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レビュー:現時点では最高峰のシネマチックアクション シャドーガーディアン

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タイトル:シャドーガーディアン
ディベロッパー:Gameloft
プレイ時Version:1.0
ジャンル:シネマチックアクション
価格:800円

PS3で好評を博したアンチャーテッドを元に作成された、いわばゲームロフトのアンチャーテッド。
映画、インディー・ジョーンズのような冒険を繰り広げるアクションゲームだ。
アイデアこそ「パクリ」であるものの、内容はiPhoneのアンチャーテッドと言って差し支えない出来栄え。
まさにシネマチックアクション。

アンチャーテッドiPhoneへ。
アンチャーテッドとはPS3で発売された、映画のような映像と音響でアクションを楽しめるゲーム。
その映像美と丁寧な作り、完成度の高さで世界的に評価の高いゲームだ。
そこから発想を受け継いだこのゲームも「グラフィック」「演出」「丁寧な作り」でプレイヤーにストレスを感じさせず、大冒険を楽しませてくれるアクションアドベンチャー。
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ゲームは遺跡の秘宝を狙う敵組織と、それを阻止しようとする主人公の冒険を軸にしたアクションアドベンチャー。
ピラミッドや街中、神殿など様々な場所でアクロバチックなアクションをこなしつつ冒険を繰り広げる。
ときに銃撃戦あり、未知の怪物との遭遇ありで内容は本当にアクション映画のよう。
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総プレイ時間は5時間程だが、そのなかで「アクロバットアクション」「銃撃戦」「ボス戦」「ストーリー」とシーンが切り替わり、豪華な演出を楽しめる凝縮されたアクションアドベンチャーになっている。
その内容はiPhoneのアンチャーテッドと言って恥じるところはない。
ただ、本当に直球でそのままなのでもう少しひねっても良かったと思うのだが…。

アクションの正統進化
ゲームロフトのアクションといえば、壁を登ったり、ぶら下がって移動したり、ジャンプで飛び移ったりと定番のアクロバティックアクションだ。
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お定まり過ぎて飽きが来ていたこれらのアクションも、進化したグラフィックと演出、キャラクターのモーションで俄然迫力が増し、再度楽しめるようになっている。
方向キーとボタン1つだけでできるお手軽アクションの復活だ。
銃撃戦も壁に隠れて敵を撃つ、お定まりのTPSアクションだがこちらも全て進化。
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(アクションボタン1つで壁に隠れたり、壁から出たり。照準ボタンで照準モード切り替え、画面スワイプで照準。一般的なFPSっぽい操作)
壁に隠れながら撃つと当たりづらいなど以前から存在していたシステムも視覚的に分かりやすくなり、戦場もかなり広いことが多く動きまわることができる。
敵の動きは個性が増しているし、3つの勢力が入り乱れて複数勢力が戦う(敵はプレイヤー+もう1つの敵勢力と戦い、プレイヤーも2つの敵勢力と戦うような複雑さ)や巨大ボスとの戦いなどシチュエーションも様々。
操作性も全体に改善され、「カメラワークのせいで状況がわからない」「先が見えなくて落下」などは一切無いし、銃撃戦時に「壁に隠れているのに操作ミスで出てしまった」などということも起きづらくなっている。
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ストレスの原因となる箇所が丁寧に取り除かれ、気軽に「映画のように」アクションが可能。
視覚面・操作面・音響面、全てが強化されてお決まりのアクションがまた新鮮に楽しめる。

ゲームロフト、その底力
以前はAppStoreのゲームで最高のグラフィックを誇るゲームを次々と発表し、アイデアにオリジナリティが無いとは言え、ゲームロフトは最先端のメーカーの1つだった。
しかし、「最先端」のイメージはInfinity BladeやRAGEなど家庭用・PCゲーム機からデビューした最先端エンジンに奪われ、ゲーム自体も(特にアクション部分は)使い回しが目立って飽きがきて、「セールがすごいメーカー」として徐々に輝きが失われてきていた感があった。
だが、今回初めてiPhone3GS/iPod 第3世代以降のみ対応とし、「iPhone4の限界に挑戦したデモから作ったゲーム」としてリリースされたシャドーガーディアンは間違いなくAppStoreでも最先端のグラフィック。
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カメラ切り替え自由のムービーシーンからは「これがゲームロフトの力だ、どこから見ても綺麗だぜ!」という自信を感じ取ることができる。
最近ではRAGEとInfinity Bladeがグラフィックで話題になったが、少なくとも(旧機種でもプレイできる)RAGEと比べてこちらの方が明らかにグラフィックが豪華。
遠景まで綺麗に表示してくれるし、それでいてグラフィックも荒くない。
Infinity Bladeと比べると見劣りする面もあるが、自由に動きまわれて比較的フレームレートが安定しており、膨大なモーションの数もあって、見切ることがない。
Infinity Bladeが「静の美しさ」だとすればシャドーガーディアンは「動の美しさ」の次世代ゲーム。
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自由に動き回れるゲームとして、現段階で最高峰と言ってもいいだろう。
効果音やモーションが弱かった過去作と比べて演出面でも長足の進化。
ジャンルもその進化が生かされるシネマチックアクション。
ゲームロフトの本気を知るならこのゲームしか無い。
iPhone 3GS/iPod touch 3G以降のみをサポートするゲームとしてAppStoreに新基準を打ち立てたと言っていい。


トシの評価(5段階)
12/16の大作ラッシュの中で突如リリースされた伏兵敵存在ながら、始めたらついついクリアまで行ってしまった良作。
値段とボリュームを比べると物足りないかもしれないが、「短時間に飽きられる前に凝縮する」という方向性で考えると豊富なステージと演出で、値段相応に豪華に作られている。
AppStoreで中心的な立場にあるゲームロフトがこのゲームを出したことで、今後はこのゲームがグラフィックの基準になっていくことは間違いない(Infinity Bladeは基準になりえないと思われる理由があるのだが、その点は時間があるときに説明したい)。
評価は最先端のゲームを見るというお祭り込みの評価。
ボリュームや歯ごたえを求めるハードゲーマーだとちょっと辛くなるかもしれないが、やってみて損はないゲーム。

総合:3.5(かなり面白い)
+徹底的にストレスのない操作性
+豪華なグラフィック
+モーションからAIまで豊富な演出
-ボリュームが少なめ
-ストーリーは少し淡白

Shadow Guardianの詳細はこちら(itunes)