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レビュー:コトモン アイデアを活かせていない微妙ゲー。

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タイトル コトモン
ジャンル アクション
価格 350円
アプリ内購入 なし
日本語対応 あり
販売元:Monsters | Version:1.0 | GameCenter:なし | 対応機種:iPhone / iPod touch | レビュアー:トシ
評価:2.5(価格通りに楽しめる)
独特の雰囲気
仲間による理不尽なゲームオーバー
近距離の敵を狙いづらすぎる
側面が見えないため、奇襲で死ぬ。
「ツキにたどり着くと、願い事が1つ叶うらしい」
ヒトリボッチの主人公「コトモン」が月に向かう。
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音と光の電飾パズル『ルミネス』の発案者で、『Child of Eden』のメインクリエイターを務めた小寺攻氏が設立した新会社「Monstars」の設立第1作。
関わった有名作品は「音」と「ビジュアル」をシンクロさせたゲームで、独特の芸術品的な雰囲気。
『コトモン』もその系譜に連なる作品ということができるだろう。

ゲームは「コトモン」が仲間を「キャッチ」して持ち上げ、「シュート」で投げつけて敵を倒していくアクションシューティング。
移動は指をスライドさせるだけで、移動操作は快適。
道中にある卵を転がして孵化させ、仲間を増やしていく。
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仲間に向かって移動すると、自動的に持ち上げて「キャッチ」。
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1回指を離してタップするとコトモンの正面に向かって仲間がシュートして投げつける。
仲間は敵を強力に追尾しながら進むので、大体の方向さえ合っていればOK。
雑魚を大量に巻き込むとコンボが発生し、得点が増え、ウルトラコンボまで行くとコンボを叩きだした仲間のカットインが挿入される。
敵が次々倒れていくさまはなかなか爽快。
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仲間にはコンボが発生しやすい「アオダマ」、射程は短いが威力がある「メタボウ」、持っている間に火を噴く「ドラゴ」などの種類があり、状況に応じて使い分けると楽になる。
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体当たりで敵を倒す、無敵っぽい仲間たちだが、攻撃を受けると「Help!」とメッセージを出して倒れることがある。
この時はキャッチしてあげる事で再度動けるようになる。
また、道中にある赤いマルを食べさせると、敵の攻撃に強くなるので、よく使う仲間はパワーアップさせておくと良い。

また、仲間はステージ開始時に最大5名まで選んでつれていくことが可能。
ステージ選択前の不思議な場所(?)で焚き火を囲んでいる仲間を「シュート」するとメンバーからはずれ、右下のホルンマークをタップするとメンバーに入る仕組みだが、説明がないので一応ここで書いておく。
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そうこうして、ステージ奥の焚き火までコトモンと仲間全員がたどり着くとクリア。
画面右下に敵のマークが表示されているステージでは敵を倒さないと焚き火が出現しないが、殆どの場合において敵を全滅させないと事故死のもとになるので、実質的には「全て敵を倒して焚き火にいけば」クリアといってもいいぐらい。
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これを繰り返してツキにたどり着くまでプレイする。
仲間をシュートしてコンボを出すのは楽しいけども、それ以外はどうにもストレスフル。

まず、シュート時の方向が定めづらい。
敵が離れているときは強力な追尾があるが、近距離になると移動してよけながらシュート時だけ正確に方向を合わせる必要がある。
しかし、指を離してもう一回タップする操作のため、どうしても方向がぶれる。
近距離の敵を倒すのが面倒なのはもちろん、仲間をステージ外に向けてシュートしてしまうと即ゲームオーバーのため、画面端が近い時に戦うとシュートするだけでゲームオーバーになることも。
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画面のカメラ視点もイマイチで、常に画面奥に向かってカメラが固定されているため、側面の見える範囲が非常に狭い。
順路を探しだして、それに従って敵を全滅させて行かないと不意に側面から出てきた敵に倒されてしまうことが多い。

一番気になったのは、仲間が溶岩などに落ちてもゲームオーバーのわりに、簡単に仲間が落ちすぎること。
コトモンが少し触れると大げさに動くため、細い道でコトモンと触れて落ちたり、コトモンが先に行き過ぎて画面外で勝手に落ちていたり。
最初はなぜゲームオーバーになったかわからなかった。
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ゲームのグラフィックは粗いものの、光のエフェクトがきれいで雰囲気は良い。
また、コトモンが歩く歩幅にあわせてリズムが刻まれるあたりは『ルミネス』や『Child of Eden』の影響を感じる。
が、ゲームと音がシンクロするようになってはおらず、雰囲気作り以上のものではない。

コンボは楽しいが、ステージが短すぎたり、敵の配置が微妙だったりでコンボを存分に楽しむことも難しい。
全体に「縦持ち、指一本で完結する操作にしよう」と考慮した様子が伺えるが、哲学の押し売りをするぐらいなら操作オプションで「シュート」ボタンぐらい出せるようにして欲しかったところ。
つまらないわけではないが、アイデアが活かしきれていない苦しいゲーム。

現在350円のところ、リリースセールで250円となっているが「雰囲気だけで買えるなら」という感じ。
現時点では積極的におすすめはできない。

コトモンの詳細・DLはこちら(itunes)