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レビュー:Nihilumbra 夜、静かな場所でプレイしたい雰囲気ゲー。

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タイトル Nihilumbra
ジャンル アクション
価格 250円
アプリ内購入 なし
日本語対応 なし
販売元:BEAUTIFUN GAMES | Version:1.1 | GameCenter:なし | 対応機種:iPhone / iPod touch / iPad |レビュアー:トシ
評価:3.0(面白い)
寂しげな雰囲気がある音楽とグラフィック
演出とマッチしたストーリー
ゲームのシステムと演出がマッチしている
1ステージが短くサクサク進む
ストーリーが英語。
突然生まれ落ちた謎の黒い影「Born」が、広大な世界「Nihilumbra」を探索していくアクションゲーム。
自分をおいつつける「Void(虚無)」から逃げつつ、荒廃した世界を冒険する間に「Born」は何を見つけるのか。
とにかく秀逸なのはその世界観の表現。

世界で雪や砂嵐などの自然だけが動いている世界はどこを切り取っても動物の気配がなく、見ているだけで寂しくなる。
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うす暗い洞窟。
よくよく見ると、絵にも粗があるのだが、全体的にしっかり演出されているのでそれを感じさせない。
細かいアートではなく、音や画面全体の雰囲気が上手く作られている。
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ストーリーは全て文章で語られ、画面が切り替わるたびに語りかけるように展開される。
その自然な雰囲気は画面を切り替える操作がページをめくって物語を読んでいるように感じられるほど。
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▲プレイの邪魔にはならず、語りかけるように挿入されるストーリー。

控えめな音楽と、環境音は荒廃しきった世界もうまい。
音が出ることでよりゲーム自体もわかりやすくなるし、味わえるように作られているのだ。
これでヘッドホンでプレイするとサラウンドで聞こえたりしていたら、もう満点だったのだが、それでなくとも十分素晴らしい。

ゲームは左右キーとジャンプ、そして5色の色の力を使って進んでいくアクション(傾け操作もあるが、はっきり言って操作性は悪い)。
青は氷、赤は炎など色にあった力を持っており、パレットから絵の具を選択するように選び、画面に塗ることで力を発揮する。
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▲重い箱も、下に青色を塗って氷で滑らせれば…。

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▲この通り、滑らせて運ぶことができる。

色の組み合わせでステージ上のギミックを解いていくのはパズル的で、アクションは激しくない。
難易度も簡単で、頭は少し使うけれども雰囲気を味わう邪魔をしないで楽しませてくれる。
細かくセーブポイントが用意されており、ミスしても何度でもやり直すことができるのでやり直しも苦にならない。
さらに色の演出がストーリーにも取り込まれており、ゲームシステムすら「雰囲気」の一部にしてしまっている。
そのため、演出に酔いながらプレイしているうちに主人公と一体化したような気分になり、いつの間にかゲームに入り込んでしまうようにできている。
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▲孤独に進む主人公になぜか感情移入してしまう。

グラフィック・音・ゲーム、全てを雰囲気を出すという方向性で一致させ、高めたのは見事。
実際に雰囲気だけで最後までプレイしてしまった。
ただし、裏を返すとゲーム部分だけで見ると普通で、演出だけに絞っているということでもある。
生粋のアクションゲーマーには納得行かない部分もあるだろう。
あなたが雰囲気重視なゲーマーならば、夜が更けてきた頃、静かな部屋で浸りながら遊ぶのにぴったり。
評価は3.0だが、英語がわかれば3.5で。

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