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iPhone/iPod touch 2010年のゲームを振り返る

私がiPhoneを使い始めたのは2年前ぐらいだが、ゲームを始めたのはなんと去年の今日だった。
12/27にGameloftから発売されたN.O.V.A. - Near Orbit Vanguard Alliance
2010thegame01
このゲーム発売時の衝撃は忘れない。

「iPhone/iPod touchってこんなゲームが出来るゲーム機だったんだ!」

という驚きがあった。
同時に
「iPhoneにコントローラーがあれば3年後にはグラフィックもPSPを超えるな…」
とか考えていたのが本当に今年のはじめ。

それから1年たった今、ゲームが急速に進化しすぎてびっくりしている。
まさに今年はAppStoreゲーム飛躍の年だったといえる。
まだ早いかもしれないが、今年のゲームを個人的なニュースと共に振り返ってみようと思う。


2010年2月:暇つぶし時代
N.O.V.AをDLしてからというもの、無料ゲームから有料ゲームまで様々なゲームをプレイしまくった。
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中でも面白かったのはPlants vs. ZombiesCrush the Castleの2つ。
前者は知らない人は居ない有名ゲームだから省くとして、後者はAngry Birds系の(と言ってもそれより前に出たのでAngry BirdsがCrush the Castleの後追いだ)物理パズルシューティング。
このときもう、iPhoneはゲーム機だったのだがまだ「暇つぶしに使えるゲーム機」以上のものではなかった。
関連記事:
レビュー Crush The Castle
初心者から楽しめるTDゲーム Plant vs Zombies(旧サイト)


2010年3月:エレメンタルモンスターTDにはまる
丁度話題になっていたElementalMonster TDをプレイしてみてハマる。
2010thegame02
このゲームのグラフィックに感動していたのが、今思うと昔のようだ。
関連記事:
初心者からマニアまで定番TDゲーム ElementalMonstar TD(旧サイト)


2010年4月:2つの衝撃
MMORPG、Pocket Legendsが04月8日に発売。
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オンラインで複数プレイが出来てチャットも可能。
3G回線でもプレイできるとあって、待ち合わせに遅刻された時やら暇つぶしやら合間を見つけては30分ぐらいやっていた。
iPhoneできっちりとオンラインゲームが出来るうれしさを初めて提示された。
このゲームはAngry Birds並にバージョンアップを重ね、現在ではかなり充実しているのでこの機会にやってみるのもいいと思う。
それまではソーシャルゲーム系ばかりだったiPhoneに「ゲームらしいオンラインゲーム」の可能性を存分に見せつけてくれた。

そして、4月20日CHAOS RINGS発売。
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衝撃的だった。
今まではグラフィックがきれいでも所詮iPhone。
数時間で終わるゲームで、専用のゲーム機と比べられるものではなかったが、ケイオスリングスはゲーム機用のゲームとして作られていた。
「iPhoneはDS/PSPと置き換わる…少なくともPSPはまずいかも」
と思った。
レビューでも書いたが、iPhoneに家庭用ゲームを持ち込み、それが高額でも売れることを証明した。
これはAppStoreのゲーム史に残る偉業だと思う。
関連記事:
AppStore史に残る秀作RPG、CHAOS RINGS


5月:Angry Birds名を馳せる
2009年12月に発売されたAngry Birds。
2010thegame06
Angry Birds
と言えば、今や超有名ゲームだが、このころ「アップデートがすごすぎる」と耳に届いてきた記憶がある。
私自身は発売時にやって「Crush the Castleの方が面白い」とあまり気にしていなかったのだが、再びプレイしてみると状況は一変していた。
元のゲームは良かったものの、パズルゲームが好きな人ならばAngry Birdsがおすすめ、と言えるほどではなかったと思う。
Angry Birdsのステージ数は膨大になっており、Crush the Castleを凌いでいた。
「オンラインだからバージョンアップできる」「サポートがしっかりできる」というのはオンラインでソフトウェアを発売するときによく言われたことだが、実際は「バージョンアップできるからバグがあっても販売できる」「とりあえず売って逃げる」という状況のほうがよく目にされた中で、利点を活かして初めて大成功したゲームになった。
(この辺については今度、きっちり記事としてあげたいと思う)


6月:良作たちとの出会い
国内のゲームだけで満足できなくなった私は、海外のサイトもチェックするようになっていた。
そして出会ったのが6月発売のSuper QuickHookCarcassonneだ。
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Super Quickhookはひたすらホックで移動する高速アクション。
アクションゲームと相性がわるいと言われるiPhoneに対し、操作を最適化して対応していた。
それも、カジュアルゲームじゃない。
コアゲーマーまで対応したボリューム満点のアクションゲームで、だ。
N.Y.Zombiesと合わせ「iPhoneはゲーム機になる」と確信した瞬間だった。

