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2010年iPhoneゲーム大賞候補を語る12【The Incident】


こちらでノミネートされている大賞候補を全て語ろうという無茶な企画第9回。
非常に個人的な感想を垂れ流していくレビューとは違った企画。


今回はtaromagazine さん推薦のThe Incident
(タイトルクリックで紹介記事へ)

当サイトでのはレビュー記事はまだないが、絶対行う予定。
このゲームとの出会いは「今回の企画をやってよかった」と感じさせるほどのものだったからだ。
とにかく、このゲームについて語っていきたい。

正直に言うと舐めていた
The Incidentはひたすらに落下してくるゴミをかわして上に登っていくゲーム。
タップでジャンプ、左右の傾きで移動ととにかくシンプル。
私はこのゲームを見て最初に感じた恥ずかしい感想を正直にここで告白しよう。
「大賞といいつつ、馬鹿ゲーでお茶を濁したのかな?」
だ。

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1~2ステージプレイしてみても、「誰がこんなゴミを捨てたんだよ!」と笑いながら楽しむカジュアルゲームにしか見えなかった。
毎ステージ、毎ステージゴミが変わっていく芸の細かさや、アイテムが増えていくのは飽きさせない工夫としてはいい。
それでもせいぜい良作、といったところだ。
かなりのゲーマーと睨んでいたtaroさんが大賞に推すゲームとはとても思えなかった。

逆転の瞬間
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さて、舐めていたとは言いつつも私はゲームを進めていた。
3面を過ぎると難易度が上がり、ゲーマーでも結構楽しめるようになってくる。
それに、ゴミの内容もそうだが、死因と一緒に出るランキング画面など馬鹿ゲーとしての芸も細かい。
要は面白かった。

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そして中盤を過ぎてから気づく。
このゲームのゴミの大きさ、落下速度が際限なく難易度が上がっていることに。
はっきり言って難しい。
これをクリアするにはゲーム好きでもかなりのやり込みが必要だ。
しかし、短く区切られていてやり直しが苦にならない。

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さらに終盤でゲーム性が変化する。
避けるゲームから、避けるのが不可能なほど落下してくるゴミの間に挟まって生き延びるゲームになるのだ。
そして、クリアしたときに見えたものは「えっ、こうくるの?」という懐かしいながらもちょっと意外な感じ。

クリア後、私のこのゲームに対する評価は「自分が知らなかった面白いゲーム」に変化していた。

ゲームが語る
オールドゲーマーなら、Motherなどのゲームが持っていたメッセージ性を知っているだろう。
最近であれば、ICOなどが近いのかも知れない。
ゲームのプレイ自体が知らず知らずにメッセージになっているゲーム。
ゲーマーならば誰もがそんなゲームを1つはプレイしたことがあると思う。
このゲームも上層に登るにつれて、変化していくゴミから原因を考えてみたりするとなかなかに深い。

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恐らく、ほとんどの方はこのゲームを知らないし、オールドな見た目にプレイを避けると思う。
私もそうだった。

だが、The Incidentは間違いなく、今回のゲーム大賞の作品群に入ってもおかしくないゲーム性を持っているし、世界観もある。
「何かしら凄い」ゲームであることは私が保証するので是非一度プレイしてみて欲しい。
特にオールドゲーマーはプレイした後、演出に何かを感じるはずだから。

The IncidentのDLはこちら(itunes)