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レビュー:BackStab

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タイトル:BackStab
ジャンル:アクション
価格:800円
販売元:ゲームロフト | Version:1.0 | GameCenter:実績対応 | 対応機種:iPhone/iPod touch/iPad

トシの評価:2.5(価格通り楽しめる)
+軽快に操作できる
+自由に動き回れる広いマップ
+通行人のアクションまで作り込み
-バグが多い(そして、たまに落ちる)
-オープンワールドは期待したほどではない

BackStabの詳細・DLはこちら(itunes)

舞台は18世紀後半のカリブ海、地位も名声も家族も奪われた男の復讐の物語。
簡単操作でアクロバティックなアクションを楽しむことができる。
iPhone 向けのゲームとしては屈指の広いフィールド、一般人まで切り倒せたり、薬草を摘んだりと本筋と関係ないこともできるオープンワールドっぽい要素があるのも特徴。
800円分のボリュームや作り込みはあるが、バグや中途半端な点も目立つ。

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卑劣な裏切りに会い、イギリス海軍の将校の地位・名誉、そして家族も奪われてしまった男の復讐劇。
18世紀のカリブ海を舞台にしたオープンワールド系のアクションとして大々的に宣伝されていた。
久々にオープニングムービーも入る力の入れようだ。

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市街地・ジャングル、自然あふれる島など複数マップが存在し、市街地なら屋根伝いで忍者アクションが楽しめるし、島ならば馬に乗って縦横無尽に駆け回れる。
同じ街でも火山地帯では上下の移動がより重要になったりと差別化も十分。
昼から夜まで時間の経過と共にグラフィックが変化するし、ゲーム中の通行人や出現する兵士の数なども多く、画面も賑やかだ。

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また、オープンワールドということで娼婦とイイ事をしたり、道にある薬草を取ったりとマップ上に本筋と関係ない遊びが散りばめられている。
ギャングスターのように馬を盗んだり、街の一般人を攻撃したりすることも可能。
もちろん、ギャングスターで警官が襲ってくるように、衛兵がどんどん襲ってくる。

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アクション面では、忍者のような動きでフィールドを動き回れる。
壁に向かって走るだけでかなり壁を登れるし、屋根から屋根への移動も十字キーとジャンプボタンで思うまま。
敵の頭上や背後をとると攻撃ボタンが赤く光って一撃で倒せる一撃必殺のシステムもあり、ステルスアクション系の動きが可能だ。
ゲームロフトのアサシンクリードを洗練したような感じで、軽快で操作が楽しい。

戦闘シーンでは銃と剣を使って戦うが、メインは剣。
銃は時代設定に合わせた小物程度。
屋根伝いに移動したり、敵と戦っているとリベンジゲージが貯まり、周囲がスローになって自分だけが早く動けるリベンジモードが使えるが、戦闘の難易度は低いのでごく一部のボスで使うぐらいだろう。
どちらかというと、手軽に敵を蹴散らせる爽快感に重点が置かれている。

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このゲームは評価が難しい。
ゲームロフトが出してきたアクションゲームの良い点と悪い点が顕著に出ているからだ。
まず、良い点はボリューム。
広大なステージで使い回し感がないボリュームはさすがゲームロフト。
アクションはアサシンクリード アルタイルクロニクルズのようなステルス・アクロバティックアクションと一撃必殺、ギャングスターのようなオープンワールドを実現している。
豪華幕の内弁当のような内容だ。

Backstabではそれぞれの内容をうまく融合しており、チャンバラが続いて飽きることもないし、かと言ってフリークライミングが続きすぎて飽きることもない。
アサシンクリードのように難易度が高くて投げ出すこともないし、移動のスピードも全体的に早く、ストレスが少ない点は素晴らしい。
目的地ナビや全体マップも親切、ステージも広くて開放感がある。
演出面も悪くはなく、800円という価格は納得出来る。

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ユニバーサルアプリというのも地味に良い点。
iPad2 でプレイしたところ、オブジェクトのモデルからテクスチャ、光源まで全てがグレードアップしていた(画像を拡大すると確認できるだろう)。
実際にプレイしてみると目に見えてきれいになるので、iPad を持っていれば、そちらでプレイしたほうが楽しめるのは間違いない。

悪い点は中途半端さ。
ゲームロフトのゲームは過去、○○っぽいというゲームが多かったが、見た目は取り繕っていても中身が中途半端なことが多かった。
前半がよく出来ているのに後半はいまいちだったり、ストーリがイマイチなことも多い。
それらは全て出てしまっている。

アサシンクリードっぽいアクションは良いが、それを楽しませるギミックの豊富さは欠けている。
ミッションの種類が少なく、このゲームのシステムを活かしきっていない。
また、オープンワールドスタイルを取ってはいるが、家を買ってもそこで寝られるだけ、薬草をとってもただ売れるだけ、隠し宝箱が多いが、やはりそれも多少金になるぐらい。
プレイヤーが望んでいるのはオープンワールドでいろいろなことができて、ゲームに影響してくるか、究極までこだわっているのに無意味(食料を集めまくっていろいろな弁当を作れて、しかもそれが食べられるとか)かのどちらかで、浅すぎるオープンワールドは飽きてしまう。

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ストーリーも中途半端。
男の復讐の物語と大々的に宣伝するならばもう少し復讐の要素を強調しても良いと思うし、また最後があっさり過ぎる(それでもカットシーンが多めで、ゲームロフトとしてはよく出来ているという評価もできるのだが…。)。
演出にしても序盤はいろいろな演出があって良いが(砲撃で足場が壊れていく場所とか、豪華な演出が多い)、そこが演出のピーク。
もっと面白くなれるのに、中途半端で終わっている感が本当にもったいない。

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そして、最後にオープンワールド系にありがちなバグの多さ。
床をすり抜けてしまったり、突然周囲が青空になって移動困難になるバグ、落ちるバグなどが iPhone3GS、iPod touch 4G どちらでプレイしても見受けられた(iPad2 でプレイしたときは少しバグ発生頻度が少ない気がしたが、実際はわからない)。
プレイを投げ出すほどの頻度で発生するわけではないが、気になる点だ。

オープンワールドでなくともミッション内容を作り込んだり、演出を作りこんでくれるか、逆にオープンワールドで1つの街をきっちりつくりこんでくれればもっと名作になれたと思うのだが…。
お手軽に軽快なアクションが楽しめるアクションゲームとしては良いが、いろいろな理由でゲームロフトの触れ込み通りとはいかないゲーム。
良い点、悪い点を把握した上であれば買っても良いだろう。

BackStabの詳細・DLはこちら(itunes)