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レビュー:TheEndApp アメリカンなオッサンが世紀末を駆けるTempleRun

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タイトル TheEndApp
ジャンル アクション
価格 無料
アプリ内購入 完全版アップグレード170円、アプリ内通貨購入(ゲーム中で十分入手可)
日本語対応 なし
販売元:Goroid | Version:1.1 | GameCenter:ランキング | 対応機種:iPhone / iPod touch / iPad |レビュアー:トシ
評価:2.5(価格通りに楽しめる)
荒廃したアメリカのグラフィックが良い
TempleRunと同じように楽しい
TempleRunのコピーでしかない
PRO版の意味がほぼない
FacebookやTwitterに投稿を要求するミッション
「これは世紀末を舞台にした『Temple Run』。このゲームのコピー品は多くあったが、これは原作に並ぶ面白さをもった数少ないアプリ!」などと欧米系のメディアで話題になっていたゲームがある。
それがこの『TheEndApp』だ。

何かの理由でマグマが吹き出し、荒廃しきったアメリカを髭面のアメリカンなオッサンがひたすら走る。
操作は『Temple Run』とまったく同じ。
下に向かってスワイプ(指をなぞる)するとスライディング、上スワイプでジャンプ。
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▲ジャンプ時の動作やオッサンの叫びもアメリカン

左右のスワイプで曲がり角を曲がり、iPhone本体を左右に傾けることでオッサンが左右に動く。
道にある緑色DT(お金に相当)を集めると、ステージ終了後にパワーアップアイテムを購入できる。
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操作感覚もだいたい同じで、『Temple Run』と大きく違う点は2点。
1つはそのグラフィック。
iPhone3G時代を引きずっている『Temple Run』と異なり、クオリティは高め。
最近リリースされた『Temple Run:メリダとおそろしの森』よりも見た目はよく、さらに旧機種でも快適に動く。
ここは素直に素晴らしいと思う。
なぜか赤系統が多く(特にiPod touch 4Gなどの旧機種では)目に痛い難点はあるが、背景の種類も多くて、荒廃したアメリカを走るのではなく、ゆっくり探索したくなるほど。

もう1つはチャレンジモード。
基本的には『Temple Run』のミッションと同じで、クリアするごとに得点の倍率が上がっていくというもの。
このゲームではこれが別のモードとして扱われており、1回のゲームでそれをクリアできるかどうかを試される。
チャレンジが進むごとに時間が経過し、背景が朝から昼、そして夜へと変わり、オフィス街から工業地帯、湾岸などステージが増えていくのが見どころだ。
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プレイは『Temple Run』を踏襲しているのでお手軽で楽しい。
が、グラフィック以外の細かいところではほぼ負けている。

走るのが早くなるのが遅すぎて単調になりがちだし、『Temple Run』は走るのが早くなると手に入るお金も増えたが、そういった報酬がない。
チャレンジの中には「オフィスを探せ」など特定の建築物を探すミッションがあるが、かなり運任せ。
スタートしてすぐに見つかる事もあるし、まったく見つからないでさまようこともある。
倉庫地帯、オフィス地帯など複数のステージがあるのだから、標識などでわかるようにしても良かったと思う。
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▲建物探しは最短で300yd地点だったり、3000ydだったり。

また、ステージによって目立った差が少ないのも気になった。
『Temple Run』は「崖地帯は左右の壁がなく道が狭い」など、場所によって特徴があったが、このゲームでは場所による変化は単純な難易度の上昇のみで、あまりない。

アイテムの「HEAL」は体力を回復するが、時間でもかなり回復するので実質的に無意味。
空を飛ぶ「MOVIE」と無敵になる「SHIELD」の差もあまりないなどゲームとして詰めが全体的に甘い。
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▲MOVIEは空を飛んで無敵、SHILEDは地上を走って無敵。ほぼ同じ。

170円で「PRO版」にアップグレードが可能だが、1回きりの使いきりアイテムが購入できるようになるだけなのであまり意味が無いのも気になった。
ミッションで「得点をfacebookにポストしろ!」など、拡散やレビューを要請する(報酬もある)のはせめてPRO版では無償で飛ばせても良かったのではないだろうか。
一応、DTを支払うことで飛ばすことはできるが。
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▲無料ならわかるが、PRO版でこれは勘弁。

と、ずっとけなしている気がするが、実際にはいろいろ惜しいゲームではある。
グラフィックに力を割いている事を生かし、大量にあるステージに特色をもたせたり、時間の変化とともに新しいステージへ進んでいくチャレンジモードにストーリーを持たせるなど(意味有りげにステージが進むが、何もストーリーはない!)すれば違うゲームとして評価されただろうと思う。
グラフィックにかけた労力を、ゲームの方にも少し分けて欲しかったところだ。
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▲ステージは豊富なのに差別化がいまいち。

結果として、面白いけどもグラフィック以外にパクリ元に勝てるところはないので、世紀末風の『Temple Run』がやりたいか、気分を変えたいときにプレイするゲーム。
無料にしては面白いが、コピー品なので評価は1段落として2.5で。
うーん、コストパフォーマンスはいいのとレビューに報奨があるのでAppStoreの高評価はわかるが、なぜ一部メディアで絶賛されているかよくわからない。

TheEndAppの詳細・DLはこちら(itunes)

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