タイトル：Font Monsters
ディベロッパー：Muu Muu Co.,Ltd.
プレイ時Version：2.0
ジャンル：パズルシューティング
価格：230円
文字で作られたモンスターを退治するユニークなタイピングゲーム。
モンスターに使われている文字を見破ってタイピングすることでダメージを与え、倒すことが目的。
使われているフォントの形が独特な上、拡縮反転しているので「どこに何が使われているのか」探りだすパズル要素が楽しい。
アイデアの勝利
世の中には「どこにでもあるもの」を使ったアイデアだけでやりたくなるゲームがある。
古くは「バーコード」を読み取って戦うバトラー、iPhoneならば「人の声」で戦士を作り出すボイスファンタジーなどのアイデアゲームがそれに当たる。
そして、このゲームもそんなゲームの１つ。
「誰もが利用する文字」で興味を引き、iPhone/iPod touchユーザーなら誰もができる「タイピング」という方法で退治させる。
普段ゲームをしない層にも訴える恐ろしく間口が広いゲームだ。
私自身、飲み会で試して他人の興味を一番引けるゲームもこのゲームかボイスファンタジー。
普段iPhoneをゲーム用途に使っていない人もワイワイ楽しめる。
ルールは簡単
ルールは簡単。
画面に表示されるモンスターに使われている文字をタイピングしていくだけだ。
正解するとパーツが剥がれ、モンスターがちょっと後退する。
間違った文字を撃つと赤い文字で反撃してくるので注意（反撃も同じ文字をタイプすると撃ち落せる）。
反撃でライフゲージが０になるか、モンスターが画面最下部まで押し寄せてきたらゲームオーバー。
独特のフォントと、文字の固まり具合で判別しづらい文字を一つ一つ判別していくのはパズルゲームのような楽しさ。
モンスターのデザインも単純なものからひねったもの、恐ろしいボスモンスターまできっちり作ってあり面白い。
煮つまらないシステム
身近なものを使った素晴らしいアイデアに比べ、ゲームの作りは今ひとつ。
例えば、パズル的な面白さのゲームのはずが難易度をあげると敵が透明になったり、攻撃を回避したりする「やりにくくなるだけ」というパズルゲームとしての面白さを楽しみづらくする仕様。
かと思えば、ハイスコアが表示されるのに「どう倒せば高得点かわからない」、モンスターから文字が剥がれ落ちていくダメージ表現はいい感じなのに、効果音が大昔のシューティングのようでイマイチ爽快感がないなど、パズルシューティングとして見るとやはりイマイチ。
結果的にどちらを向いてつくられたのかよくわからないゲームになっている。
間口は広く、モンスターのデザインもひねってあり、ちょっとプレイすると面白い。
しかし、やり切る前にゲームの限界が見えてしまう。
パズルとシューティングを混ぜてもう一煮込みして味をまとめて欲しかった。
未来に期待
あらを探すと結構出てきてしまうが、それでもアイデアの素晴らしさは疑いようもない。
しかも、そのアイデアを一発で食いつぶしているわけではなく、まだまだ伸ばしていけるだけの伸び代も感じるゲーム。
「モンスターを撃退しつつ、最後にフリック入力の成績が出る脳トレのような要素があったりしたら」
「連続正解でコンボ演出が出たり、RPG要素で自分が強化されたら」
などなど、ライトな方向にもヘビーな方向にもいくらでも面白くなりそうな要素が想像できてしまう。
アップデートとサポート次第でいくらでも化ける可能性を感じる。
Apple Rewindをとったことで、第２作がでるなり継続的なアップデートがされることを期待したい。
追記：
メーカーの方から1月中にGAMECENTER対応・コンボ表示を追加すると連絡を頂いた。
今後のアップデートも見守り、折を見てレビュー修正予定。
トシの評価(5段階)
本当にアイデアはいいし、普段ゲームをしない層の受けもいい。
ただ、ゲーム単品としてみると「面白いアイデアを試してみる」以上のものがないのが残念。
ハードゲーマーほど物足りなく感じるだろう。
とっつきの良さは他のどのゲームにも勝るものがあり、これを磨いていけばAngry Birdsのような定番になる可能性すらあると思われる。
あと１歩で良作、あと２歩で定番、という感じのゲーム。
現段階でも総合評価は2.5だが「iPhoneでこんなゲームができる」とちょっとやらせるだけなら3.5級の力を持っている。
総合：2.5（楽しめる）
＋異常に広い間口
＋モンスターのデザイン
＋一般受けの良さ
－ゲームの中途半端さ
－最終的には覚えゲーなのだが、覚えたあと目指すものがない
－効果音がイマイチ
Font Monstersの詳細はこちら(itunes)
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