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ガークルの事なら俺に聞け!第15後編 『ミリオンアーサーがゲームと言えない理由』

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ガークルの事なら俺に聞け!第15回前編『ソーシャルゲームはゲームなのか?』で『拡散性ミリオンアーサー』がゲームではない、と書いた。
ミリオンアーサーはスクウェア・エニックスがリリースした"自称本格RPG”。
実態は『ドリランド』のようなカード系のぽちぽちゲーム。
なぜ、これがゲームではないかを語るために、自分がずっとプレイしていて思ったゲームの定義から語りたい。
過去にも新しい形式のゲームが出るたびに議論が巻き起こった。
「RPGはレベルを上げれば誰でもクリアできるからゲームじゃない」
「ノベルゲームはゲームじゃない」
など。
結局はどのジャンルにも一定のファンが付いてゲームとしてリリースされるようになり、現在ゲームの範囲は本当に広い。

プレイヤーの腕が介在しなければゲームではない、という事になってしまうと「◯◯ごっこ」的な遊びや、誰でも一目瞭然で最適解がわかるゲームはゲームと呼べなくなってしまう。
プレイヤーの腕があまり関係ないけど『ハッピーストリート』だって『シーマン』だって、『かまいたちの夜』だってゲームのはずだ。
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▲飼育ゲーム系は攻略はないことが多いし…。

結局、自分が考えるに「ゲームとプレイヤーの間にルールがあり、一定の期間・区切りのなかでそのルールに基づいてプレイヤーの操作に対して反応があるエンターテイメントはコンピューターゲーム」という結論になった。

ゲームとして認められるかどうかという話で言うならばいわゆるポチポチゲーもゲームである。
いわゆるポチポチゲーもルールがあるし、プレイヤーの操作に対して決まった反応もあり、「体力が回復する時間を調節する」「成功確率が高い戦術をとり続ける」などで攻略すら存在する。

自分は、何かを競うゲームであれば全てのプレイヤーに対して均等に機会があり、ゲームの要素を同じように入手でき、その確率が現実的なものが理想だと思っている。
もしくはゲーム的な始まりと、終局点があってそこに向かって段階的に進んでいけるゲームがやりたい。
だが、その好みとは関係なくルールが厳格に運用されていればポチポチゲーもゲーム。

ポチポチゲーもゲームなら、ミリオンアーサーにはルールがあり、ゲームであるはずだ。
すると、「ミリオンアーサーはなぜゲームではないのか?」という話になる。
自分がミリオンアーサーについてゲームではない、と感じたのはゲームの基礎となるルールやデータが運営側の都合で頻繁に変更されていた=ルールが厳格に運用されていないと感じたからだ。
 
例えば、「妖精はイベント後半になるほど出やすいことが多い、一定ではない」「覚醒妖精の確率は特に予告なくいじられている」など(※1)。
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また、侵略!?とれみ~さん”というイベント(主に敵を倒して得られるポイントの合算を競う)でも、突然に後半から敵が入れ替わり、ポイント取得の攻略に大きく影響があった。
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▲後半から出てきたコイツ。課金者が必死で狩っていた。

程度にもよるが、ゲームをプレイする前提となるルールが変わったらそれは違うゲームである。
運営していく中で徐々に変わっていくのは仕方ない。
だが、最低限守るべき区切り・期間があるはず。

「この期間内で1位になったらいいものありますよ!」
「よし、がんばったぜ!」
「あ、まだ期間が終わってないですけど追加ルールでポイントもっと伸ばせるようになりました。もっとがんばってください!」

こういった行為を行なってしまえば、それは最初に示されていたゲームの間にあったルールを踏みにじることになる。
そしてそれは、それまで知っていたルールに従ってプレイしていた人間をバカにした行為だと思う。

だから、ミリオンアーサーはゲームではない、という結論に落ち着き、自分のミリオンアーサー熱は急速に冷めていった。
ソーシャルゲームの中には他にもランキングイベントを加熱させるためにそういったイベントを行なっているゲームが多くあり、それらもまた同様である。
「ゲームをより楽しくするため」の変更ならまだ理解のしようもあるが、現状では集金装置として機能させるためにルールを変更しているようにしか見えないソーシャルカードゲームが多いのは本当に残念だ。

自分はファミ通Appで連載しているスマゲ革命(立場上の言葉もあるけども、コラム系の読み物では最も好きなものの1つ)を書いており、iPhone の FF と言っても過言ではない『ケイオスリングス』のブランドを立ち上げた人物であり、フェイバリットアプリ『ヴォイスファンタジー』を作った人でもあるスクウェア・エニックスの安藤プロデューサーのファンだった。

だから、安藤プロデューサーが「スクエニが作れば、ポチポチゲーもRPG、ゲームになる」と言ったミリオンアーサーをサービス終了までプレイする思いで始めた。
だからすごい勢いでプレイしたけども、プレイするほどに「これはゲームではなく、高額でキャラクターイラストを売るキャラクターグッズ販売だ」という結論になったのは非常に残念だ。
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▲でも、4コマは突き抜けていたり風刺が効いていたりで面白い。

ということで、ガークルのプレイを通じてソーシャルゲームがゲームと呼べるか考えるという連載の結論は同じスクウェア・エニックスのミリオンアーサーと比較することによって結論が出たのだった。
宣言したルールを決まった期間守っている(ように見える)から『ガーディアンクルス』はゲームであり、そうでないからミリオンアーサーはゲームではない。

この話しにはまだまだ書き足りないことがあって、ガークルとは違う話なので別記事にするが、この話の続きとして『ドラゴンコレクション』についても書こうと思う。
「ガークルの事なら俺に聞け!」はまた、ガークルだけの話題に戻る。

最後になるが、ミリオンアーサーばかり比較対象にしているのはやりこんだゲームについてしか強く言及しづらいため、というのをふきしておく。
浅くやったゲームも含めるとミリオンアーサーなどカワイイぐらいのレベルではある。

2012/12/9 22:10
わかりづらいという指摘があったのでミリオンアーサーのデータ変更の根拠を注記に移しました。

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※1…確率の変更はミリオンアーサーについては妖精(ボス)を倒して手に入るカードをイベントごとに1000回データをとるとか、探索してどれぐらいの割合で妖精がでるか全部記録するとか、かなり気合を入れたプレイをイベントのたびにしての結論。
確率は収束するほどではないが、変更している可能性は非常に高いという判断。

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