レビュー:ダークナイト ライジング 話題作唯一の公式ゲームはiOS向け
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- 2012年07月30日
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- ダークナイトライジング|

タイトル | ダークナイト ライジング |
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ジャンル | アクション |
価格 | 600円 |
アプリ内購入 | ゲーム内通貨、時短アイテム(なくてもクリア可) |
日本語対応 | あり |
販売元:ゲームロフト | Version:1.0 | GameCenter:なし | 対応機種:iPhone / iPod touch / iPad |レビュアー:トシ |
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まず驚くのはその映像クオリティ。
同じくオープンワールド系の『アメイジング・スパイダーマン』の発売から1ヶ月強しか立っていないにもかかわらず、そのクオリティをはるかに超え、iOSのオープンワールド系ゲームで現在最高峰と言っていい。

▲今までのものより1段上のクオリティ
しかも、それでいて対応機種はiPhone 3GSまで。
ロード時間は長いが、1度ゲームが始まってしまえばロードはあまりない。
試しにiPod touch 4Gでプレイしてみると、性能の低い端末向けにクオリティが落とされていたが、それでもiPod touch 4G向けとしては十分すぎるほど美しいグラフィックで動作は今までになくスムーズだ。


▲iPhone 4SとiPod touch 4Gの画像。iPodはテクスチャが粗く、雨や光の表現が省かれている。また、公園の垣根や道を走る車や歩行者がない。
『アメイジング・スパイダーマン』を始めとしたオープンワールド系の過去のゲームは、最新の端末以外ではグラフィックはいまいちな上、動きのスムーズさに欠けた。
が、『ダークナイトライジング』では単純に質を落とすのではなく、見た目が貧相にならないように間引く場所を丁寧に考えているようだ。
ゲームロフトの独占ということもあってか、ただならぬ気合を感じた。

▲高速移動中は背景にぼかしがかかり、リアリティがさらにアップ。
ゲーム内容はひとことで言うなら、空も飛べる『メタルギアソリッド』というと想像しやすいだろうか。
バットマンはアメリカンコミックスのヒーローだが、スパイダーマンやハルクのように超人ではなく、ハイテクの武器を使いこなす鎧を着た人間。
銃で数回撃たれれば倒れてしまうし、動きは重々しく、悪人と格闘するときも何回も叩いてようやく倒せるぐらいの格闘能力。

▲攻撃を受け続けるとすぐ死にかける。
なので、大勢の敵と戦うことは避けて敵の背後や頭上から奇襲をかけ、1撃で相手を倒す[サイレントテイクダウン]で敵を減らしていくプレイが基本となる。

▲頭上から襲いかかって1撃で倒す
[グラップネルガン]からワイヤーを射出して高所に引っ掛けて登り、マントで滑空する能力を駆使して銃を持った危険な敵を排除し、単独行動の敵を背後から襲い、最後の最後だけ格闘で倒す、[敵を倒す順番を考える]パズル要素が少し入ったアクションゲームとして楽しくプレイできる。
ゴリ押しもできるが、格闘の威力が弱いので時間がかかって面倒だし、敵を倒したときに手に入る経験値も低くなる。

▲ワイヤーが細いので見えづらいが、ビルにワイヤーを引っ掛けて登っている
ただ、格闘の威力が弱いわりに格闘が必須の場面もそこそこあってアンバランスな印象はある。
人によってはここがストレスになるかもしれないが、スパイダーマンのような無双系アクションを期待していなければ十分楽しめる。

▲複数の敵との戦闘は面倒。
ゲームモードは映画のストーリーをなぞるメインミッションと、ランダム発生するサブミッションの2つ。
当然ながらメインミッションはネタバレが満載なので、映画を見にいく予定がある場合は見た後にプレイしたほうがいい。
ゴッサム・シティは市民が話さないので動きまわる楽しみはそこそこだが、ランダムミッションが歯ごたえのあるものになっていてゲームとして楽しめる。
映画の公式ゲームということで、グラフィックだけでなくバットマン感の再現もかなりのもの。
見た目はもちろん、重量感のある動き、本物そのままのキャストの音声などは完全といっていい。
バットポッドなどの乗り物、バットラングなどのガジェットは再現されており、ファンゲームとしてのクオリティは十分。
ただ、せっかくバットウィング、バットポッドという2つの乗り物が登場するのに、決められたミッション専用で、自由に乗れないのは気になった。

▲映画版そのものの重量感があるバットマンの動き。
あとは気になる点があるとすれば、パワーアップシステム。
ミッションを通じて経験値やお金を入手し、レベルアップ時に得る[SP]とお金でパワーアップを購入してさせることができる。
が、お金で買うパワーアップが高すぎて普通にプレイしていると半分も購入できない。
クリアの障害にはならないが、お金で買う能力には「これが通常プレイで購入できればより面白かったのに」というものもあり、購入できないのがちょっと残念。

