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『ボツネタ通りのキミとボク』に1990年代後半の懐かしさを感じる:iPhoneゲーマーな日々65

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本日は自分が応援しているアプリサークル超水道から、新しいノベルアプリ『ボツネタ通りの君と僕』がリリースされたので紹介したい。
最初に言っておくと、今まで超水道のアプリをやっていた中で間違いなく最高の作品に仕上がっている(もちろんストーリーの好みはあると思うけども)ので、紹介を読み終えたら即座にDLしていただきたい。
最近不調の文芸部員の“ボク”は、とある小説書きの“あの子”の残したボツネタ帳を拾い、ボツネタの世界“ボツネタ通り”に迷い込んで不思議な少女と出会う。
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「“あの子”はいま、物語をつくることをやめようとしている。だからこの場所も、なくなろうとしている」
少女に告げられ、ボツネタの世界を救うための旅が始まる。
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全体として手作り感の漂うどこか懐かしい雰囲気のなか、物語は展開していく。
で、相変わらずビジュアルは無料と思えないほど豪華。
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▲要所でマンガのようなカット演出が入る。

小説の中でさまざまなお話しの世界を旅するということで、世界が変わる度にまったく異なる雰囲気で物語は展開する。
魔物と戦うハードな世界観では実写の取り込みへ。
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設定がちゃんと作られていない世界では背景がなんだか落ち着かない。
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完成している世界では背景もしっかり作られている、といった具合でおよそ1時間ほどの話の中で、世界が切り替わる度に新しい背景が使われ、新しいキャラクターのイラストが出てくる。
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章ごとに入る挿絵もいい雰囲気だし、オープニング動画すら用意されている。
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使い古された言葉だが、「これが無料なんて信じられない」というレベル。
音楽も、イラストも、お話しもそれなり以上だ。

超水道自ら「過去最高作品」と言っているが、実際に見た目も演出もいい感じに落ち着いていて(以前は少しやり過ぎたり足りないかと思うところもあった)、確かにすっと入りやすい。

超水道という大学生サークルが書いた話だけれども、ボツネタたちはどれも懐かしい雰囲気。
超能力で夜に怪物と戦うお話し、学園モノ、ヒーローモノ…言ってしまうと、どれも1990年代後半の匂いがする。
そういった雰囲気もよくできている。

中高生の時代に自分のお話しを妄想していたタイプの人なら共感できる所も多いと思うので、特におすすめだ。
自分はちょっと特殊かもしれないが、TRPG(お話しを作って展開していくゲーム)ストーリーのボツネタを思い出しながら、懐かしく読んでしまった。

自分もほんの少しだけ(内容ではなくアプリの技術的な面で)アプリに関してアドバイスしたのもあるのでちょっとだけ身内びいきかも知れないが、このアプリを手にとっていただければ幸いだ。

アプリリンク:
ボツネタ通りのキミとボク 無料