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なぜ偽アプリが出まわるのか。それはAppleがやるべきことをしていないからだ。

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ポケモンがiPhoneでプレイできる!?
実際は単なる詐欺アプリだった『Pokemon Yellow』(ストアから削除済み)は大きな話題を呼び起こし、ポケモン株式会社から「ポケモンは偽物と戦い続ける」という声明がでる(Pocket Gamerへ)ほどの騒ぎになった。
実のところ、こうした問題は氷山の一角である。

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例えば、右は有名は『Temple Run』、左はその偽物『Temple Gun』。
わかりやすいほどにコピーである。
Temple GunはUSの有料ゲーム7位、売上51位に達した後に消えた。

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こちらはAppStoreにはリリースされていない『ZUMA’S REVENGE』のパクリアプリ『ZUMA REVENGE DELUXE』。
ゲームに限らず、App Storeに偽アプリ、Appleの審査通り抜ける -INTERNET Watchにある通り便利系アプリでも似たようなことが成立している。

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世の中、思った以上にメーカーを見ないで購入してしまう人間や、偽物でもプレイしたい人間に溢れているのである。
偽アプリを正式なシリーズ作品と勘違いするユーザーもおり、メーカーも、ユーザーも被害を受けている状況だ。

さて、なぜこれらが出てきてしまうのか。
1つには簡単で商売になるからである。
最初に書いたPokemon Yellowは4.99$だったが、その時点でレビューは500近いレビューがあり、一時期はトップチャート20位まで登っていた。
前述のZUMA REVENGE DELUXEもセールでUSのトップチャート200以内に入っていた。
偽アプリを作るメーカーの国では通貨レートの差もあって十分すぎるほど金になる。

もう1つはAppleの対策が不十分なためだ。
今月初めに大量削除時に「今後は偽物アプリを厳しく取り締まる」と言っていたが、相変わらず偽アプリが審査を通るザルぶり。
また、問題のあるアプリを報告する機能があるが、かなりitunesを使い慣れている私ですらGoogleで調べなければその機能を見つける事が出来なかった。
到底、まともな対策をとっているようには見えない。

権利関連をチェックするのは大変だ。
が、権利の背後関係をきっちり調べなくとも、ユーザーからの苦情が一定数を超えた段階で公開を一時停止にしたり、ベストレビュアー制度を導入してアプリレビューの質を確保するなど偽物からユーザーや開発者を守るなどのシステムは考えられる。
もうすでに、AppStoreの規模はフリーマーケットではない。
金になる限り中国などから偽アプリが出てくるのは避けられないのだから、これに対策をするのはAppleの役目だ。
今年後半にiTunes Storeをリニューアルする予定?(MAC お宝鑑定団)とあるが、これに海賊版対策も入っていることを切に願う。

最後に、もう1つ。
権利関係を審査でチェックが大変で対応が後手に回るのは仕方ないとしても、Appleの対応は権利に対して敬意を全く感じない。
先日、Appleがフェイクアプリを大量削除したと発表があった。
確かにPopcap社の『Plants vs Zombies』の偽物を始め、さまざまなものが削除されていた。
しかし、Popcapのもう1つの看板ゲーム『ZUMA』(AppStore未リリース)のコピー品は一切削除されていない。
当然、ZUMA REVENGE DELUXEを始めとしたフェイク作品は無傷で生き残っている。
つまるところ、AppStoreで発表されていない作品に関してはAppleはあまり守ってくれない。
もう少し、クールな企業として誠意を見せて欲しいところだ。

なお、Androidに関しては人気アプリのフェイクどころか、リリース直後に完全にコピーして別メーカーからリリースされてしまうさらに恐ろしい無法状態である。