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海外記事:なぜ、AndroidのゲームはiOSの後に開発されるのか? | Pocket Gamerより

「なぜ、多くのAndroidのゲームはiPhoneより後に出るのか」
docomoユーザーのAndroidが多い日本では少しだけ状況が違うが、それでも海外ゲームをプレイするゲーマーにとってはこの疑問は残るところ。
Pocket Gamerにてこの理由について開発者に直接質問して語った記事があったので紹介したい。
回答者はApple rewindでゲーム部門を受賞した『Walking Mars』開発者、大手パブリッシャーCrescent Moonの代表者などいずれも海外の大物たち。
例によって誤訳御免で。

私たちの読者の多くが本当に知りたいことは、なぜ、Androidよりも数ヶ月前に、iOSにゲームがリリースされるのか、ということでしょう。
AndroidユーザーたちはGoogleのOSがAppleのプラットフォームよりも大きなシェアを誇っていると言います。
一体、なにが正しいのでしょうか。

11月にリサーチ会社IDCは、Androidが2012のQ3にスマートフォン市場で75%のシェアがあるレポートしました。
12月にはグーグル代表取締役議長エリック・シュミットは、Googleが12月の商戦を楽々勝利したとブルームバーグに語りました。


二流の烙印
これは良い議題といえるでしょう。
Androidデバイスが世界中で爆発的に成長しているのに、どうしてゲーム開発者はGoogleのプラットフォームを2番手扱いすることがあるのでしょうか。

『Waking Mars』の開発者Tiger Styleによれば、
「Androidがより大きな市場を持つ証拠として、世界のiOSデバイスとAndroidデバイスの合計を引用する人は重要な点を見失っています。」とのこと。

潜在的な顧客数と市場の占有率は一致しておらず、「ゲームを買う顧客だけを数えるならば、iOSにははるかに大きな顧客がいます。」とも言っています。


Waking Mars
『Waking Mars』のiOS版はAndroid移植に8ヶ月かかりました。
『Ravensword: Shadowlands』をAndroidで(※iOS版からほぼ1年後に)リリース予定とした、Crescent Moonの Josh Presseisenの話も同様に(ゲーム移植にかかる期間の)話題です。

「私の知る統計では、Androidでの販売額はiOSの1/10だけとなっています。」
とPresseisenは言っていますが、売上が低いことだけがAndroidがスマホゲーム市場の2番手として扱われる理由ではないかもしれません。


テスト、テスト、そしてテスト!
AndroidとiOSのプログラミングが同様のプロセスだと開発者たちは言いました。
しかし、ゲームのテストは完全に別ものです。
私の開発者コミュニティでの会話ではテストという単語ばかりです…。


分断の問題
簡単に言うと、ゲームを作ってテストするときに対応する必要があるiPhone/iPadはわずかです。
しかし、Androidでは違います。

Cipher PrimeのStallwoodによれば
「Google Playだけで1,000のデバイスを扱っている」
「私たちがそれらをすべてテストする方法はありません。デバイスを揃える?馬鹿な。」
とのこと。

テクニカルサポート問題
下にある香港のメーカーAnimocaのQA部の中のAndroidデバイスの写真を見てください。
これは他の会社でも同じでしょう。
All-the-Myriad-Androids-Animoca-570x378

「テストに必要なiOSデバイス数は、特に独立系の小さなメーカーには(Androidより)はるかに扱いやすい数で、さらに(Androidのゲームをリリースした後の)サポートはそれよりも複雑です」
とKalinaは語り、Presseisenもそれに同意します。

「Androidの1本のゲームに寄せられたサポートメールの数は、我々がiOSでリリースしているすべてのゲームに寄せられたサポートメールの数と同じでした。」
それはほぼ悲鳴のように聞こえました。

別の話しになりますが、Androidのゲーマーは、芸術的なパズルゲーム『Splice』をプレイするために3ヶ月待ちました。
何を言いたいかというと、たった1つのAndroidデバイスに影響するバグを修正するために忙しかったので、(Spliceの)開発者はこの記事のために寄稿することができなかったということです。
これは冗談ではありません。


