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レビュー:『Pinball Crystal Caliburn II for iOS』 約20年ぶりに出た定番ピンボールの続編は期待を裏切らぬ面白さ

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タイトル Pinball Crystal Caliburn II
ジャンル ピンボール
価格 350円
アプリ内購入 なし
日本語対応 あり
販売元:LittleWing | Version:1.0 | GameCenter:実績・ランキング | 対応機種:iPhone / iPod touch / iPad |レビュアー:トシ
評価:3.5(かなり面白い)
納得の物理シミュレートでリアルなピンボール台を再現
iPod touch 4Gでもスムーズな動作
初心者から上級者まで考えた奥深い作り
「アーサー王伝説」をモチーフにしたピンボールアプリとして1993年にリリースされ、USで数々の賞を与えられた『クリスタルカリバーン』。

その続編が約20年を経て、オリジナルを開発した「リトルウイング」の手で完全新作『Pinball Crystal Caliburn II for iOS』として登場した。


ゲームの説明をする前に、ピンボール自体がマイナージャンルになので、今回はそこから説明していこう。

ピンボールは傾斜のついた台に玉を打ち込み、落ちてくる玉を左右についた「フリッパー」を操作して打ち返すゲーム。
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台の中にあるピンや様々なしかけに玉を当てたり、特定の場所に連続で玉を当てて役をつくることで得点を稼いでハイスコアを追求する。
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パチンコというと賭博を想像するが、ボールコントロール技術でハイスコアを追求するスポーツに近い競技性のあるゲーム。
熟練者のプレイは1つのエンターテイメントと言っても差し支えないほどで、横で見ているギャラリーを沸かしてくれるゲームでもある。

1970年代ごろまでは人気のジャンルだったが、1プレイが長くて収益に結びつかないことや、故障したときのメンテナンスが大変だったので徐々にビデオゲームに追われて廃れていってしまった。

結果的に、今でもリリースされている新台はピンボールをビデオゲームで再現したゲーム、というのだからなんとも不思議な気分だ。


と、説明したところでこのアプリの説明に入ろう。
プレイしてまず目を引かれるのはそのリアルさだ。
ボールの動きの自然さ、重さを感じる音、本物の台がそこにあるかのようなリアリティ。
iPadのRetinaに対応しつつ、iPod touch 4gでプレイしてもスムーズに動く技術力も見事。
さらに、緊迫した音楽や玉の動きを追跡して台を拡大する演出が無理なく臨場感を盛り上げている。
プレイしていると本当にピンボールをやっている気分になり、タッチする指に力が入って痛くなるほどだ。
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▲ボール付近を中心に拡大する演出

初心者でも楽しめるようにミスが起きやすい序盤をフォローする「SAVE BALL」(序盤にミスをしてもカウントされず、再度ボールが補充される)時間が長く取られていたり、通常は入ったらミスとなる左右のポケットに 「SHIELD」(1回だけ、左右のポケットに入ってもミスにしない)など、初心者が楽しむ前に終わってしまうことを防ぐ工夫もばっちり。
最大で同時に3ボールを操作する「MULLTI BATTLE」は派手で、一定時間何度でもボールが補充されるのでガチャガチャとプレイするだけで楽しい。
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▲ガチャプレイでも楽しい3ボール操作

ところ狭しと並べられたギミックは様々な役が存在し、しかけを熟知して玉をコントロールすることで得点が飛躍的に跳ね上がるし、ボールの動きは早めでスピーディーな展開が楽しめ、3ボールを保ってゲームを操作し続けること自体が難しいので、初心者に配慮されていると同時に玄人好みの作りでもある。
ボールの生存させる方法が多いので、慣れるに従ってプレイ時間がやや長めになる傾向が見られるが、これは好みが別れるところだろう。
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▲操作や役については日本語で説明書あり。

ゲーム終了後はアーサー王にちなんだ表現で成績が表示され、小さいことだがこれがなんとなく冒険気分で嬉しい。
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操作は画面左側をタッチすると左のフリッパーが動き、右側ならば右フリッパーが動くというもので、操作は楽々、指が邪魔で画面が見えないこともなく、ひたすら快適。
iPhone/iPadの本体を揺らすことで、台を揺らしてボールを動かす、本物のさながらのテクニックも使うことができる。
現実のピンボールでは、大きく台を揺らしすぎると「ティルト(揺らしすぎ)」となってミスになるが、このゲームではそこは再現されていない。
ただ、現実の台と違ってiPhone本体は揺らしやすいので、理不尽を防ぐという意味では正解に感じた。

iPhone / iPad どちらでも楽しくプレイできるが、iPhoneでは画面全体を表示しているときに、慣れないと少しプレイしづらく感じた。
それに、やはり大画面のiPadだとより「ピンボールらしさ」があるので両方持っているプレイヤーはiPadでのプレイをおすすめしたい。
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▲iPhoneだと、全体画面になったとき少し小さすぎる印象。あくまで少し。

演出もよく、慣れるとスコアが伸び、スコア稼ぎが好きなプレイヤーなら間違い無くハマるピンボールゲーム。
ピンボール入門用にも、ピンボール好きにもおすすめだ。
欠点らしい欠点はないが、強いて言えば5分間モード、3分間モードなどがあるとよりiPhoneらしく楽しめたのではないかと思う。

Pinball Crystal Caliburn IIの詳細・DLはこちら(itunes)

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