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レビュー:日本人向けの安定感 カードRPG デッキメイク勇者

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タイトル:デッキメイク勇者
ディベロッパー:Beeworks
プレイ時Version:1.0
ジャンル:カードRPG
価格:450円

『デッキメイク勇者』は、武器や魔法をカードから作り出す世界を舞台にしたファンタジーRPG。
プレイヤーは魔法の力を持ったカードで「カードの束=デッキ」を作り、戦っていく。
きめ細かいドット絵と、日本人受けしそうなきれいな絵もあって非常に入りやすいゲーム。

デッキメイク勇者って?
プレイヤーは武器や魔法をカードから作り出す【カード使い】となり、王の命を受けてモンスターの退治に乗り出す。
この『デッキメイク勇者』の『デッキ』とはカードの束のこと。
防御、魔法、武器、それらを補助するものなど、多種多様なカードの中から最大20枚を選んでデッキを作成すると、それに応じて勇者の能力が変わる寸法だ。

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デッキを作成したら、街へ繰り出し、武器防具を購入し、ギルドでモンスターの情報を仕入れて討伐していく。

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モンスターに勝利するとお金がたまり、街でまた新たなカードを購入して勇者を強くする。
そして新たにデッキを作成してモンスターと戦う。
基本的にはこの繰り返しとなる。
経験値=お金、LVUP=新カード購入という形のRPGだ。

専用機のゲームばり
私が思うに、このゲーム最大の魅力はそのグラフィックと作りの丁寧さだろう。

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戦闘のドット絵やアニメーション、先に進むごとにかわるギルドの看板娘、街の背景…全てのグラフィックが日本的。
そしてDSやPSPのゲームのようにきっちり描かれているのだ。
ゲームとしては言ってしまえば普通のゲームなのだが、このグラフィックの安心感は大きいと思う。

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さらに、操作の説明も非常に親切。
全てのアイコンに説明が施され、カードの効果や街での操作に悩むことが一切無い
専用ゲーム機に向けて、細かいところも気を配って作っていあるのが伺える。
プレイしているときの感覚も専用機のゲームそのもの。
グラフィックと合わせてこの安定感は素晴らしい。

RPG寄りのゲーム性
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このゲーム、ご覧のとおり大量のカードがあり、デッキも作成しやすいインターフェースなのだが古いカードはまず使わない。
扱いとしては「RPGの武器防具」に近く、新しいカードは大抵全てにおいて古いカードよりも強いからだ。
ゲーム自体も特殊なカードの組み合わせで連携技を決める、というよりもより強いカードを買って弱いカードと入れ替えるというRPG的展開になる。

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カードはそれぞれきっちりアニメーション、カードのグラフィックは描き分けられていて新しいカードは使うこと自体が楽しいのもRPG的だからだろう。
鉄の剣から鋼の剣に入れ替えたときのわくわくが数値だけでなくアニメーションと共に迫ってくるのは非常に良い。

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もちろん、コンボがあまり無いからと言って戦略性がないわけではなく、敵のタイプに合わせてカードを使い分ける使い分ける程度の戦略性はある。
コンボを探してひたすら頭を悩ませるカードゲームではない、ということだ。
カードゲームを期待している方はちょっとがっかり、RPGを期待されている方は逆にすんなり入れるかと思う。

素質はいいがあと一歩
ここまで述べてきたように、このゲームは「装備がカードに置き換わったRPG」と考えると普通に楽しむことができる。
グラフィックや親切さもあって安定感があるし、プレイしてみるとボリュームもかなりのもの。
だが、あと一歩いろいろ足りない。

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例えば、移動するのにいちいち引っかかって無駄に広いマップ。
すべての操作で決定にダブルタップが要求されるのも、iPhoneのゲームの中では異色で、面倒に感じる。
あまりにもコンボが少なすぎるカード類。
RPGに寄せているのはわかるが、もう少しは工夫してみたかった。

戦闘も勝てるようになると単調になってくるので、敵が宝を落としたり少し工夫があると良かったのではないか。
素質が良いだけにちょっと勿体無い気がする一作。
記事執筆時点で350円に値下げしている上、次期バージョンで操作改善、演出のテンポアップをするそうなので、カードゲームではなく、手軽なRPGを求めている方なら買ってみてもいいと思う。


トシの評価(5段階)
コアゲーマーでなく、ライトユーザー向けの作品。
なので、「カードで戦略大好き!」という方にはおすすめしない。
カルドセプトでぴんと来る方は控えたほうがよい。
逆に「安心してプレイできる手軽なRPGがやりたい」というなら楽しめるはず。
もう1歩が全て解消されれば幅広くおすすめできるのだが…。
開発元も専用の公式ページを準備し、チュートリアル漫画を用意しているぐらい力を入れているので、今後のアップデートも期待したい。

総合:2.5(楽しめる)
+きれいなグラフィック
+親切丁寧なガイドと迷わない操作
+多彩なドット絵アニメーション
-カードの戦略幅が小さい
-演出や操作のテンポが悪い。

デッキメイク勇者の詳細・DLはこちら(itunes)