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レビュー:源平大戦絵巻 ~白の波濤、紅の雲霞~

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タイトル:源平大戦絵巻 ~白の波濤、紅の雲霞~
ジャンル:RTS(リアルタイム戦略ゲーム)
価格:1200円
ディベロッパー:セガ | Version:1.0 | GameCenter:実績対応 | 対応機種:iPhone/iPod touch/iPad

トシの評価:2.5(楽しめる)
+絵巻物風、平安風にこだわった演出
+豊富なユニットとボリューム
+熱い対戦
−早送りがない
−blue toothしか対戦をサポートしていない
−定価が高い(6/12現在、まだ1度も定価になったことはないが…)

源平大戦絵巻 ~白の波濤、紅の雲霞~の詳細・DLはこちら(itunes)
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このゲームは源平合戦を「平家側」で戦い抜く、ディフェンス系のリアルタイム戦略ゲーム。
「カード収集」して「デッキ構築」を行い、そのカードを盤面に配置して動かす戦略性が楽しい。
グラフィックは平安時代の絵巻物のようで、人形劇や歌舞伎の見栄などを研究していると思われる動きもマッチ。
BGM は平家物語の弾き語りというこだわりようで、この演出だけで一見の価値あるほど。
値下げ中の価格350円〜450円だと妥当と思えるが、定価1200円といわれるとその価値はないので値段に注意して購入を。
ただ、ハマれば高くても許せてしまう雰囲気があるので、まず無料版は絶対試してほしい。

※アップデートに伴いレビュー:源平大戦絵巻 ~白の波濤、紅の雲霞~ Ver1.2.2に最新レビュー有り

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かつて、これだけ「古典和風」を押し出したゲームがあっただろうか。
いや、ない(反語)。
まず、絵巻物風のグラフィックがプレイヤーの度肝を抜く
表現が古いのに斬新。

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音楽は琵琶に、平家物語の一節が詠われるという徹底した統一感
ゲームの展開に応じて激しくなり、これが思った以上にマッチしていてプレイしていて違和感がない。
この独特の世界観は、これを見るためだけに無料版をDLしていい、と断言できるほど。

セガといえば技術やアイデア先行で「すごいけど、売れなさそう」というのを繰り返してきたメーカーだが、近年はおとなしくなってしまい、源平大戦発も「どうせ戦国無双のように線の細い美系の武将が戦うゲームなんだろうなぁ」とちょっとうんざりしていた。
が、期待せずにダウンロードしてみたら美形のかけらもない絵巻物世界。
売れ線かそうじゃないかで言えば絶対に売れ線じゃない、この「流行りに乗らないぜ」という感を嬉しく感じてしまった。
AppStoreは安く気軽に色々試せるわけで、一発ネタでも興味を持ってもらえればDLしてもらえる市場がセガ魂と相性がいい…のかもしれない。

(動画は逆にすごすぎたゲームの一例、昔はこれが街のゲームセンターに普通に…。)


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ゲームの基本は右側から敵が攻め寄せて来る源氏の軍勢から本陣を守り抜く、ディフェンス型のゲーム。
だが、ゲームを開始する前に手持ちのカードを使ってデッキ(ゲーム中に使われるカードのセットのこと)を作るトレーディングカードゲームとの融合型である点が特徴。

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カードにはそれぞれコストが決まっていて、決められたポイント内に収まるようにするのだが、これが悩ましい。
64種あるカードをどう組み合わせるかもそうだが、重要なのは枚数。
ゲーム中に手札を補充するには2秒に1銭ずつ貯まる「銭」が必要で、ゲーム中にデッキのカードを使い切るとそれ以上カードが引けなくなる。
デッキにコストが高いカードばかりを入れると銭が余ってしまう状態になるし、枚数が多すぎるとカードが余って銭が足りなくなる。
さらに困ったことに、銭は後述の「移動」にも使うのでそこを考慮するとまた悩むことになる。
デッキ構築がまず楽しい。


続いてゲーム部分。
プレイヤーは3枚の手札でスタートし、5×5のマスの中にカードをドラッグするとカードに応じたユニットが配置される。
タワーディフェンスと同じように、ユニットは攻撃範囲に敵が来ると自動で攻撃を開始するが、敵の攻撃で倒されることがある(このあたりはPlants vs Zombiesを想像すると近い)。
最大の特徴は「移動」が可能なこと。
銭を払うことでユニットがマスからマスへ移動可能で、戦況を考慮して避難させたり攻撃させたりすることができる。
移動はそんなに早くないので、移動したはいいが援護が間に合わなかったりすることも。
先を読む能力が必要になるのでプレイヤーの戦術が問われる。
移動があることによって、タワーディフェンスというよりもリアルタイム戦略ゲームと言ったほうが近いゲーム性になっている。


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ゲームモードは1人用のキャンペーン・エンドレスと対戦モードの3つ。
キャンペーンは全20の戦場それぞれ5つの難易度が用意され、全部で100ステージの大ボリュームで、迫り来る源氏の軍勢から対象を守りきれれば勝利となる。
戦場ごとに新しいカードが登場し、全てのカード能力と対処法が徐々に学べる仕組みで初心者にも優しい。
基本的にはコストの高いユニットが強いのだが、キャンペーンはカードを集めながら戦うので「弱い手持ちカードをいかにうまく使うか」という工夫が楽しい。

エンドレスは文字通り、無限に湧いてくる敵を相手に戦うモード。

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対戦モードは守るだけでは勝利できず、相手陣地に進軍して大将を倒す「攻撃的要素」が加わりゲーム性は完全にリアルタイム戦術ゲーム。
攻める必要があるため、1人用とはカードの使いかっても大幅に変わり、段違いに戦略が要求される。
セガの人気アーケードゲーム三国志「大戦」に連なる「大戦」ブランドをつけ、そのスタッフが関わっているとあってプレイしてみるとかなり楽しい。

genpei11
ここまでだいぶ褒めてきたのだが、難点も結構ある。
各戦場の序盤は展開がゆっくり過ぎるので早送り機能は欲しかったところ。
対戦も楽しめるのに、オンライン対戦がなくblue toothのみと寂しい。
ゲームが長めなのと、難易度の上がり方が緩やかすぎる(その上で戦場が変わるとまた難易度が下がる)のでゲーマーは結構だれるかもしれない。
楽しみながらできるチュートリアルとしての機能が前面に出過ぎている気がする。

genpei07
無料版と有料版があるが、無料版は最初の20ステージしかプレイできない以外製品版と同じ(アドオンで有料版と同じにすることも可能)。
アドオンでカードを購入できるが、追加課金なしでも十分楽しめ(課金はどちらかというと対戦用カードを手っ取り早く集めたい人向け)、体験版だけでも十分なボリュームがあるのでプレイしてみて損はないはず。

下記は公式の動画。