一方、Carcassonneは、「ボードゲームをオンラインでやるならこういう感じで」と思っていたものを具現化してくれていた。
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元々の出来がいいことに加え、チャットシステム、オンライン対戦、招待状システムなど素晴らしい出来栄えだった。
やはり、iPhoneは世界市場であり、日本だけを見ていてもゲーマーには物足りない世界ということを認識した。
関連記事:
傑作レース系フックアクション Super Quickhook
レビュー 名作ボードゲーム Carcassonne

7月:iPhone発売の余波
iPhone4が6月に発売された。
それを受け、このころからRetinaディスプレイ対応のゲームが登場し始める。
一言で言ってRetina対応ゲームはきれいすぎるゲームだった。
が、同時に処理能力を要するものでもあり、「iPhone3GSで動くのに、Retinaだと動きががくがくする」というような現象が発生した。
そして、それは現在も続いている。
ジャイロ対応ゲームの登場、もゲーマー的には重要だったか。


12月:来年を占う作品たち。
11月までの間はどちらかというと新作のニュースが先行して、小粒な作品が多かった印象なので飛ばす。
昨年の12月にN.O.V.Aが出てグラフィックの基準となったり、Angry Birdsが出たように、来年を占う作品は年末に登場する。
果たして、それは出た。
12月9日Infinity BladeRAGE HDRAGE
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そして、その後を追ってシャドーガーディアンアスファルト 6: Adrenalineが挙げられる。
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Infinity Bladeは携帯でできる最高峰のグラフィックを見せつけ、シャドーガーディアンは最新機種の性能を活かした演出(グラフィック・モーションなどの物量作戦)で魅せてくれた。
この2つはiPhone3GS、iPod touch第3世代以降でしか動かない。
対してRageとAsphalt6は旧機種・新機種でも滑らかに動く範囲でグラフィックを追求。
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旧機種は旧機種なりに、新機種は新機種なりにきれいなグラフィックを提供してくれた。
3GS以前を切り捨てた「ハイエンドゲーム機系」
広くプレイする「幅広くカバーする技術」
年末のゲームが見せてくれた、このまったく違う2つの方向が来年のトレンドになる気がする。
関連記事:
レビュー:圧倒的グラフィックのアクションRPG Infinity Blade
レビュー:現時点では最高峰のシネマチックアクション シャドーガーディアン
レビュー:手軽・爽快すぎる公道レース アスファルト 6: Adrenaline


まとめ
1月から振り返ってみると、AppStoreのゲームの質が段違いに上がったように感じられる。
少なくとも、グラフィックは1年前とは大違いだ。
ここまでの進化をだれが予想しただろうか。
2011年もプレイヤーとしてはどんなゲームが出てくるか期待できる年になりそうだ。

気になる事としては来年でiPhone3G発売から3年。
2年1サイクルと言われる携帯のサイクルから言って、来年以降はユーザーの3Gからの乗り換えが加速し、ハイエンドゲームはiPod touch第2世代以降が切り捨てられる流れができるかもしれない。
もちろん、広い範囲の機種をカバーしたゲームもまだまだ出るはずだが、2012年には「ゲームらしいゲーム」については完全切り捨てでもおかしくない。
メーカーが「幅広い機種をサポートする」流れに行くのか「2世代前を切り捨てる」方向に行くのか、来年はゲーム内容だけでなくメーカーの動向も気になる1年になりそうだ。

もう1つ。
今年の年末商戦は話題作が出すぎて埋没した作品がいくつもあった。
EAの安売り攻勢を前に十分に売れたのは発売前から話題を作っていた作品ぐらい。
Infinity Bladeは別格としても、Real Racing2、Aralon(日本で存在感がないが、USでは話題のゲームである)、N.O.V.A2は話題作りで成功していた感がある。
逆にシャドーガーディアンやDungeon Defender、Hook worlds、Dark Quest2などは完全に埋もれた格好だ。
売る側にとっては「広告」が課題になると思われる。
AppStoreがゲームストアとしてメジャーになり、安くて手軽なAppStoreから、成熟した市場になって来ているということだろうが、これがゲームの高コスト化を促進しないかというのが心配。
誰でもチャンスがある、お手軽なAppStoreは過去になってしまうのか…?

いろいろな意味で来年もAppStoreから目が離せない。