▲高いよ…。
また、長時間プレイしていると徐々に遅くなっていき、本体の再起動が必要になることもあった。
が、それ以上に最高クラスのグラフィッククオリティでバットマンの世界を楽しむことができるのが素晴らしい。内容的に600円は安すぎると言っていいだろう。
バットマンファンはもちろん、アクションゲーム好きならば試してみる価値は十分ある。
それにしても、話題作と言える映画の唯一の公式ゲームがPS3でもXBOXでもなくスマートフォン・タブレット向けになる日がくるとは(Android版も後日配信予定)。
新時代を象徴するゲームとも言えるかもしれない。
ダークナイト ライジングの詳細・DLはこちら(itunes)
動画
コメント一覧 (12)
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- 2012年07月31日 04:33
- グラフィックより中身をもっと詰めて欲しい。
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- 2012年07月31日 13:21
- ダークナイトはPC、コンソールでも出るっしょ。
メインストリームがスマホは言いすぎ。
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- 2012年07月31日 13:41
- ▼1さん
自由に乗れてもいいと思うんですけどね。
もしかしたら見逃しているかもしれないですが…。
ストーリーが時々進まないので、そのときはメニューから最後のミッションを選びなおすと治ります。
▼2さん
個人的には1000円でも2000円でももう少し仕上げてくれたらもっと面白いのに、とも思うのですが。
中身は600円なりなところもありますが、十分ではあると思います。
▼3さん
PCとコンソールに出る予定はありません。
ゲームロフトが独占で契約を結び、公式ゲームはこれだけというのがこのゲームの売りです。
市場的にも携帯ゲーム専用機はiOSとAndroidに圧倒的に負けています。
PC・専用機市場が世界的に縮小しているなか、ひたすら伸びているスマホはメインストリームになりつつあると思いますね。
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- 2012年07月31日 14:03
- でも質は前作のpcゲームに遠く及ばないのも事実ですし、、、。
スマホが台頭したというよりゲーム業界が縮小したという事なのでそんなに嬉しい事でも無いと思う。
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- 2012年08月01日 08:22
- 嬉しいかどうかで行くと、最近のオンライン化や追加課金ガリガリの傾向は全く嬉しくありませんね。
元々PCでゲームする習慣はないですが、ゲーマー向けゲームがどんどん減っていると感じます。
今回言いたかったことは良いか悪いかではなく、単純にスマホにメインがシフトしつつあるということです。
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- 2012年08月01日 10:38
- その唯一無二の公式が、コンソール版の「アーカム・アサイラム」シリーズそのまま(それはもう、勘違いするほど)というのが悲しいものですね・・・多分「中身より初印象」の戦略は、こういった「元のゲームとの比較」と「スマホユーザーの消費スパン」という両方の特性に噛み合った戦略だとは思います。
「ゲーマー向けゲームをプレイする人は、昔アーケードゲームの基盤を買ってプレイする人のような位置となる」という意見をどこかで見たことがありますね・・・スマホにゲームのメインが移動すると、多分そういう傾向はより強くなると思います。良し悪しではなく、そうして「元となるコンソールゲームが無くなった時、ゲームロフトはどんな動きを取るか」には非常に興味がありますね。SharkDashのようなオリジナルが無いわけでもありませんし・・・
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- 2012年08月01日 12:21
- 確かに、似ていますね(といってもアーカムは最期までやっていないのですが…)。
完成度を低くしたアーカム・アサイラム的です。
ゲーマー向けゲームを買う人は…というのはもうなっていると思います。
違うのはゲーセンという一大消費場所がないので、単純に商売になりづらいことでしょうか。
元となるコンソールがなくなっても、ゲームロフトは普通にゲームを出すと思いますよ。
なぜって、その頃には元を作った人たちがゲームロフトで働いているでしょうからね…。
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- 2012年08月01日 14:36
- 訴えられたら即効潰れるような会社に未来があるとは、、、。コンソールの移植モノがなだれ込んで来ても一溜まりもないでしょうし。
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- 2012年08月01日 14:46
- 訴えられて潰れるようなことをしていたらとっくに訴えられていると思いますが…。
パクリゲームが多いのは確かですが、訴えられないギリギリのラインだと思います。
それがゲーマーとして褒められるかというとそうではないですけども。
とはいえ、オリジナルにシフトはして欲しいですね。
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- 2012年08月01日 16:00
- 操作系もディスプレイもUIもかなり勝手の違うスマホ環境でコンソールの「パクリ感」を提供するのは結構大変なことだと思います。
またこれは個人的な偏見ですが、スマホのゲームをプレイする人の多くはコンソールゲーマーが要求する高い完成度とゲーム性を要求せず、その時に安い値段で適当な印象を楽しむぐらいで満足するように見えます。
この両方の特性に対するノウハウにおいて、ゲームロフトはスマホゲームにおいてコンソールのゲーム開発社よりも優位に立っていると思うのです。
「KOF-i」シリーズのように殆どスマホ用に作り直すならともかく、安易な移植では「ゲームロフト版がマシ」になる確率が高いのではないかと。
逆にゲームロフトとしては、このノウハウから「ゲームロフトのオリジナリティ」を見出すことが今後の課題となるでしょうね。
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- 2012年08月02日 10:37
- NONAMEさんのおっしゃるとおりになるかと思っています。
というか、私の言うことが何もない(笑)
今、ゲームロフトの求人状況を見ているとゲーム業界で活躍していた人材がどんどん雇われているので、開発力は困らないというか、噂によるとオリジナルもどんどんやっているらしいですね。
なのでオリジナルが増えるのも時間の問題かと。
結構がっかりな点が多いなあ
後赤い円のミッションやったらほかのストーリーなどが見当たらない・・バグなのか見落としてるのかなあ・・・・