ストアの分断問題
分断はデジタルショップにも影響しています。
「iOSゲームでは市場はたった1つで、それは1つの場所で顧客サポートを行えば良いということを意味します。
しかし、Androidではとてもばらばらです。」
とStallwoodが言います。


しかし、Google Playには長所もあります。
Presseisenは、Googleのモバイルの市場でデバイスごとにゲームを販売する事ができる事実を称賛しています。

「あなたがAAAのモバイルゲームをリリースしたい場合、性能の低い端末はサポートすることができません。
もしRavenswordがAndroidでリリースされるならば、チェックボックスで単純に(性能の低い端末の所有者はDLできなくして)心配する必要がなくなるでしょう」

「私がGoogle Playでいいと思う別の点は、売上チャートの変化です。
1日1度だけ変わるため、ほとんどのゲームがロングテールで売れます。」


その他の要因
また、他にも(Androidが2番手扱いされる)要因があります。

GameCenter(iOSはAndroidより良いコミュニティーが構築され、だれでも利用可能です)、およびメディア(多くのiOSゲーム専門のメディアが設立されています)は、同じようにさらにAppleのモバイルゲームの継続的な支配を助けているとKalinaは推論しています。

また、Androidゲームの違法コピー率はiOSよりも高いことを考慮すべきです。

昨年、Android版のスポーツゲーム『Football Manager Handheld 2012』1人の正規の顧客に対して11人の違法コピーがありました(Pocket Gamerの関連記事)。


追いつきつつはある
最新の情報では、『Ravensword:Shadowlands』は、2013年の遅くにAndroidで出る予定です。
もちろん、それは暗い運命を示唆するわけではありません。
多くのゲームが今、iOSおよびAndroid上で同時リリースされます。

また、Android上で先行にゲームがリリースされ、続いてiOS版がでるのも珍しいことではありません。
さらに、実際にAndroidの方がより売れるゲームもあります。
西部劇アクション『Gunman Clive』はAndroidバージョンの方がiOSより多く売れました。
『Super Hexagon』もiOSよりAndoroidの方が売れています。

更に移植に自ら取り組みたくない場合、インディー開発者には別の選択肢もあります。
Tiger StyleはAndroid版『Waking Mars』でApportableという外部の会社を起用しました。
『Punch Quest』はNoodlecakeという会社のおかげでGoogle Playに出る予定です。


将来は明るい
Kalina:
私たちが今回話しかけた開発者に関しては、それらがAndroidの将来は明るいと信じています…彼らはまだiOSを勝者と見なしますが。
「Androidは追いつきつつあり、ゲームプラットフォームとして実用的になって来ました。
しかし、iOSに追いこすのは難しいでしょう。」

Presseisen:
「私たちは、Androidでいくつかの試みをしており、そして将来さらにいくらかの試みを行うでしょう。
しかし、私たちはAndroid上にすべての力を注ぐ状況にはありません。
私は、Androidが成長していると信じています。が、販売額で言えばiOSがいまだに王様です。」

Stallwood:
「恐らく私たちはAndroidを2番目にリリースするプラットフォームにしたままでしょう。
しかし、私たちはGoogle Playで最初にリリースすることに反対ではありません。
Androidは我々がもっと面白いことが出来るようになる何かです。」
「OuyaのようなものはさらにたくさんAndroidを市場に送り出すでしょう。」

しかし、市場がAndroidゲーム機で溢れれば、Androidはゲームのプラットフォームになるかもしれません。あるいは一層の機種の分断に陥る可能性もありますが。

元記事:Pocket Gamer Investigates: Why DOES Android play second fiddle to iOS? | Android | Pocket Gamer


以上。
わかりづらい記事になってしまったが、

・Androidは台数が多いが、ゲームを購入してくれる顧客は少ない。
・有料ゲームのAndroidの販売額が1/10(数字を出しているCrescent Moonは基本無料がない)。
・Androidは機種が多くて対応が大変
・でも実はサポートのやり取りがもっと大変
・Gamecenterやメディアなどが発達しており、iOSの方が基盤としてもリードしている点が多い

といったところだろうか。
正直、もう少しAndroidは勢いを持っていると思っていたが、売り切りゲームのハードとしてはイマイチな点も多いようだ。
来年ぐらいに、自分でもこのネタを調べて記事にしてみたい。