところで未だ作業中とあっさりわかってしまった!
とはいえ、千里の道も1歩から。
アーケード移植もアホ毛から。
まずは『アホ毛ちゃんばら』を遊んで待つのが良さそうだ。

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関連リンク:
アホ毛ちゃんばら公式
アホ毛ブ
アホ毛ちゃんばら南向春風さんインタビュー(ねとらぼ)