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レビュー:惜しいFFっぽいRPG インフィニット レガシー

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タイトル:インフィニット レガシー
ディベロッパー:ゲームロフト
プレイ時Version:1.0.0
ジャンル:RPG
価格:600円
インフィニット レガシーの詳細・DLはこちら(itunes)

多彩なジャンルを網羅するゲームロフトから出た和風のRPG。
プレイステーション時代からのFFをモデルにしているにしているらしく、その影響が随所に見られる。
全体としては「残念なFFっぽい」から抜け出せていないが、FFっぽいを楽しむことはできる。

驚愕のグラフィックを見よ!
まさか3Gも対応でこれだけのグラフィックを見せるとは全く思っていなかった。
グラフィックについては背景が3Dなことを考えるとケイオスリングスよりも上(ケイオスリングスは背景3D)。
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ゲーム開始の闘技場だけでも圧倒的。

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俯瞰で映し出される都市の姿もこの通り。
残念なことに、3Gではかなりカクカクになってしまうのでおすすめできないが、なかなか見応えがある。
iPod touch4GやiPhone4世代であればロード時間もごく少なく快適だ。

ゲームロフトのFF
このゲームは発表の時から「JRPG」ということが強調されていた。
JRPGとは、キャラクターが細身で美形が多く、ストーリーが一本道で…というファイナルファンタジーのような「日本的」RPGの総称。
実際、情報サイトでは「ゲームロフトのFF」と言われ続けてきた。
プレイしてみると納得。
FF7や8あたりを頑張って真似したRPGとなっている。

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FF8と比較するといかつい気がするが、海外発にしてはキャラクターの造形や格好に努力の跡が伺える
(実際、開発陣はキャラをもっとムキムキのおっさんにしたかったらしい)
プリレンダのムービーはないものの、キャラクターの人形劇も十分見られるレベル。
主人公がヒロインに惚れたり、自分の運命に葛藤するストーリーもやはり「日本的」を意識しているのだろう。

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バーチャルスティックで3Dのフィールドを移動し、トカゲのような乗騎もいる。
乗り物に乗ってレースするミニゲームもあれば、飛空艇も出てくる。

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キャラクターの装備やカスタマイズシステムも日本的。
ヴァーシュと言う特殊なアイテムを装備品に装着することで様々なアビリティを使えるようになり、個性的な自分だけのキャラクターを育てることが可能(※リンク先の一番下の文章参照のこと)で、システムもどこかで聞いた感じ。
実際にプレイした感覚も「日本発のRPG」っぽい。

戦闘も日本式
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戦闘もFFでおなじみアクティブタイムバトル。
主人公は手動、仲間キャラクターはAIと手動を選んでコマンド入力で戦う。
FFのようなアングルで演出があり、勝利すれば全員が勝利のポーズを取るのは「ああ、日本のお約束を真似てるな」とニヤリとする。

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戦闘をしているとゲージが貯まり、超必殺技が使えるのはリミットブレイク。

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そして、やはりFFでおなじみの召喚魔法もこの通り。
実際にプレイしてみると馴染み易く、かつ操作にもストレスがない。
演出もかっこよく、この面ではかなり完璧に真似したと言える。

上っ面はなぞったが…
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と、ここまで日本風に良いところを書いてきたが、あくまで最初に書いたとおり「頑張って真似している」というレベル。
メインヒロイン以外は「お約束」に則りつつどこかで見たキャラを垢抜けなくした感じだし、ストーリーに関しては特にお粗末。
「とりあえず定形キャラを詰め込んで恋愛や運命、葛藤とか入れておけばいいだろ」
と言った感じで、「なんとなく父である大統領に反抗して犯罪者になってしまうヒロイン」「全く兆候もなく愛の告白」などなど、常時疑問の嵐。
結果的に「ああ、退屈と思っていたあのゲームの会話シーンって必要だったんだ」と気付かされたたぐらい前説明がない。

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やたらと数値がインフレする戦闘もイマイチ。
主人公がゲージを貯めて使う最強の技でも雑魚敵が1発で倒せないぐらいHPが多い。
操作自体は流れるようにできるのでシステムにストレスは無いが、戦闘バランスには難有りだ。

セーブポイントが限られている上に、セーブしないでアプリを落とすと(マルチタスキング対応だが、他のアプリを立ち上げた後にプレイすると起動しなおしになることが多い)最後にセーブした地点からやり直し。
エンディング超あっさりで薄すぎるストーリーや垢抜けないキャラクターなど、「ユーザーが望む細かい点は見えていない」感じ。

楽しむことはできる
と、難点を書いていったがゲーム自体は破綻していないし、グラフィックと演出は素晴らしく、楽しむこと自体はできる。
FF7~8ぐらいをモデルにしている感じで、「最近のFFっぽい」をiPhoneで楽しめるのはポイントが高い

さらにゲームロフトが培ってきたiPhoneでの操作性、マップや行き先を常に指示してくれるガイド機能のおかげでプレイしやすさで言うとピカイチ。
システムのストレスという面はセーブポイント以外はない。

欠点と長所が相殺してちょっとマイナスぐらいだろうか。
「FFもどき」をプレイしたいのであれば楽しめるRPGに仕上がってはいる。

トシの評価(5段階)
いろいろ突っ込んでしまったが、ゲームとしては破綻していない。
日本語だし、グラフィックはいいし、戦闘中の演出もいい。
個人的には西洋と日本の良いところが合体して新しいスタンダードが生まれることを期待していたが、ちょっと失敗したFFになったのは残念。
個人的には、この経験を活かして全体を強化した次のJRPGを見てみたい。
なお、大作と銘打っているがプレイ時間は7時間弱。

総合:2.5(楽しめる)
+3G対応にしてはかなり良いグラフィック
+FFっぽい
+戦闘の演出などが良い。
+ガイド機能が親切
-戦闘が長すぎる
-ストーリーが薄すぎる
-キャラが垢抜けない
-エンディング超あっさり
-途中でやめづらい

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